新譜でもなんでもないが,ECM未聴盤聞き:Giovanni GuidiのECM第1作
"City of Broken Dreams" Giovanni Guidi Trio (ECM)
私はECMレーベルのそこそこのファンだが,買ったはいいが,全然聞けていないアルバムが実は結構残っている。このアルバムは彼らのECMでの第2作"This Is the Day"がよかったので,その後買い足したものだったと思う(あるいは先に買っていたかもしれない...)が,それを記事にしたのが5月の半ばだった(記事はこちら)から,もう3か月も経過しているではないか。どうも最近は購入したものの,音楽を聞く時間が十分にないのはいかんなぁと思いつつ,遅ればせながらの記事のアップである。同じようなことを前述の記事にも書いていて,全く私のブログにも芸がないと反省せざるをえないが,まぁそれはさておきである。
”This Is the Day"同様,本作はECMを好むリスナーにとってはフィット感抜群のアルバムではないだろうか。甘美なメロディ・ラインを持つ曲と,若干フリーなアプローチを取った曲が混在していて,まさにこれってECMっぽいよねぇという音であり,この2作は非常に近い印象を持っているように思う。これがManfred Eicherのプロデューサーとしての個性であり,手腕であると思うが,次に出るアルバムが同一路線で来るか,何らかの変化を示すかは今から興味深いところである。いずれにしても,比較的短いインターバルで2作がリリースされているところに,この人への期待が示されているように思えるし,それも当然と思えるサウンドである。
いずれにしても,Giovanni Guidiというピアニストが,今後もECMレーベルで活躍していくことはまず間違いないと思わされる作品であった。星★★★★☆。このGiovanni Guidiといい,Stefano Battagliaといい,Vijay Iyerといい,ECMレーベルは期待できるピアニストの宝庫という位置づけを確保しているなぁ。加えて,Marcin WasilewskiもTord Gustavsenもいるって凄いことであるが,それだけManfred Eicherという人が磁力を持つということの証左と言えよう。
ちなみに今度はTigran Hamasyanまで出るみたいだが,私はあの人は苦手なんで,ECMとは言え,買わないかもなぁ(笑)。
Recorded in December 2011
Personnel: Giovanni Guidi(p), Thomas Morgan(b), João Lobo(ds)
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イタリアのgiovanni guidiは、私も注目度の高いピアニストです(TBさせて頂きます)。2006年のアルバム「Tomorrow Never Knows」は、”ローズマリーの赤ちゃん”を演じていて、あの若さで感心したのですが、ここに来てのECMにてのアルバムは、Eicherの力も当然あると思いますが、進歩は著しいですね。既に「This is The Day」は名盤に入りそうな雰囲気すらありますね。
投稿: 風呂井戸 | 2015年8月15日 (土) 18時33分
風呂井戸さん,こんばんは。TBありがとうございます。
Venusにしてはエロくなくて、それだけでもまともに思えます(爆)。そこまで遡ることはないと思いますが,ECMの2作だけでもこれはかなりのもんだと思わせてくれます。これからも注目に値するピアニストがまた一人加わったって感じですね。
ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2015年8月15日 (土) 23時15分
ECMって意外にピアノトリオのアルバムって多くないんですが、そのかわり出るといいアルバムって多いですね。フリーの曲もあったりして、彼のECM以外の曲を聴いたことがないのですが、ECMとしては出だしのアルバムはけっこう良かったんじゃないかと思います。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2015年8月16日 (日) 23時20分
910さん,続けてこんばんは。TBありがとうございます。
私はこのアルバム,暫く寝かしておいたのですが,これはもっと早く聞くべきアルバムでした(Vitousでも同じようなことを言ってますが...)。本当にECMのピアニストはいい人材が揃っていますね。素晴らしいことです。
ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2015年8月18日 (火) 18時24分