中古でゲットしたEsperanza Spaldingのアルバム:人気が出るのもよくわかる心地よさ
"Esperanza" Esperanza Spalding(Heads Up)
結構前に中古でゲットしていたのだが,積んどく状態になったいた本作をようやく聞いた。私は"Radio Music Society"しか彼女のアルバムを聞いたことがないが,たまたま代理で参戦したオーチャード・ホールでのライブも見ていて,非常に好感度の高い人だと思っていたが,"Radio Music Society"の2作前となる2008年リリースの本作を聞いて,その好感度の高さをアルバムでも再認識してしまった。
本作は彼女がグラミーの新人賞を受賞する前の,まだブレイク前と言ってよいタイミングでのリリースではあるが,歌だけでなく,ストレート・アヘッドなジャズも聞かせて,その幅広い才能を既に示していることは間違いない事実である。Wikipediaによれば,Esperanzaは"Radio Music Society"について”Spalding hoped this album would showcase jazz musicians in an accessible manner suitable for mainstream radio."と書いてあるが,なるほどと思わせる記述であるとともに,本作にも同質の感覚を覚えてしまった私である。リスナーとのコミュニケーションのようなものを,彼女が強く求めているのであろうということをここでの演奏からも感じるのである。だからこそ,その後,彼女がブレイクすることは,この段階から約束されていたと言っても過言ではない。
彼女は"Radio Music Society"以降,アルバムはリリースしていないが,近い将来新作を発表すれば,また間違いなくリスナーとのコミュニケーション能力ばっちりのアルバムに仕立ててくるに違いないと思わせる作品。2008年の段階から既にいい線行っているミュージシャンだったということを遅ればせながら認識させてもらった。
もちろん,アルバム単位で考えれば,やや手広くやり過ぎたかなぁという気がしないでもないが,それだけの間口の広さを,破綻することなくちゃんとこなしていることは立派である。星★★★★。今更ながらであるが,この人,小難しいところ皆無なのに非常にレベルが高い。だから多くのリスナーに好かれるのだ。大したもんだ。
Personnel: Esperanza Spaulding(b, vo), Leo Genovese(p), Otis Brown(ds,vo), Horacio Hernandez "El Negro"(ds), Jamie Hadaad(perc), Donald Harrison(as), Ambrose Akimsire(tp), Gretchen Parlato(vo), Theresa Perez(vo)
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