久しぶりにTom Costerの"From the Street"を聞いた
"From the Street" Tom Coster (JVC)
Tom Costerと言えば,もともとはSantanaであるが,Santana脱退後のハードなフュージョン路線が結構いけていることは当ブログでも取り上げた"The Forbidden Zone"でも実証されていることである。それに続いてリリースされたのが本作のはずだが,ミュージシャンとしては"Forbidden Zone"ほどのものではないとしても,同様にハードなフュージョンを展開するアルバムとして見逃せない。
正直言ってしまうと,私は参加ミュージシャンやインパクトから,"The Forbidden Zone"を本作よりも高く評価してきたのだが,今回,久しぶりに聞いてみると,こっちも決して悪くないし,むしろ筋は本作の方が一本通っているように感じてしまうから勝手なものである。しかし,そう感じるのは,"The Forbidden Zone"が余計なラテン・タッチを一部に入れて,ブレが生じていたのに対し,こちらはハード・フュージョン一直線だからだ。ドラムスが全編Dennis Chambersであるのは前作同様だが,Shiela E.が全編でパーカッションっていうのは意外な人選である。しかし,彼女の親父であるPete EscovedoとTom CosterはSantanaでのバンド・メイトであるから,彼女のことは昔から知っていて,ここにも参加させた(してもらった)って感じかもしれない。
全編に渡って非常にヘビーでタイトな演奏ということもあり,この手の音楽好きには間違いなく受けるはずである。"The Forbidden Zone"同様,星★★★★としてよいだろう。そして,本作に1曲だけ参加して,場をかっさらうStuart Hammのファンク・ベースが強烈な"Pharaoh's Jig"で興奮しなければ,この手の音楽との相性が悪いと思いましょう(笑)。
Personnel: Tom Coster(key), Bob Malach(ts), Michael Brecker(ts), Dean Brown(g), Steve Cardenas(g), Tim Landers(b), Stu Hamm(b), Dennis Chambers(ds), Shiela E.(perc), Mark Isham(tp), De Shaun(vo)
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