ようやく帰京。
やっと出張が終わり,これから東京に戻る私である。今回ばかりはさすがにきつい出張であったが,来週以降はそのレポーティングで忙殺されること必定。水,木はまた大阪に出張だしなぁ...。そろそろユンケルの出番かも(笑)。では次は東京から。
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やっと出張が終わり,これから東京に戻る私である。今回ばかりはさすがにきつい出張であったが,来週以降はそのレポーティングで忙殺されること必定。水,木はまた大阪に出張だしなぁ...。そろそろユンケルの出番かも(笑)。では次は東京から。
今年のオスカー・サンデーが終わり,結果的には「バードマン」が主要なところを押さえたって感じである。私としては「6才のボクが、大人になるまで」が映画人の心をもっとくすぐると思っていたが,時間を掛ければいいって思わない人がいても不思議ではない。「バードマン」は日本ではこれから公開なので,観てからちゃんと判断したいが,今年の本命二強だったわけだから,それなりの作品とは思う。だが,「6才のぼくが...」っていう,これまでにない取り組みに対する評価が下がることはないとは言っておきたい。
そうした中で,今回,下馬評と違ったのは主演男優賞のEddie Redmayneではないかと思うが,「博士と彼女のセオリー」でSteve Hawkingを演じるというチャレンジングな役割へのご褒美って感じか(だってアカデミーが好きそうなんだもん)。だが,この「いかにも」アカデミーっていう感じの選出には批判も出るかもしれない。これもちゃんと映画を観てから判断したいが,今回の選出には「バランス」感覚が反映されているように思えてしまった私である。
いずれにしてもこれから公開の映画も多数あるので,私には楽しみが増えただけってことにしておこう。でも,今年観た映画の中での最高作は「アメリカン・スナイパー」なので,それを上回れるかどうかが私の評価尺度である(きっぱり)。
「アメリカン・スナイパー ("American Sniper")」(’14,米,Warner Brothers)
監督:Clint Eastwood
出演:Bradley Cooper, Sienna Miller, Kyle Gallner, Sammy Shiek
もはや巨匠の域に入ったClint Eastwoodの新作である。米国での評判も高く,公開直後にもかかわらず,オスカーにノミネートされているが,それも当然と思える傑作である。前作「ジャージー・ボーイズ」もいい映画だったとは思うが,キネ旬の年間1位にはちょっと...って感じもしていた私である。しかし、本作は凄まじい緊張感の中に,Eastwoodらしいヒューマニズムも感じさせ,私は感動し,実はエンド・ロールの間,涙していた。まさに掛け値なしの傑作。
戦争により,人間の心が病んで行くさまは痛々しいが,その現実を極めて冷静に描きつつも,エンタテインメントとしても成立させたこの映画は,私なら「ジャージー・ボーイズ」よりはるかに高く評価しなければならないと思う。演出,演技,シナリオ,カメラのどこを取っても穴が見つからないと言ってもいい作品である。実は私は,この映画を二日酔いで淀んだ頭の状態で観ていたのだが,132分の間,一瞬たりとも集中が切れなかったことが,私のこの映画への評価を決定づけている。
戦争の残酷さを示すために,かなりきつい映像も含まれているため,R15+は止むを得ないと思うが,若い世代にもこの映画を観て,いろいろ考えて欲しいなんて,ついつい年寄り臭いことを考えてしまった。その一方で,エンタテインメントとしても一級の作品として,私は完全に打ちのめされた。オスカーを取れるかはわからないが,これは私にとっては極めて印象深いものとなった。喜んで星★★★★★とする。
本当にClint Eastwoodという人は凄い人である(きっぱり)。是非多くの人に観て欲しいと感じてしまった。
既にお知らせの通り,私は10日間の地方巡業中である。行く先々の美味しいものをいただけるのはいいのだが,体力的には結構厳しい。ついでに言うと飲み会続きで財政的にもきつい(笑)。まぁそうは言っても今日,明日は多少移動の合間に時間があるので,映画でも見に行くかなぁ。
体力的にきついって言うなら休息しろ?
