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2015年2月15日 (日)

Jakob BroのECMリーダー作はアンビエントな響き。

Jakob_bro "Gefion" Jakob Bro(ECM)

巷では結構話題になることも多いJakob Broであるが,私はほとんど縁のない生活を送ってきており,ブログの記事を振り返る限り,唯一アップしているのはTomasz Stankoの"Dark Eyes"ぐらいのようである(あれも静謐な響き,あるいは低体温系のアルバムだった)。そのほかにもPaul Motianの"Garden of Eden"にも参加している(あれも「直立猿人」をやりながら,全然熱くならないという不思議なアルバムであった)ので,ECMとは無縁だったわけではない。そのJakob BroがECMレーベルに吹き込んだリーダー作であるが,Thomas Morgan,Jon Christensenとなかなかいいところを揃えている。

そして,アルバムを聞いてみて感じるのは,これはもはやアンビエント・ミュージックの世界ではないかという点である。極めて静謐であり,リズムが躍動するっていう感じでもない。サウンド的には,どこととなくBen Monderを想起させる部分もある。全編を通して,ベース・ラインが明確に浮かび上がるのも"And They All Came Marching out of the Woods"ぐらいのものである。それはそれで,ECMらしいと言えばECMらしいのだが,ここまで徹底しているのは久しぶりのようにも思える(と言いながら,全部聞いているわけではないが)。

そんな感じであるから,このアルバムにジャズ的な要素を求めると,期待を裏切られること必定であるが,これはこれで,私はいいのではないかと思う。いかんせん,これまでJakob Broの音楽を聞いているわけではないので,これが彼の音楽の本質か否かという判断は私にはつかない。だが,ストレスフルな生活を送っている中で,こうした静謐な音楽に癒される瞬間もあるように思えるのだ。聞く人によっては,なんのこっちゃ?という評価にしかならないかもしれないが,私はEnoのアンビエントな音楽を聞いている感覚で,この音楽に接していたし,おそらくはそういう聞き方が自然な感じがする。まぁ,Jon Christensenが本当に必要だったのかと聞かれれば,返す言葉はないが(笑)。

いずれにしても,これはECMから出た環境音楽と捉えることにしたい。聞く人によって,随分反応が違うと思えるが,私にとっては全然問題ない。星★★★★。まぁ,そうは言いながら,駄目な人には駄目だろうなぁ(笑)。

Recorded in November, 2013

Personnel: Jakob Bro(g), Thomas Morgan(b), Jon Christensen(ds)

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コメント

アンビエントと言われるとそうかもなあ、と思います。ゆったりしていますが、その中でもトーマス・モーガンのベースが印象的な感じがしました。やはりタダものではありません。

TBさせていただきます。

910さん,こんにちは。ようやく東京に戻ってきました。TBありがとうございます。

私には環境音楽的な感覚をおぼえるほど,静謐な音楽ということだと感じました。もちろん,私にとっては好きな部類の音楽ではありますが,このひっそり感をよいと感じられるかどうかが評価を分けると思います。

ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。

閣下、確かに評価ってしちゃうと真っ二つでしょうねぇ。。
ひとりひとりの持ってる神業的な能力がないと こんな静謐微弱電波で演奏できませんわね。
私的には よし!! でした。笑

音楽狂さん、こんにちは。
Youtubeをみて静謐さは想像出来たし、1日のクロージングテーマにはもってこいだと思って入手しました。
アルバム中盤くらいからU2のUnforgettable Fire?に近い感触をもちつつ、結局のところBrian Enoかも・・と思ったりしていました。
おっしゃるとおり、Jon Christensen必要だったのか・・ということも思いつつ、まったり聞いています。

http://musicpromenade.blogspot.com/2015/03/jakob-bro-gefion.html

Suzuckさん,こんばんは。TBありがとうございます。

確かに,例えは変ですが能だって,あの幽玄な感覚は芸の力がないと生み出せないですよねぇ。それと同じかもしれませんね。

とっつぁんさん,こんばんは。リンクありがとうございます。

やっぱりEnoですかねぇ。確かに一日の締めにはいいかもしれませんね。ここまでの静謐さは想定外でしたが,決して嫌いじゃないんですよねぇ,この路線。

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