Laura Marlingの新作:前作は買わなかったが,今回はどうか?
"Short Movie" Laura Marling (Virgin)
私が彼女の"Creature I Don't Know"にびっくりさせられたのはもう3年半前ぐらいになる(記事はこちら)が,その後リリースされたアルバムはなぜか買っていない。しかし,先日,某誌で取り上げられていて,おぉ,そうなんだということで,輸入盤のリリースを待ってゲットしてきたものである。某誌によれば,今回はエレクトリック・ギターの使用が新機軸ということで,フォーク路線の彼女の音楽がどういう変化を起こすのかというところに興味があっての購入である。
結論から言えば,彼女の書く音楽の質の高さは全然変わっていない。雰囲気がちょっと違うだけである。ミュージシャンに変節はつきものであって,この程度の変化が受け容れられないってことはありえない。そして,十分アコースティックな響きも残存している。
この人の魅力はやはり声ってことになるが,いろいろなところで言われているように,今回のアルバムではPretendersのChrissie Hynde的な感じもあるが,"Gurdjieff's Daughter"の歌いっぷりやアレンジはMark Knopflerというか,Dire Straits的でもあるのが面白い。だが,そんなことはさておいても,この人の音楽は非常に訴求力のある響きを持っている。少なくとも私にとってはそうである。こういう音楽を聞かされると,なぜ前作を買わなかったのかと思ってしまうが,情報が足りなかったのかもしれないとも思っている。これも偏に,ショップ通いがなかなかできないことによる部分が大きいだろう。
だが,本作は国内盤でもリリースされるそうである。正直言ってどれぐらい売れるのかは全くの未知数だが,少しでも多くの日本のリスナーに彼女の音楽が認知されるのであれば,それはそれでいいことである。私としては"Creature I Don't Know"の方により惹かれるとしても,彼女を応援する意味も含めて,やや甘めの星★★★★☆。
ということで,今回もよかったので,"Creature I Don't Know"にライブ音源が付いた2枚組バージョンを発注してしまった私。やっぱりアホですなぁ。
Personnel: Laura Marling, Matt Ingram, Ruth de Turberville, Nick Pini, and Tom Hobden
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