Nik Bärtsch's Roninのライブはよかったぜい(笑)
Nik Bärtsch's Roninはこれまでも来日しているが,私は彼らのライブに接するチャンスがなかった。しかし,今回の来日情報を察知して早々とチケットをゲットしたのであった。場所は代官山という私とは縁遠い場所(笑),更にヴェニューが「晴れたら空に豆まいて」という訳のわからない名前のお初のライブ・ハウスである。
こういう時に限って,私は福岡への日帰り出張とバッティングしていたのだが,順調ならば間に合うフライト・スケジュールであった。しかしである。福岡で離陸が遅れ,羽田でも滑走路変更で到着も遅れ,到着は開演3分前みたいになってしまい,マジで焦っていた私である。到着した現地はほぼフルハウス状態だったが,もう少しテーブルの感覚は空けて欲しいかなぁとは思ったが,インティメートな雰囲気のなかなかいいライブ・ハウスであった。
青息吐息で到着した私だったが,演奏が始まってしまえば,彼らがリチュアル・グルーブと呼び,私がミニマル・ファンクと呼ぶ音楽が展開され,気持ちよい時間を過ごしてしまった。彼らの音楽にはジャズ的アドリブは希薄で,ほとんど書かれたもののように見えたが,唯一アドリブ的なプレイをしたのがベースだけというのが面白い。今回は座った席の関係で,Nik Bärtschのプレイぶりはよく見えなかったのだが,それでもマレットを使ってピアノの弦を叩く,はじく,あるいはピアノのボディを叩くようなパーカッシブなプレイも行っていたのは見て取れた。そこは即興的なものかもしれないが,アンサンブルそのものはユニゾンが決まっていて,アレンジがしっかりしていると思わせた。だが,書かれている音楽なのに,どうしてここまでグルーブを感じさせるのかと思ったのも事実である。しかも訳のわからない変拍子の連続にもかかわらずなのだ。
今回のライブに接してつくづく思ったのが,スイスという国からこういう音楽が生まれることの不思議であったが,それでもこのグルーブはやはりはまる。まさに麻薬的なのだ。正直言って,私が日頃行くライブと明らかに客層が違ったのが面白かったが,彼らがECMの諸作を買っているとも思えず,どうやって集まったのかなぁなんて思った私である。まぁ,そんなことはどうでもよくて,このライブはPA,照明含めて非常に好感度の高いライブだったことは間違いない。ってことで満足,満足で家路についた私であった。写真はWebからの拝借だが,今回も終演後はこんな感じであった。但し,Nikはもう少し笑ってたが。
Live at 「晴れたら空に豆まいて」 on October 14, 2015
Nik Bärtsch(p, key), Kaspar Rast(ds), Thomy Jordi(b), Sha(b-cl, as)
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