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2015年5月18日 (月)

Scott Hendersonの新譜は相変わらずのカッコよさ。

Vibe_station"Vibe Station" Scott Henderson(自主制作盤)

私がTribal TechでScott Hendersonにはまったのが在米中の91年頃のことであるから,もう四半世紀前である。セルフ・タイトルの"Tribal Tech"を買ったのは,今はもうなくなってしまったWest 4thのTower Recordsだったと思う。そこのTowerは,City HallそばにあったJ&R Music Worldのような店に比べると値段は高いものの,クラシックの売り場も異常に充実しており,J&Rで見つからないと,友人の寮に遊びに行く(食事に行く,飲みに行く,あるいはジャズ・クラブに行く等,主目的は様々:笑)ついでに,よく立ち寄ってはCDをゲットしていたのも懐かしい。

そんな時期からかなりの時間が経過したわけだが,Scott Hendersonのやっている音楽はちっとも変わらない(笑)。だが,それがこっちが求める姿なのだから,ワン・パターンと言われようが何しようが,全然問題はない。今回の新作はレーベル名等の記載がないので,Scott Hendersonの自主制作と考えてよいだろうが,国内においてはデジタル音源として販売されているだけで,ディスクは入ってきていないようである。だが,現物主義の私はやはりCDの方がいいということで,Abstract Logixのサイトで現物を購入したものである。CDの値段はそんなに高くないにもかかわらず,送料が高いのには正直言って辟易とするが,それでも私のような年代の人間には,どうしても現物の方がいいに決まっているから仕方がないのである。

今回のアルバムはScott Henderson+ベース,ドラムスという編成なので,いつも以上にScott Hendersonの弾きまくりモードが楽しめると想像していたが,案の定の弾き倒しである。Scott Hendersonはこうでなくてはならん!(笑)。今回ベースを弾くのはLarry Carltonの息子のTravis Carlton,そしてドラムスはAlan Hertzという人だが,この人は多分初めて聞くのではないかと思う。なかなかネットで調べても詳しいバイオが出てこないが,Kai EckhardtやFareed HaqueらとGaraj Mahalというジャム・バンドを組んでいたらしい。Travis Carltonについては親父とのパリでのライブ盤で聞いたことはあるが,今となってはそれほど記憶に残っていない。しかし,今回のアルバム,ギタリストとしてはLarry Carltonとはかなり毛色が違うScott Hendersonとやっているのだが,何だかこっちの方がいいように思えてしまう。親父がいないとより自由度が増すって感じか(爆)。

プロデュースはScott Henderson本人が行っているが,Executive Producerとして,Mark Varneyの名前が...。Mark Varneyと言えば,ハード・フュージョン専門みたいなTone Centerレーベルのオーナーであり,それ以前で言えば,Mark Varney Projectの名のもと,Allan HoldsworthとFrank Gambaleを共演させてしまった人であるが,そういうフォーメーションを考えれば,このアルバムがどういう音かはわかろうってものである。もちろん,そんなことを考えなくたって,Scott Hendersonと聞けばこういう感じだろうって音がしてくるこの安心感よ(笑)。因みに,ドラムスのHertzがエンジニアリングも行っていて,家内制手工業的な色彩も感じられて微笑ましい。曲についてはハード・ドライビングな曲もあれば,チェンジ・オブ・ペース的なミディアム・テンポの曲(それでも弾きまくりであることには変わりはないが)もあって,バランスは取れていると思う。そうは言っても最後の極めてまともに弾かれる"Chelsea Bridge"には面喰うが(笑)。

こういうアルバムがダウンロードでしか手に入らないというのはいかがなものかと思えるが,まずは私としてはその存在を皆さんに知ってもらわねばならんということもあるし,やっぱりこれはカッコいいと思うので,星★★★★☆。はっきり言ってScott Hendersonのファンは買わねばならん(きっぱり)。

Personnel: Scott Henderson(g), Travis Carlton(b), Alan Hertz(ds)

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コメント

やっと国内で直接手に入るようになりました。待ちましたので、それだけ感動も大きいです。いずれ、CDでは発売せずに、ダウンロードだけってのか増えてくるんだと思いますが、CDの形態がなくなってきたら、ブログの方はフェードアウトかな、と思います。できるだけ現物で出してほしいですよね。内容はもう、文句なしでした。

TBさせていただきます。

910さん,こんにちは。TBありがとうございます。

リスナーとして求めるScott Hendersonのあるべき姿っていう感じの演奏で,ファンにとっては満足いくものであることは間違いのないところですよね。

私もできれば現物にこだわりたいと思っているクチですが,旧譜はApple Musicでいいじゃんみたいな感じになっていますし,やはり取捨選択は厳しくなる中で,こういうアルバムは見逃せなません。9月にNYCで彼らのライブを見るのが楽しみです(まだチケットは取ってませんが...)。

ってことで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。

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