Scott Henderson@Iridiumを改めて振り返る
先のNYC出張中にIridiumにScott Hendersonを観に行ったことは既に書いた通りであるが,元々は9/16,17の両日にIridiumに出演予定だったはずである。ところが,私が渡航して確認してみると,9/17はJoe Jacksonが出演予定になっていて,彼らの演奏は9/16にしか見られないことがわかった。
9/16は出張者及び現地スタッフでの会食があり,ライブに行けるかどうかわからなかった(当日にはBilly CobhamのバンドもB.B. King'sに出ていたのだが,20時からでは行けないと諦めた)のであるが,幸い(?)21:15には会食が終了し,22時からのセットに駆けつけるべく,Iridiumに徒歩で向かったのであった。現地に着いてみると,店に向かう階段には10~15人ぐらいしか並んでいないのには驚いたが,Scott Hendersonの人気なんてその程度なのかもしれないと思いつつ,開場を待っていた。最終的に,当日の2ndセットも,Iridiumの客席の半分も埋まっていないって感じだった。こんな調子だから,9/17はJoe Jacksonに取って代わられたのではないかと勘ぐってしまったが,それでも新作"Vibe Station"と同じメンツで聞かせた音楽は,ハード・フュージョンってのはこういうものよと思わせる,まさにスリリングな演奏であった。
聴衆は決して多くなかったにもかかわらず,Scott Hendersonは終始機嫌がよく,彼の時にお下劣なMCには大いに笑わせてもらったが,曲目のアナウンスがなく,何をやったかが定かではない。しかし,ほとんどは新作からの曲だと思える中で,最も聴衆に受けていたのは"D♭ Waltz"だと思う。Weather Reportのこの曲はJeff Berlin,Dennis Chambersとの共演作"HBC"でやっていたが,私にはライブならではの強烈なグルーブで迫ってきて,アルバムの演奏より燃えたと思ってしまった。いずれにしても,かなりの近い距離で見ると,Scott Hendersonがアームをうまく使いながら,フレージングを展開していることを改めて認識していた私である。やっぱりうまいなぁと感心する一方,私は彼らの繰り出すグルーブに結構激しく身体を揺らしていたのであった。
今回のメンツはベースがLarry Carltonの息子であるTravis Carlton,そしてドラムスがAdam Herzというものだったが,彼等にもソロ・スペースが与えられ,バンドとしてもなかなかいいコンビネーションだと思わせるものであった。余談ながら,Travisは全然親父に似ていないのが笑えたが,ベースの腕は確かなものだった。
演奏終了後にはCDの即売会が始まったが,私は日本から持参していたものである。しかし,結構な数がさばけていたようだから,聴衆も満足度が高かったってことだろう。私もサインもらいがてら,Scottとちょっと話をしたのだが,来年ぐらいには日本に行けるかもとか言っていたので,再度の来日を期待することにしよう。いや~,それにしてもカッコよかったわ~。翌日のGil Evans Projectとギャップが大き過ぎるって話もあるが,それが何か?(笑)
Live at Iridium, NYC on September 16, 2015, 2ndセット
Personnel: Scott Henderson(g), Travis Carlton(b), Adam Herz(ds)
« 出張中に見た映画(15/09編その1):国内未公開ながらこういうのは機内エンタテインメントに最適と思えた"Spy" | トップページ | LPでこんなものを聞いていた:Terry Rileyの"Songs for the Ten Voices of the Two Prophets" »
「ライブ」カテゴリの記事
- Mike Stern@Cotton Club参戦記(2025.03.13)
- SF Jazz Collective@Blue Note東京参戦記。(2025.03.08)
- Nate Smith@Billboard Live東京参戦記(2025.03.01)
- Jazz Pulse@Cotton Club参戦記(2025.02.27)
- 人生初の声楽リサイタルを聞きに,お馴染みイタリア文化会館に出向く。(2025.02.02)
「ジャズ(2015年の記事)」カテゴリの記事
- 2015年の回顧:音楽(ジャズ)編(2015.12.30)
- 2015年の回顧:ライブ編(2015.12.27)
- やっぱり好きだぜ,Mike Stern(笑)(2015.12.23)
- Muthspiel~Johnson~Bladeといういいメンツによるスタンダード集。(2015.12.19)
- ブート音源で聞くJoe Lovano~Chris Potterによる「至上の愛」(2015.12.15)
« 出張中に見た映画(15/09編その1):国内未公開ながらこういうのは機内エンタテインメントに最適と思えた"Spy" | トップページ | LPでこんなものを聞いていた:Terry Rileyの"Songs for the Ten Voices of the Two Prophets" »
コメント