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2015年6月15日 (月)

結構長いこと探していて,ようやくゲットしたArthur BlytheのIndia Navigation盤

Arthur_blythe"The Grip / Metamorohosis" Arthur Blythe(India Navigation)

このアルバム,ネット上では結構な値段がついていたのだが,聞いてみたいなぁと思って,結構長いこと探していた作品である。もともとはIndia Navigationレーベルから"The Grip"及び"Metamorphosis"という2枚のアルバムに分散してリリースされていた,同一セッションのライブ盤を曲順を再構成して1枚のCDでリリースしたものである。なんでこれを聞いてみたいと思っていたかと言えば,India Navigationレーベルそのものが,ハイブラウなアルバムを連発していて,しかも私を刺激するようなものが多かったからである。昔だったら,絶対聞いていないようなものだろうが,私も年齢,ジャズ聞きとしてのキャリアを重ねて,随分と間口が広くなったものだと思わざるをえない。

The_grip_2だいたいが,編成がこれほど不思議なものも珍しいだろう。だって,アルト・サックス,トランペット,ドラムス,パーカッションはわかるとして,そこに加わるのがチューバとチェロなのであえる。これは相当の変態だと思われても仕方がない。だからこそ敷居が高くなると言ってもよいのだが,別に今の耳で聞けば,そんな変態ってことはない。むしろ,編成は変わっていて,時代を感じさせるものと言える中で,Arthur Blytheという人は,結構コンベンショナルな人だということがはっきりしてくると言ってもいいかもしれない。

Metamorphosis_arthur_blythe_albumArthur Blytheがシーンに登場した頃は「ロフト・ジャズ」なんて呼び方があったことすら懐かしいが,この当時は,ジャズそのものがクロスオーバー/フュージョンに押され,存在意義を疑われているころである。コマーシャル・ベースとは離れたところで,こういう演奏を実験的に行っていた(行わざるをえなかった)というのが実態であろう。それでも,こういう演奏ってあってもいいよねぇと思えてしまう。もはや前時代的と言えばその通りかもしれないが,ジャズという音楽はいろいろな側面を持ちうる音楽だということを今更ながら強く感じさせてくれる演奏と言ってよい。ということで,オリジナル・アルバムのジャケのイメージも掲載しておこう。いかにも売れなさそうという雰囲気が感じられるのがご愛嬌。星★★★★。

それにしても,このアルバムが吹き込まれたBrookというところは,西17丁目というおよそジャズと関係なさそうな場所にあったヴェニューのようだが,ヴィレッジからは歩いて行けるようなところだとしても,結構真っ当な場所でこんな音楽をやっていたというのが逆に凄いわ(笑)。

Recorded Live at Brook on February 26, 1977

Personnel: Arthur Blythe(as), Ahmed Abdullah(tp), Bob Stewart(tuba), Abdul Wadud(cello), Steve Reid(ds), Muhamad Abdullah(perc)

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コメント

この手のアルバムには、コメントしなきゃ、とつい思ってしまいます(笑)。アーサーブライスは、india navigationもColumbiaもいいですね。随分聴きました。その後がマレイとともに姿が小さくなったのが残念ですね。
india navigation盤は好きで、未だに拾い歩いています。レコードに戻ったきっかけは、この手のアルバムはLPで揃えるのが楽、ということなんです。

kenさん、おはようございます。出張続きで返事が遅くなってしまい、誠に申し訳ありません。

私が入手したのは国内盤でしたが、その数日後、India Navigation盤も某所で売ってました。見つかる時ってそういうものですよね。確かにゲットするにはLPの方が楽っていうのはおっしゃる通りと思いますが、LP鑑賞環境が整っていない私は基本CDなんで厳しいです。

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