どうしてもフリッツ・フォン・エリックを思い出してしまうEric von Schmidt(爆)。
"2nd Right, 3rd Row" Eric von Schmidt (Poppy→Tomato)
フリッツ・フォン・エリック(Fritz von Erich)と言えば「鉄の爪」である。私の年代は往時のプロレスに血湧き肉踊らせた人が多いと思われるが,日本選手に対する敵役としてのフリッツ・フォン・エリックのアイアン・クローやフレッド・ブラッシー(Fred Blassie)の噛みつき攻撃を覚えていないわけがない(笑)。なんでフリッツ・フォン・エリックの話が出てくるかと言えば,今日の主題であるEric von Schmidtと聞くと,どうしても私は名前が似たような響きを持つフリッツ・フォン・エリックを思い出してしまうのだ(爆)。これは幼児体験に基づく条件反射みたいなものである(きっぱり)。
だが,Eric von Schmidtの音楽はプロレスのもたらす興奮とは対極にあるような渋いものである。Bob Dylanはこのアルバムに”He can separate the men form the boys, and the note from the noise. The bridle from the saddle and the cow from the cattle."なんていう含蓄に富んだコメントを寄せている(これは一部で,コメントそのものはもっと長い)が,若き日のDylanにも影響を与えたらしいというのもうなずける話である。
世の中では"Inside Llewin Davis"のような映画も公開され,こうした音楽のリバイバル傾向がないわけではないが,好きでこの手の音楽を聞く人間というのは,やはり相応の年齢層ってことになってしまうのかなぁと思う。それほど渋く,今の若い人には刺激も乏しいかもしれないが,それでもこうした取り組みがあって,今の音楽は成立してきているということを考えれば,これもまたよしである。もちろん,SSW/フォーク系のアルバムには本作よりずっと出来の良いものがあると思うが,それでもいかにもBearsvilleスタジオで録りましたというようなメンツの名前を見たり,Ben Keithのドブロの音が聞こえてくるだけで嬉しくなっている私である。やhり,たまにはこういう音も必要であるということを改めて感じた私である。大名作とは思わないが,星★★★★にしてしまおう。
ちなみにアコーディオンでCampo Malaquaとクレジットされているのは,The BandのGarth Hudsonである。
Personnel: Eric von Schmidt(vo, g, kazoo, el-p), Geoff Muldaur(vo, g, cl), Maria Muldaur(vo, perc), Amos Garrett(vo, g, b-tb), Ben Keith(dobro), Campo Malaqua(accor), Paul Butterfield(hca), Billy Mundi(ds, perc), Munc Blackburn(ts), Stu Brothan(tuba), Harry Reed(cl), Jim Rooney(vo), Jim Colfgrove(b), Greg Thomas(perc), Jules Feiffer and Gerald Weales(ping pong)
ということで,必ずこの人を思い出してしまうフリッツ・フォン・エリックの写真も貼り付けてしまおう。いつもこういうパターンでの攻防をやっていたよねぇ。アイアン・クローの攻めどころは顔面か,胃袋あたりであるが,今回は顔面を防御する馬場さんと攻めるエリック(笑)。
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