またも中古盤の話:全然知らなかったJeff Beckトリビュートだが,これが結構面白い。
"The Loner: A Tribute to Jeff Beck" Various Artists (ESC Records)
世の中にはJeff Beckへのトリビュート盤っていうのは今までもあった。"Jeffology"然り,"Freeway Jam: To Beck And Back"然りである。それらも保有している私だが,このアルバムについては全く知らなかったもの。先日の病院帰りの中古ショップへの寄り道でゲットしたものだが,Tribal Tech音源が入っていることもあって,ゲットしてきたものである。そして,このアルバムがプレイヤーのJeff Beck愛が感じられて,非常に面白い。と言うか,必ずしもJeff Beckの曲をやっているわけではないのに,Jeff Beckのタッチや,「どこかで聞いたようなフレーズ」が次々に飛び出す演奏が多いのである。これを「愛」と言わずして何と言う(笑)。
参加しているミュージシャンは有名どころばかりとは言えない。だが,各々のミュージシャンは,Jeff Beckのレパートリーと自作曲の中で,Jeff Beckからの影響と「感謝」を表しているように思えてならない。それぐらいどの曲もJeff Beck的なのである。Niacinによる"Blue Wind"だけがギターが入っていないことにより,演奏そのものはオリジナルをなぞったものに近いにもかかわらず、その影響度が薄く感じられるという部分もある(とは言いつつ,途中のシンセ・ソロなんて,Jeff Beckのギターを真似た感じでやっている)のだが,ギターの入っている曲はBeckの曲ではなくても濃厚にBeck的なのだ。だからこそこのアルバムは面白いのである。
一番笑えるのはSteve Lukather,そして実際のアルバムでもドラムスを叩いたSimon Phillipsも参加したDerek Sherinianをリーダーとする"Star Cycle"の,もろBeckバージョンの完全コピーみたいな演奏だろう。これって"There & Back"での"Star Cycle"そのものやんけ!と言われればその通りの,確信犯的演奏である。Lukatherもそこまでやる?って感じだが,いずれにしても,ここに参加しているギタリストは,どちらかと言えば,テクニカル系のバカテク・ギタリストが多い中で,Steve LukatherもBeck影響下にあったのかぁというのがわかったのも面白かった(あるいは合わせただけかもしれないが...)。星★★★★。
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