菊地雅章:もう一枚あったGlass Houseレーベルのアルバム
"Dreamachine" 菊地雅章(Glass House)
先日,このブログでAdam HolzmanのGlass Houseレーベルのアルバムについて取り上げた時,私が同レーベルで保有しているのは3枚と書いたが,CDラックを整理していて,もう1枚発見である。それがこの菊地雅章のアルバムであるが,結構濃い~メンツによる「ど」ファンク・アルバムとなっている。
このアルバムにおいて,どの程度菊地雅章の個性が感じられるかというと,結構疑問の部分もあって,これがセッションから生まれたであろうことはおそらく間違いないところである。全7曲中,5曲が菊地とプロデューサー,Bill Lawellの共作となっており,どの程度事前に書き込まれたかははっきりしないが,むしろスポンテイニアスな環境において生み出されたもののように聞こえる。だからこそ,菊地の単独作品"Straylight"の静謐な美しさがアルバムにおいて特殊な空間を占めることになっている。
だからと言って,この作品が悪いという訳ではない。こうした重いファンクは時として刺激的であり,このグルーブに身を任せて,身体をゆすってればいいという感じである。だが,そうしたことを音楽に求めないリスナーにとっては,おそらく苦痛となってしまうであろう音楽である。そこが評価の分かれ目でだが,このメンツにより生まれるヘビー級ファンクが好きな人間にとってはたまらんのだ。でも菊地雅章を聞くならこの作品から出なくてもいいことは間違いない。私としても,何ともアンビバレントな感じが漂っているが,星★★★★ぐらいにしておこう。
それにしても,いつ買ったのか全然覚えていない。
Personnel: 菊地雅章(synth, p), Bernie Worrell(synth), Bootsy Collins(b), Bill Laswell(b), Nicky Skopelitis(g, fairlight), Aiyb Dieng(perc)
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