ジャケ買いした記憶が鮮明に残っているAfghan Whigs
"Gentlemen" Afghan Whigs(Elektra)
このCDを買った時のことは妙に鮮明に覚えている。本作がリリースされたのは1993年だが,私がこのアルバムを購入したのは米国出張中,NYCにおいてのことだった。場所は,今はもうなくなってしまったが,Columbus CircleとLincoln Centerの中間ぐらいにあったTower Recordsだったはずである。
私がこのアルバムを試聴もせず購入したのは,偏にこの印象的なジャケットのせいである。ロックのコーナーに置いてあったから,ロックのアルバムだということはわかっていたが,どんな音楽かは全く承知していなかった。そんな私を,このジャケ写真が「おいで,おいで」していたのである(笑)。表ジャケ,裏ジャケ,ライナーに写るこの少年の写真に強烈な訴求力を覚えた私だが,ジャケ写真にはタイトルもグループ名も書かれていない。このアルバムの名前とAfghan Whigsという名前は,CDの背から知ることができただけである。バンド名も知らなかった私だが,そんな私に買わせてしまうのだから,これはアートワークの勝利と言わず何と言うべきか。と言っても,保守的な人から見れば,このジャケットは問題があるように映るかもしれない。Linda Ronstadtがこのジャケを見て怒り狂ったとかいう逸話も伝わっているが,私にはいいセンスに見えるけどねぇ。超リベラルな私らしい(笑)。
そして音楽を聞いてみると,グランジに分類されるのではないかと思えるが,アメリカのバンドにしてはウェットな感覚が妙に気に入って,買ってからしばらくは結構聞いていたように思う。リリースから21年後の2014年には"Gentlemen at 21"としてリイシューされているから,それなりに評価されているアルバムだったのだろうと言えると思う。日本ではAfghan Whigsなんてのは決してメジャーな存在と言えないかもしれないが,私の中ではこのジャケだけで一生頭から離れることはないという不思議なアルバム。決して私の嗜好に完全にフィットする音楽ではないのだが,そういうアルバムがあってもいいと思う。星★★★★☆。
Personnel: Greg Dulli(vo, g), Rick McCollum(g), John Curley(b), Steve Earle(ds), Harold Chichester(p, key), Barb Hunter(cello), Marcy Mays(vo), Jody Stephens(vo)
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