確かに(爆)。でも好きなことでもやってないと,ストレスが溜まるんで...。
私は地方や海外の出張が少なくない方だとは思うが,それでも今回の出張はExceptionalって感じである。
今回は地方出張の連続で,しばらく家に帰れないのだ。帰ろうと思えば週末,家に帰れないわけではない。しかし,体力と旅費を温存するために,現地滞在を継続することにした。iPodは持って来たので,音楽は聞けるが,記事を書くレベルまでの集中はおそらくは不可能である。
そうした環境の中で,私がどういう行動をするかで,今後のこのブログの将来が見えるかもなぁ(笑)。
ところで,私は現在,福岡にいるが,中国の春節による観光客の流入により,ホテルが無茶混みである。仕方ないとは言え,結構大変な状態になっている。
"Looking for an Exit" Simona Premazzi(自主制作盤)
先日,Jeremy Peltのアルバムを取り上げた時に,そこで結構激しいピアノを弾いていたSimona Premazziのこのアルバムが気になると書いたばかりだが,実は早速注文してしまって,早々と到着である。
この人のピアノ・タッチは結構力強く,鋭いなぁと思わせる部分があって,音だけ聞いていると女性だと思わないリスナーもいるのではないかと感じる。このご時世,男性的だ,女性的だという表現はあまり適切ではないが,Joe Sanders,Ari Hoenigという濃いメンツに囲まれてのトリオ・アルバムは一種の爽快感さえもたらすようなサウンドである。「胸がすく」っていうのが適切のようにさえ感じる。こうしたトリオゆえに"Autumn Leaves"や"But Not for Me"のような大スタンダードをやっても普通のアプローチではないが,下手をすれば,頭でっかちで全然面白くない演奏になってしまいかねないものが,彼女たちがやるとそれが厭味ったらしくなっていないのがいいのだ。そういうところは私の好みとのフィット感も強い。
いずれにしても,つい先日までSimona Premazziというピアニストについても,本作のような優れたアルバムについても全く認知していなかったという,自分の無知を反省したくなるような快作。そうした点も含めて星★★★★☆としてしまおう。これ,結構好きだなぁ(笑)。って,気付くの遅ぇ~よ(爆)。
Recorded on December 30 & 31, 2005
Personnel: Simona Premazzi(p), Joe Sanders(b), Ari Hoenig(ds)
"Sail Away" Tom Harrell / Kenny Warner / Andre Ceccarelli / Paul Imm(Musidisc)
長年欲しいと思いつつ,中古で見たこともなければ,全然オークションにも引っ掛かってこないものってあるものだが,本作はその最たるものの一つであった。私はこのアルバムを「焼いて」頂いて,音源は聞いていたのだが,聞くとますます好きになって,欲しいという欲求は強まる一方であった。以前,このアルバムをこのブログにアップしたのが,2008年10月のことであるから(記事はこちら),6年以上に渡って何とかしたいと思ってきたことになる。
それ以降,eBayのキーワード登録で引っ掛かるのを待っていたのだが,ちっとも出ない。それが先日,遂に来た!ということで,このチャンスを逃したら,次にいつ出会えるかわからないので,値段はかなり財布には厳しかったが,Buy It Nowでゲットである。そして,それから約2週間して,ようやく現物がデリバリーされて,遂に保有へと至った。我ながらアホだとは思いつつ,かなり嬉しい(家人に知れたら何を言われるかわからんが...)。
正直言って,音は「焼いて」あったんだから,現物がなくたっていいじゃないかという考え方もあるが,これはどうしても欲しかったのである。ってことで,このアルバムのせいで,更に財政事情が悪化してしまったが,それに値する音楽だと思ってのことだと開き直っておこう。
"Tales, Musings and Other Reveries" Jeremy Pelt (High Note)
優秀なミュージシャンを集めたクインテットで,Miles色濃厚な演奏をしているJeremy Peltは結構好きだったのだが,その後,"Water and Earth"が何ともゆるい出来でがっかりさせられ,その次の"Face Forward"も試聴したが,ピンと来なくて買ってやしない。しかし,今回はサウンドをアコースティックに戻し,しかもワン・ホーン,ツイン・ドラムスという変わった編成ということで期待した私であった。
