休日のLP聴き:Mike Breckerがストレートに吹くMike Nock盤
"In Out And Around" Mike Nock(Timeless)
最近,記事の更新を怠ることの多い私だが,週末ぐらいはちゃんと記事をアップしようってことで,先般セットアップしたレコード・プレイヤーを使ってのアナログ盤聞きである。今日はMichael Breckerがワンホーンで吹くMike Nock盤である。
振り返れば,私はMichael Breckerを毛嫌いしていた。それはKeith Jarrettを苦手としたとか,そういうのと同じレベルでの生理的な反応(笑)と言ってもよいのだが,年齢とともに,音楽の嗜好,あるいは捉え方が変わり,BreckerやKeithに対して昔とは全然違う反応を示すようになったのは,我ながらちょっと恥ずかしい。だが,今はちゃんと魅力もわかるようになったからよしとしよう。
このアルバムは,ここ暫くご無沙汰している高田馬場Milestoneで入手したもののはずだが,CDも先般1,000円のシリーズでも出ているので,音源としての入手は全然難しくはない。それでも現在にCDジャケとのギャップの大きさには笑えてしまう(上がLP,下がCD)。どっちがいいかはさておき,確かにLP版のジャケでは,中古盤屋で漁っていても,手が止まることはないかもしれないなぁ(笑)。
だが,本作はワンホーンというセッティングにおいて,Michael Breckerのテナーの吹きっぷりが十分楽しめるところが,このアルバムの魅力となっていることは間違いないところだろう。それを実現させたのがMike Nockの粒の揃ったオリジナル,更にはメンツによる好演ではあるが,Breckerについつい魅かれてしまうのが一般人の限界である。冒頭と最後に収められた急速調の2曲(なぜか,LPとCDはこの2曲の順番が入れ替わっているようだが,単なる曲名の間違いかもしれない...)はもちろん,バラッド表現でもなかなかいけているところを聞かせるBreckerである。星★★★★。
このアルバムはそれこそMilestoneのようなジャズ喫茶で聞いたことはあったかもしれないが,今回,ちゃんと聞いてみて,へぇ~と思っていた私である。やっぱり温故知新なのである。
Recorded on July 7, 1978
Personnel: Mike Nock(p), Mike Brecker(ts), George Mraz(b), Al Foster(ds)
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コメント
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こんにちは、懐かしいアルバムが!
私はこのアルバムのアメリカリリースバージョン、
Timelessmuseレーベル盤で持ってました。
レコードだとB面を耳たこで聴きました。
これとHal Galper盤は'70年代のMichaelのジャズ名盤ですね。
投稿: Namy Hay | 2015年9月 6日 (日) 15時46分
Namy Hayさん,こんばんは。懐かしさを増幅させるにはLPが一番(笑)。ってのは冗談ですが,これって,Breckerにはまっていれば,絶対追っ掛け盤ですよねぇ。私はそうではなかったので,今頃こんな記事を書いているんですけど(笑)。
でもこうして同時代を共有できるのも何かの縁ってことで。
投稿: 中年音楽狂 | 2015年9月 6日 (日) 22時51分