追悼,Chris Squire
あまりにも突然の訃報である。本来であれば,本日は偶然にも同じくYesのAlan Whiteが,Tony Levin,David Tornとリリースしたアルバムの記事をアップする予定だったのだが,この訃報に接し,急きょ記事の変更である。
私は,このブログにも何度も書いてきた通り,長きに渡ってのYesのファンである。中学生の頃にハード・ロック(Deep Purple)からプログレに嗜好が移行する際,一番好きだったのがYesであった。それ以来約40年,私はYesの音楽から離れたことはなかった。もちろん,プログレの世界でいえば,King Crimsonにも目覚め,プログレに限らず,その他もろもろの音楽に接してきたが,私の中でYesの占める位置に変わりはなかったのである。そうは言いつつ,ライブにはあまり縁はなく,日本公演は横浜文化体育館でのライブを見た程度だったが,今でも在米中にMadison Square Gardenで観た"Union"8人Yesライブは記憶に残っている。
そんなYesにおいて,Chris Squireは最後まで唯一のオリジナル・メンバーとして活動を続け,実質的なリーダーとして機能していたことは間違いない。そして,Yesのコーラス・ワークを支えたのはChris Squireその人だったことも疑いのない事実である。「レコード・コレクターズ」誌の最新号で「黄金時代のイエス」と題された特集記事が掲載されているが,それは72年のライブのアーカイブ音源,"Progeny"がリリースされたことにあわせてのものであるが,その直後にこんな訃報に接すると誰が想像しただろうか。私にとっては,買いっぱなしになっている"Progeny"14枚組をちゃんと聞くためのトリガーが,この訃報になるというのは,あまりにも皮肉な事実と言わざるをえないが,ちゃんと聞いてねというChrisからのメッセージと受け取ることとしよう。
現在のYesの活動そのものには,私は思い入れはないとしても,私の音楽体験において,極めて重要な位置を占めるバンドであった。そのバンドにおいて,結成以来活動を継続してきた,バンドの屋台骨としてのChris Squireの死によって,今後のYesのあり方も大きく変化せざるをえないはずである。それぐらい,彼の死は,Yesにとってインパクトの強い事件と言わざるをえない。いずれにしても,今回の訃報に接し,改めてChris Squireに感謝の念を捧げたいと思う。
R.I.P.
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