結果としては,私が求めるJeremy Peltの世界に戻ってきたなぁって感じである。今回はMiles色はそれほど濃厚ではないが,トランペッターとしてのJeremy Peltの実力が表れるようなサウンドとなっているのは嬉しい限りである。冒頭の"Glass Bead Games"からして相当のイケイケ・モードで嬉しくなってしまう。2曲目の"Vonetta"を聞くと,おぉっ,やっぱりMilesっぽいなぁなんて思わせるが,いいのである。やはりJeremy Peltはこうでなくてはならんと言いたくなる。
正直言って,曲のクォリティにバラツキがあるようにも思える。3曲目の"Harlem Thoroughfare"なんて,正直言ってあまり面白くないし,この編成を活かしているとも思えない。そもそもこの編成でやるなら,"Glass Bead Games"のようなノリの曲がもっとあってもいいし,その方がより高揚感の得られるアルバムとなったはずだけに,ちょっと惜しい気もする。だが,スローな曲でもJeremy Peltのフレージングは魅力的なので,それなりには楽しめる。
そして,このアルバムを聴いて実は一番驚いたのがSimona Premazziのピアノである。これがなかなかの剛腕なのだ。世の中にはまだまだ知らない人がゴロゴロしているねぇ。とか言いながらよくよく見てみれば,crissさん,Suzuckさん,oza。さんが,随分前にこの人のアルバム"Looking for an Exit"を取り上げられているが。まさに慧眼である。と言うか,私が無知なだけだが,そっちも聞いてみたくなるそんなピアニスト。
ということで,最近のPeltの作品では気に入った方なので,やや甘めの星★★★★。
Recorded on September 15, 2014
Personnel: Jeremy Pelt(tp), Simona Premazzi(p), Ben Allison(b), Billy Drummond(ds), Victor Lewis(ds)
"From Darkness" Avishai Cohen Trio(Razdaz)
ジャズ界にはAvishai Cohenというプレイヤーがトランペッターとベーシストの2人がいるので,ややっこしいのだが,これはベースの方である。ベースのAvishai Cohenと言えば,もともとはChick CoreaのOriginへの参加あたりから,その知名度がアップしたはずだが,近年リリースした"Almah"は非常に美しいアルバムで,私も高く評価した(記事はこちら)。
そんなAvishai Cohenの新譜が国内盤先行でリリースされたのだが,私は輸入盤が出るのを待っての購入となった。前作での美しい響きとは系列はちょっと異なるかもしれないが,今回もメロディアスなアルバムに仕上げてきた。しかし,聞き進めていくと,驚いたのがスリリングに展開するタイトル・トラックである。エレクトリック・ベースに持ち替えての演奏はそれまでの曲想を大幅に転換し,そして,次の変拍子の"Lost Tribe"への橋渡しとなっていて,この辺の構成はうまいと思わせる。
全般的にはエキゾチックとも言えるメロディを詩的に歌い上げるっている感じの演奏だと思う。個人的には"Almah"ほど痺れたわけではないが,これはこれで,彼の実力をよく示した佳作。星★★★★。このメンツで5月に来日するのだが,行こうかなぁ...。悩む。
Recorded between May and July 2014
Personnel: Avishai Cohen(b), Nital Hershkovitz(p), Daniel Dor(ds)
巷では結構話題になることも多いJakob Broであるが,私はほとんど縁のない生活を送ってきており,ブログの記事を振り返る限り,唯一アップしているのはTomasz Stankoの"Dark Eyes"ぐらいのようである(あれも静謐な響き,あるいは低体温系のアルバムだった)。そのほかにもPaul Motianの"Garden of Eden"にも参加している(あれも「直立猿人」をやりながら,全然熱くならないという不思議なアルバムであった)ので,ECMとは無縁だったわけではない。そのJakob BroがECMレーベルに吹き込んだリーダー作であるが,Thomas Morgan,Jon Christensenとなかなかいいところを揃えている。
