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2015年6月14日 (日)

Gary Peacock久々のリーダー作が美しい。

Now_this"Now This" Gary Peacock Trio (ECM)

Gary Peacockの活動の軸足は,Keith Jarrettとのトリオに置かれていて,彼のリーダー作は2013年に出たはずのMarilyn Cryspellとの"Azure"以来ではないかと思うが,単独でのリーダー作は,どこまで遡らなければならないかがはっきりしない。まぁ,それはさておきであるが,今回はリリースがアナウンスされた時から,Marc Coplandとのトリオ作ということで非常に期待が高まっていた私である。

Keithとのトリオは,レベルの高さは認めつつも,やはりマンネリかなぁと思わせる部分があることは否めない。だからこそ,私はこういう作品でのGary Peacockの演奏にこそ,彼の本質的な部分が出てくると思っている。そして,ここで聞かれる音は,予想通りと言えば予想通りであるが,Marc Coplandの美的なピアノを得て,Keithトリオとの違いが強く感じられるものとなっている。そして,こちらの期待通り,非常に美しい響きを持つ作品である。そして,ここで聞かれるPeacockのベースの音のなんと魅力的なことか。さすがECM,というかJan Erik Kongshaugのエンジニアリングである。

ややフリー的なアプローチを聞かせる部分もあるが,基本的には三者対等に近いかたちで,スポンタニティ十分に展開される,美しいピアノ・トリオである。そして,決して熱くなることはない。それはいい意味でであって,決して悪いことではない。そういう音楽として聞けば,何の問題もないのである。もともとMarc CoplandとGary Peacockは共演経験も長く,Coplandのリーダー作でのバッキングでも相性のいいところを示していたから,本作もほぼ成功は約束されていたようなものだが,ちゃんとよい作品に仕立ててくるところが立派である。

私のように,この手の音楽が好きであれば,無条件に認めたくなるような作品と言っておこう。傑作という評価まではできないとしても,十分に聞き応えのある佳品。星★★★★。

Recorded in July, 2014

Personnel: Gary Peacock(b), Marc Copland(p), Joey Baron(ds)

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コメント

まさかゲイリー・ピーコックが新しい録音で、しかもマーク・コープランドとジョーイ・バロンとのトリオで出すとは思いませんでした。でも、聴いて納得の音ですね。やはりこのメンバーならではの音かと。次はコープランドのリーダー作がECMから出ないかなあ、なんて期待をしています。

TBさせていただきます。

910さん、こんばんは。TBありがとうございます。

おっしゃる通り、私もMarc CoplandのECMからのリーダー作のリリースに期待しています。ジョンアバに続いての登場は嬉しい限りです。

主役のPeacockは泰然自若って感じもしますが、なかなかいいアルバムでした。

ということで追ってこちらからもTBさせて頂きます。

閣下、美しい空間でしたね。
かなり高い美意識を3人で共有して、叙情的な中に少しだけトンがった部分もあって、ひんやり感がたまりませんでした。
夏の夜にいいですよねぇ。。

って、ことで、トラバしますね。

Suzuckさん,こんにちは。TBありがとうございます。

Gary Peacockがまだまだいけていることを実証してますが,やはりMarc Coplandとの相性はいいですよね。私はKeithとのトリオを否定するわけではありませんが,PeacockはKeithとやらなくても全然問題ありませんね。

ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。

だいぶん遅れてのアップです。
9から10曲目の「懐メロ」で泣けました。
いいアルバムですね。硬質の美しさ、がピーコックの本領ですね。

kenさん,続けてこんばんは。

Gary Peacockの年齢(あるいは健康状態)がスタンダード・トリオの活動の継続において,影響を及ぼしかねないなんて話もありましたが,この作品を聞く限り,全然現役でいけるって感じですよね。ただ,長いツアーに耐えられないってところではないかと思います。

いずれにしても,私はMarc Coplandにも期待して本作を購入した訳ですが,その期待は決して裏切られませんでした。いい作品でした。

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