Steps Ahead参戦記@ブルーノート東京
今年2本目のライブはSteps Aheadである。早いもので,彼らがStepsとして"Smokin' in the Pit"をリリースして35年以上になるが,今回は,その後もSteps Aheadとして活動を続けてきた彼らのリユニオン・ツアーとしての演奏である。メンツとしては"Holding Together"とほぼ同じで,サックスが亡くなったBob BergからBob Sheppardに代わっただけの布陣である。それだけに実力者が集まっていることは間違いないので,演奏のクォリティは保証されたようなものである。
だが,今回,ブルーノートに到着して驚いたのだが,どう見ても聴衆が少ない。おそらくは半分ぐらいしか入っていなかったのではないかと思う。これだけのメンツが揃っているのに,客入りが悪いとはまさに信じ難い光景であったと言える(しかもディスカウント・クーポンだって出ていたのだ!)。だが,ライブではいつも感じることだが,優れたプロのミュージシャンは聴衆の多寡にかかわりなく,決して手を抜かない。いかにMike Mainieriがどう見ても時差ボケのお疲れモードであったとしてもである。リーダーのお疲れは,まぁ,75歳過ぎてるんだから仕方がないということで,ほかのメンツがバックアップする感じであったが,今回は特にEliane EliasとPeter Erskineが目立っていた。特にElianeのピアノ・プレイは時にHerbie Hancockばりのフレージングを聞かせ,歌を歌わなくたって,ピアニストとして生きていけるということを実証したものであった。
そして,今回,特筆したいのはPAのよさである。生音に近い感じで演奏が聞けたのは非常に嬉しかったし,そうしたPAを必要とする細かいニュアンスに満ちた音楽だったのである。それぞれのソロも,各々の個性を活かしたものだったと思うし,私としては非常に満足のいくライブであった。Marc Johnsonのベースもいい感じだったしねぇ。
いつもであれば,戦利品自慢をする私であるが,今回はメンバーがお疲れのようで,サイン会もなしということで,おとなしく帰ってきた私だが,そんなことはさておき,本当にいいライブだったと思う。実力のある人はやっぱり違うわ。でも何にもないのは悔しいので(爆),NYC時代に現地のBlue NoteでもらったMainieriのサイン入り盤の写真をアップしておこう(笑)。
Live at ブルーノート東京 on February 9, 2ndセット
Personnel: Mike Mainieri(vib), Bob Sheppard(ts, ss), Eliane Elias(p), Marc Johnson(b), Peter Erskine(ds)
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コメント
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私は8日(日)の1stでしたが、この会は休日ということもあるでしょうが満杯でした。演奏は、各自がソロを取って行く時の受け継ぎに若干手間取るところありましたが、安定しており安心して聞いていることが出来ました。やはり、Eliane Eliasのピアノは素晴らしい。歌なしのElianeは初めてでしたが、ピアノに集中していて良かったです。Peter Erskineの生演奏は初めてでしたが、さすが著名プレーヤーだけありましたね。Eliane、Marc、Peterのピアノトリオだけでやって貰いたくなりました。
投稿: カビゴン | 2015年2月12日 (木) 10時44分
カビゴンさん,こんばんは。
おっしゃる通り,特にBob Sheppardはちょっとリハーサル不足かなと思わせる部分もありましたが,全体としてはよかったと思います。
今回はElianeが素晴らしいピアノを聞かせていましたので,あのメンツならトリオでも聞いてみたいですよね。JohnsonはBill Evansとのトリオで,Peter Erskineも自己のトリオでも馴染みのフォーマットだけに,安心して聞けましたねぇ。
投稿: 中年音楽狂 | 2015年2月12日 (木) 22時03分