そして,アルバムを聞いてみて感じるのは,これはもはやアンビエント・ミュージックの世界ではないかという点である。極めて静謐であり,リズムが躍動するっていう感じでもない。サウンド的には,どこととなくBen Monderを想起させる部分もある。全編を通して,ベース・ラインが明確に浮かび上がるのも"And They All Came Marching out of the Woods"ぐらいのものである。それはそれで,ECMらしいと言えばECMらしいのだが,ここまで徹底しているのは久しぶりのようにも思える(と言いながら,全部聞いているわけではないが)。
そんな感じであるから,このアルバムにジャズ的な要素を求めると,期待を裏切られること必定であるが,これはこれで,私はいいのではないかと思う。いかんせん,これまでJakob Broの音楽を聞いているわけではないので,これが彼の音楽の本質か否かという判断は私にはつかない。だが,ストレスフルな生活を送っている中で,こうした静謐な音楽に癒される瞬間もあるように思えるのだ。聞く人によっては,なんのこっちゃ?という評価にしかならないかもしれないが,私はEnoのアンビエントな音楽を聞いている感覚で,この音楽に接していたし,おそらくはそういう聞き方が自然な感じがする。まぁ,Jon Christensenが本当に必要だったのかと聞かれれば,返す言葉はないが(笑)。
いずれにしても,これはECMから出た環境音楽と捉えることにしたい。聞く人によって,随分反応が違うと思えるが,私にとっては全然問題ない。星★★★★。まぁ,そうは言いながら,駄目な人には駄目だろうなぁ(笑)。
Recorded in November, 2013
Personnel: Jakob Bro(g), Thomas Morgan(b), Jon Christensen(ds)
亀梨和也主演で映画化された,「ジョーカー・ゲーム」の公開のタイミングを狙ってリリースされたとしか思えないシリーズ第4作である。私はこのシリーズを全て読んでいるが,短中編でのすっきりしたストーリー・テリングは魅力的ながら,シリーズを重ねるごとに少々まだるっこしい感覚が強まっていて,新機軸が必要なのではないかと思っていた。
結論から言えば,前作「パラダイス・ロスト」よりもひねりは効いている感じはするので,相応に面白くは読める作品となった。多分,それは「映画」をネタにしている部分があるからかなぁって気もするが,気楽にかつ手軽に読むには丁度よい。出張の移動時間中の暇つぶしには最適(笑)。星★★★★。
ちなみに映画版でD機関の元締め,結城中佐を演じるのが伊勢谷友介ってのは,どうもピンとこないねぇ(笑)。
"Weld" Neil Young & Crazy Horse (Reprise)
私がブログを始めて,もう9年目に突入したが,記事もその間に積み上がり,めでたくこれが3,000件目のエントリーということになる。2,000件目はJoni Mitchellだったが,3,000件目は何にしようかということで選んだのが兄貴ことNeil Youngである。それも"Weld"ってのは私の天邪鬼ぶりが出ているように思うが,いろいろ世の中が喧しい時だけに,これにしようと思う。
Neil Youngが何かと「グランジのゴッドファーザー」と呼ばれる理由は様々だと思うが,それを明示的に裏付ける理由として,私はこのアルバムの存在があるのではないかと思う。それこそまさに大轟音である。これに先立つ"Ragged Glory"でも,Neil Youngのグランジ的なものを示していたと思うが,そのリリース後のツアーの音源である"Weld"は轟音のレベルが違うのだ。大体,この時のツアーの前座はSonic Youthだったというのだから,ライブが終わった後の聴衆の耳はほとんど麻痺していたのではないかと思わせるが,それにしても強烈な音である。
ツアーのタイミングが湾岸戦争開戦間もないこともあって,それに対するメッセージも込められていると思われるが,ここに感じられるのはまさに「怒り」を発露するかのようなサウンドである。丁度私は湾岸戦争の開始を友人宅を訪れたボストンで知ったわけだが,正直言ってあまり当事者意識が高かったとは思えない。「大変なことになった」とは思っていても,CNNを見ながら,結局はアメリカ本国からは遠く離れた地での出来事でしかなかったというのが実感である。それに対して,このアルバムを聞いていると,Neil Youngの感じ方は随分違いがあったのだろうと思わざるをえない。そうでなければ「風に吹かれて」とか"Cortez the Killer"のような曲を大轟音でやると思えないのである。全ての曲そのものが激しいわけではないのだが,それらの曲を轟音とともに奏でるというところに,この時のNeil Youngの一貫した姿勢を感じてしまった。
