Mike Stern@Cotton Club参戦記
北海道から戻ってひと仕事をこなしてから,Mike Sternのライブに参戦である。今回はよくライブでご一緒させて頂くイタリア・ジャズの女神さまのつてで,サックスのBob Franceschiniのゲストとしてご招待して頂いたものである。ありがたや,ありがたや,女神さまにBob。
ってことで,席について演奏を待っていて,改めて考えてしまったのが,今回参加のVictor Wootenを生で見るのは25年ぶりってことである。あれは1990年8月,私がNYCに渡って生活を始めた直後のことであった。場所はRadio City Music Hall,WootenはBela Fleck and the Flecktonesの一員として,Chicagoの前座で出演していたのであった。その時にも凄いテクニックのベーシストだと思っていたので,今回のマイキーとの共演も楽しみにしていた。
結論からすれば,マイキーはいつも通りで,Victor Wootenもスラッピングを交えたソロでは彼らしいテクニックを示した。だが,演奏の間,私は結構如何ともしがたい違和感を感じていた。その要因はWill Calhounのドラムスによるものである。どうもドラムスのセッティングがマイキーの音楽にフィットしない。私の感覚では,Dave Weckl やDennis Chambersのような煽りが感じられなかったのである。これはCalhounのドラムスがジャズ的に響いたせいもあれば,音が硬質でない感じがしたことにもよる。マイキーはWill Calhounとレコーディングしたことはないと思うが,Living Colour的ロックな音ならまだしも,今回の共演は成功と思えなかった私である。
マイキーは終始ご機嫌だったが,私のマイキーのライブ体験においては,最も違和感が残るものだったのは残念だった。ご招待してもらいながら失礼なことを書いているのは承知の上で,私はより激しい高揚感を期待していたが,それが満たされなかったのはちょっと残念であった。
女神さまには,ライブ終了後に上述のような違和感は伝えてあるが,マイキーは相変わらずであり,そこは心配はないので念のため。
今回は出張帰りだったので,CDを持参しておらず,恒例のサイン会には不参加,そしていつものようにピックをもらうのも遠慮した。その代わりと言ってはなんだが,今日はマイキーのエフェクター・ボードの写真をアップしておこう。デジタル・ディレイが2発だったのねぇ。面白いわ〜。
なんだかんだ言っているが,改めて女神さまとBobには大感謝である。そのことに揺るぎはない(きっぱり)。
Live at Cotton Club東京 on June 5, 2015,2ndセット
Personnel: Mike Stern(g, vo), Bob Franceschini(ts), Victor Wooten(b), Will Calhoun(ds)
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