The Process:レッチリのChad Smithのサイド・プロジェクト?
"The Process" Jon Batiste / Chad Smith / Bill Laswell (M.O.D Technologies)
Red Hot Chilli Peppersについては,私はアルバム1枚を保有しているだけなので,その本質を理解しているわけではないが,そのレッチリのドラマーであるChad Smithが参加したアルバムがリリースされたからと言って,普通なら興味も示さない可能性が高い私がなぜこのアルバムを購入したか。Bill Laswellが参加し,キーボード・トリオがそのコアとなっている演奏に,近藤等則(かなり久しぶりって気がするが,私が知らないだけか...)が一部ゲストで参加ってのに惹かれてしまったのである。とんがった音が聞こえてきそうな予感がしたのだ。それだけでCDを購入してしまうってのもいかがなものかって気がするが,これも直感のなせる業である。
本作はChad Smithの自主制作になるものなので,基本的に彼の音楽的な指向が反映されたものと思われるが,冒頭の"B1"から美しいピアノが聞こえてきて,これは予想と違う音楽か?と思わせるも,すぐに「やはり」という方向へ転換されるので,安心して(?)よい。キーボード・プレイヤーであるJon Batisteのペンになる"B1","B2","B3"は同じような響きになっているので,これは別世界へのプレリュードみたいな位置づけにあるといってよいかもしれない。とにかくこの3曲は全然雰囲気が違うのである。だが,それ以外はロック,ファンク,ジャズが混然一体となったような音楽になっている。
このグループが継続的に活動をしていくかどうかはわからないが,急造グループの割には,明確なグルーブを作り出すことに成功しているのはさすがってところであろう。相当にへヴィな音作りとも言えるが,決して聞きにくいものではないものに仕立てたのは,おそらくプロデュース面ではリーダーシップを握ったであろうBilll Laswellだろう。このあたりは百戦錬磨って感じの仕事ぶりである。そうした点でも評価して星★★★★は与えてもよいだろう。もちろん,万人受けする音ではないが,私はこのファンクっぷりに結構喜んで聞いていたことは告白しておこう。
それにしても,このアルバム・カヴァーのエンボス加工って,結構金が掛かっているように思えるが,Chad Smithはレッチリでもうけているだろうから,これぐらいは余裕?
Personnel: Jon Batiste(p, key, org, perc), Chad Smith(ds, perc), Bill Laswell(b, g, electronics), Tunde Adebimpe(vo), Killah Priest(vo), Garrison Hawk(vo), 近藤等則(tp), Peter Apfelbaum(fl, ts, ss), Dominic James(g)
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