久々にこのアルバムを聞いて,私もこのブログにおいて,Neil Young同様の精神を発露出来ればなぁなんて思ってしまった。ということで,このアルバムの生み出した感覚は,リリースから四半世紀近くが経過しても不変であった。そう言えば,"Ragged Glory"はVillage Voiceで,リリースした1990年のベスト・アルバムに推されていたと記憶するが,それにピンと来ていなかった私でも,こっちは当時から強烈だと思っていたのも懐かしい。星★★★★★。でも最高位がBillboard 200の154位って,全然売れなかったんだねぇ。非常に不思議だが,その頃から,ライブはもうかっても,ディスクはもうからないなんて時代に突入していたのかなぁ。
Personnel: Neil Young(vo, g), Ralph Molina(ds, vo), Frank "Poncho" Sampedro(g, synth, vo), Billy Talbot(b, vo)
"I'm Old Fashioned" 渡辺貞夫 with the Great Jazz Trio (East Wind)
East Windレーベル全作再発の中で買った1枚がこれである。私はこのレコードを昔保有していたが,学生の頃,ほかのレコードを買うために売ってしまったと思う。だが,結構懐かしい1枚であることは事実である。
私がジャズを聞き始めた頃には,既にナベサダはFlying Diskレーベルから"My Dear Life"をリリースしていて,フュージョン路線に入っていた。よって,私はこの作品は後追いで聞いたのだが,どちらかと言うとフュージョン路線でのナベサダの音楽から入っていた私にとっては,へぇ~っていう感じだったと記憶している。何せ背伸びをしてジャズを聞き始めて間もない頃である。ナベサダがバップをやっていたなんてことも知りやしない(爆)。そんなわけだから,冒頭の"Confirmation"でまず「へぇ~」となったのも懐かしい。このアルバムは,本来はラブリーなバラッド表現が多いタイトル・トラックを,急速調で演じたことの印象が強いが,とにかくこうしたセッティングのナベサダもいいんだねぇなんて思っていた。まぁ,何も知らない高校生のことだから,もはや時効ってことにしてもらおう。
以前にも書いたと思うが,私はナベサダの作曲能力には懐疑的であり,そういう意味ではオリジナルを控え目にしてインプロヴァイザーとしての能力を感じさせるこういうセッティングの方がいいのではないかと今では思っている。それでも,このアルバムに入っているオリジナルは,結構記憶に残っていたのが意外である。しかし,結構いいねぇと思わせたバラッドの"Gary"が,今の私にはどうしても"Left Alone"の焼き直しにしか聞こえないのは微妙だが(笑)。
だが,今にして思えば,このアルバムの肝はどうしてもTony Williamsのドラムスにあるように思えてならない。特にアップ・テンポでの曲での煽りっぷりが強烈だし,ドラムスの音も,誰がどこから聞いてもTony Williamsだとわかってしまうのが凄い。昔はそんなことを意識しないで聞いていたということ自体に,自分も若かったねぇなんて感慨を覚えてしまう私である。いずれにしても,そうした感慨を覚えさせるほど,懐かしいアルバムってことである。星★★★★☆。こうなったら,同じメンツで出した全曲スタンダード,ジャズ・オリジナルによる"Bird of Paradise"も再発して欲しいものである。
Recorded on May 21, 1976
Personnel: 渡辺貞夫(as, fl), Hank Jones(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds)
今年2本目のライブはSteps Aheadである。早いもので,彼らがStepsとして"Smokin' in the Pit"をリリースして35年以上になるが,今回は,その後もSteps Aheadとして活動を続けてきた彼らのリユニオン・ツアーとしての演奏である。メンツとしては"Holding Together"とほぼ同じで,サックスが亡くなったBob BergからBob Sheppardに代わっただけの布陣である。それだけに実力者が集まっていることは間違いないので,演奏のクォリティは保証されたようなものである。
