Lizz Wrightの新譜がすこぶるよい。来日が楽しみになってきた。
"Freedom & Surrender" Lizz Wright(Concord)
アルバム・リリースの情報が出回るだけで期待してしまうミュージシャンは,私にとっては何人かいるわけだが,比較的若手の中ではLizz Wrightもその中に入ってくる人である。このブログでも,彼女のアルバムは何枚か取り上げているが,"The Orchard"で初めて聞いて,現在までに出ている彼女のリーダー作はすぐに揃えたぐらいはまってしまったのであった。前作"Fellowship"ではゴスペル的なところも聞かせた彼女だが,5年ぶりの新作となる今回は,ソウル的な響きが強まっている。
そして冒頭の"Freedom"からして,これは絶対いいだろうと思わせる立ち上がりだが,その後も,この人の魅力的な声と,魅力的な曲が相俟って,これが素晴らしい出来である。もちろん,これが本人のミュージシャンとしての素養に基づくものなのは当然だが,それに加えてそれを最大限に引き出す,Larry Kleinのプロダクションが立派である。Larry Kleinは私が昨年ベスト盤の一枚に推したBilly ChildsのLaura Nyroトリビュートでもいい仕事ぶりであったが,これまたやってくれたって感じである。そして,Bee GeesのRobbin GibbとBarry GibbがもともとOtis Reddingのために書いたと言われる"To Love Somebody"(Otisは吹き込む前に亡くなってしまったらしいが...)の素晴らしい歌唱を聞いて,このアルバムへの評価は決定的となった。
Lizz Wrightは同じくKleinがプロデュースしたJ.D. Southerの最新作にもゲスト参加していたが,本作にはJ.D.との共作"Right Where You Are"が収められていて,この辺りのミュージシャンによるシンジケートみたいな関係性も面白かった。
Lizz Wrightは11月に来日することになっているが,この作品を聞いて,そのライブの場に絶対行くと決めた私である。ライブのパフォーマンスを見る価値がある歌手であるという思いを改めて強くした私である。これは今年聞いたアルバムの中でも,評価の高い部類に入ってくるアルバムだと思っている。私の音楽的嗜好との合致度も極めて高く,喜んで星★★★★★としてしまおう。やはりLizz Wright,素晴らしい歌手である。
Personnel: Lizz Wright(vo), Kenny Banks(p, key), Pete Kuzma(org), Billy Childs(rhodes), Dean Parks(g, mandolin, bazouki), Jessie Harris(g), Dan Lutz(b), Vinnie Colaiuta(ds), Pete Korpula(perc), Larry Klein(key, g), Gregory Porter(vo), Till Bronner(fl-h)
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