Pangeaレーベルって一体何だったのか?と思いながら聞いていたFareed Haque盤
"Voices Rising" Fareed Haque(Pangea)
このアルバムをリリースしたPangeaレーベルはStingのレコード会社として結構話題になったものだが,カタログに残っているのって結構少数のような気がする。一番有名なのはSteve Colemanで,本作,あとVinxぐらいしか私は認識していないのだが,ほかにもあるのだろうか?誰が聞いても,売れそうにはないメンツと言ってもよいが(爆),Stingがどういう意図を持ってこのレーベルを運営していたのかは今や謎である。
それでもって本作であるが,中身は全然知らないまま,中古盤屋で拾ってきたのが随分前のことであるが,ちゃんと聞く機会がなかったなぁということで,本日の記事のアップである。Fareed Haqueは全編でクラシック・ギターを弾いているが,同じ楽器でもEarl Klughとは全然違うのは当たり前である。本作をプロデュースしているのはRick Marottaとの記載がある。あのセッション・ドラマーとしても有名なRick Marottaと同一人物と思われる(ドラムスも1曲叩いている)が,二人の接点がどこにあったかは全くわかっていない。
ここでは比較的ハイブラウなフレージングも交えながら,結構しっかりした音楽性を聞かせてそれなりに楽しめるのだが,やや幅広い音楽性を捉えようとし過ぎた嫌いは否定できず,やや焦点がぼやけた感もあるのは惜しい。だが,タイトルからも推して知るべしという感じのPaco De Luciaを意識したであろう冒頭の"Paco's Blues"から,クォリティは決して低いものではない。繰り返しになるが,これは決して悪くはないアルバムなのだが,やはりどこを目指して作られたものかがもう少し明確ならよかったように思える。まぁ,Fareed Haqueの技の多彩さはよくわかるのだが...。星★★★。
その後,Pangeaレーベルがどうなったかについては知る由もないが,一過性の活動で終わってしまったというのが実態ではなかろうか。とか言いながら,Steve Colemanのアルバムは相当好きなのだが(笑)。
Personnel: Fareed Haque(g), John Adair(g), David Spinozza(g), Fred Simon(key), Clifford Carter(key), Craig Snider(key), Steve Rodby(b), Tony Levin(b), David Derge(ds), Alejandro Espinosa(ds), Rick Marotta(ds), Joe Pusateri(perc), Ed Petersen(sax)
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