だが,今回,ブルーノートに到着して驚いたのだが,どう見ても聴衆が少ない。おそらくは半分ぐらいしか入っていなかったのではないかと思う。これだけのメンツが揃っているのに,客入りが悪いとはまさに信じ難い光景であったと言える(しかもディスカウント・クーポンだって出ていたのだ!)。だが,ライブではいつも感じることだが,優れたプロのミュージシャンは聴衆の多寡にかかわりなく,決して手を抜かない。いかにMike Mainieriがどう見ても時差ボケのお疲れモードであったとしてもである。リーダーのお疲れは,まぁ,75歳過ぎてるんだから仕方がないということで,ほかのメンツがバックアップする感じであったが,今回は特にEliane EliasとPeter Erskineが目立っていた。特にElianeのピアノ・プレイは時にHerbie Hancockばりのフレージングを聞かせ,歌を歌わなくたって,ピアニストとして生きていけるということを実証したものであった。
そして,今回,特筆したいのはPAのよさである。生音に近い感じで演奏が聞けたのは非常に嬉しかったし,そうしたPAを必要とする細かいニュアンスに満ちた音楽だったのである。それぞれのソロも,各々の個性を活かしたものだったと思うし,私としては非常に満足のいくライブであった。Marc Johnsonのベースもいい感じだったしねぇ。
いつもであれば,戦利品自慢をする私であるが,今回はメンバーがお疲れのようで,サイン会もなしということで,おとなしく帰ってきた私だが,そんなことはさておき,本当にいいライブだったと思う。実力のある人はやっぱり違うわ。でも何にもないのは悔しいので(爆),NYC時代に現地のBlue NoteでもらったMainieriのサイン入り盤の写真をアップしておこう(笑)。
Live at ブルーノート東京 on February 9, 2ndセット
Personnel: Mike Mainieri(vib), Bob Sheppard(ts, ss), Eliane Elias(p), Marc Johnson(b), Peter Erskine(ds)
"Song for Myself" 富樫雅彦(East Wind)
既に書いた通り,今回のレーベル全作再発に当たって,私は9枚アルバムを購入し,これはその1枚である。私がジャズを聞き始めた頃,富樫雅彦の音楽は非常に高く評価されていたのだが,買って聞いてはみたものの,当時高校生の私は,歴史的な名盤さえ大して聞けていな状態であり,そんな私が聞いても何がいいのかわからないと思うのも,今にしてみれば当然である。
だが,時は流れて,私もいろいろな音楽に触れてきて,今の時代に富樫の70年代の音楽を聞いたらどうなるのかというところに,我ながら関心があった。今にして思えば,富樫の音楽というのはフリー・ジャズ的な要素もあったように思うが,私にとっては「現代音楽」的なアプローチと言ってもよかったのではないかと思う。この作品は今は亡きSwing Journalの1974年のジャズディスク大賞において「日本ジャズ賞」を受賞したものだが,2曲目のフリーなアプローチからはジャズ的な響きも感じられるものの,全体的には私には雅楽にも似た「和」の響きを再現しようとした音楽のように聞こえる。
冒頭の渡辺貞夫との"Haze"からして,響きは雅楽である。私はフルート奏者としての渡辺貞夫ってどうなのよ?と思っているのだが,ここでの演奏を聞いていると,なかなかいけていたのだなぁと思わせるような吹きっぷりである。ナベサダの主楽器であるアルト・サックスでなく,フルートを吹かせたのは,雅楽の響きを再現しようとすれば当然の選択だが,ここまでナベサダが吹けるとは思わなかった。2曲目の佐藤允彦との"Fairy-Tale"はフリーな響きを強め,1曲目とは異なる感覚を与えるが,3曲目のタイトル・トラックでは富樫のソロによる「声明(せいめいではなく,しょうみょう)」のように響き,「和」の雰囲気が濃厚さを増す。最後の菊地雅章とのデュオ,"Song for My Friends"においては,静寂な雰囲気の中にも,濃密な対話が交わされているという感じがして,アルバムの中でも,私はこの演奏が最も好きである。ある意味,武満のピアノ音楽を聞いているような感じもするが,武満の音楽同様,聞いていても苦にならないのがよい。
全体を通してみれば,強い静寂感が支配的であり,そこから浮かび上がる音楽をどう捉えるかによって,この音楽に対する感じ方は違ってくるのではないかと思う。派手派手しさも強烈なノイズもないが,聞いている間,背筋が伸びるような音楽である。ある意味では「能」に通じるのかもしれないなぁなんて,漠然と感じていた私である。こうした音楽を,誰がどういうタイミングで聞くのかという疑問もあるが,私が時として無性に武満徹のピアノ曲を聞きたくなるのと同じように,近い将来,本作をプレイバックをしたくなる瞬間が訪れるような気がする。星★★★★☆。
だが,音楽の性質上,万人にはお薦めできないので,念のため。
Recorded in September & October 1974
Personnel: 富樫雅彦(ds, perc),渡辺貞夫(fl),佐藤允彦(p),菊地雅章(p)
「エクソダス:神と王(Exodus: Gods and Kings)」('14,米/英/スペイン,Fox)
監督:Ridley Scott
出演:Christian Bale,Joel Edgerton,John Turturro,Aaron Paul,Sigourney Weaver,Ben Kingsley
私はRidley Scottという監督を結構評価しているクチだが,どうも最近は「ロビン・フッド」といい,「プロメテウス」といい,どうもなぁって感じの作品が続いていて,私の中で評価を下げている。私は見ていないが,豪華な役者陣を揃えた「悪の法則」も評価がボロボロだったしなぁ。だが,今回はChristian Bale主演ということで,多少はましかもと思ったのだが,期待は今回も裏切られたって感じである。
お話は旧約聖書の「出エジプト記」であるから,「十戒」と同じである。だが,「十戒」がエンタテインメントと聖書の話をうまく融合したのに対し,この映画はどうも辛気臭い(笑)。もちろん,テクノロジーの進化によって,エジプトを襲うさまざまな災厄はすさまじく,かつ結構えげつなく描かれている(これが一番の見せ場かもってのがどうもなぁ...)のだが,中途半端にモーゼを人間ぽく描こうとしているところと接点が見いだせないのである。スペクタクルとしても半端,人間ドラマとしても半端では,2時間半という尺は無駄な部分が多いように思えてならない。そもそもモーゼがヘブライ人であることが明らかになり,メンフィスを追われた後,Maria Valverde扮するZipporah(「十戒」ではSephora)に出会うまでの長々とした描写は退屈極まりないものであった。描かれる人間像も適当っていう感じが強く,なんだかなぁって思うわけだ。
そもそもキリスト教とは縁が必ずしも深くない日本人にとっては,「出エジプト記」の意義さえちゃんと理解されていない中では,この映画もどのようにアピールしうるかは甚だ疑問である。そして,Ridley Scottがこの映画で何を描きたかったのかも全く謎だが,正直なところ,映画として面白くないんだよねぇ。ってことで,Ridley Scottへの信頼も大きく揺るがせた(まぁ,この前から揺らいではいたが...)責任も大きく,星★★。これを見るぐらいなら「十戒」をレンタルして見ましょう(笑)。
"Where Is Love?" Irene Kral (Choice)
いつも書いていることだが,私はジャズ・ヴォーカルをあまり聞かない。もちろん,全然聞かないわけではないのだが,頻度としては大したことではない。先日取り上げたDiana Krallだって,もはやジャズ・ヴォーカルの範疇を逸脱したポップス・アルバムだと思うからこそ絶賛しているわけだし,結局はその程度の聞き手である。そんな私が,珍しくもゲットしてきたのが本盤である。まぁ,このアルバムの世評の高さはわかっていたが,聞いたことがなかったし,伴奏がAlan Broadbentだというのも気になっての入手である。
Irene Kralと言えば,Jackie & RoyのRoy Kralの実妹であることは周知の事実であるが,兄妹にして歌がうまいということならば,やはり血だよねぇなんて思ってしまう。だが,このアルバムが,Ireneは1978年に46歳の若さで乳がんで早逝してしまったのが誠に惜しいと思わせるような作品であることは一聴してわかってしまう。それぐらい素晴らしいのである。
この作品では,「いかにも」というジャズ・ヴォーカリストのレパートリーとは一線を画する選曲が行われていると感じられる。そして,そこに選曲の妙を感じるのはきっと私だけではないはずである。なんせ,1曲目からBlossom Dearieでっせ(と言いつつ,私はいまだかつてBlossom Dearieのアルバムをちゃんと聞いたことはないのだが...)。しっとりとしたAlan Broadbentの伴奏に乗って,これまたしっとりと,かつジェントルに歌い上げるIrene Kralには気張ったところも何もない。それが所謂ジャズ・ヴォーカリスト的なノリをあまり好まない私のようなリスナーにはフィットするわけである。それはDiana Krallの"Wallflower"とも相通ずるところがあるかもしれない。ということで,ジャズ・ヴォーカルについては私の嗜好はそういう感じなんだと思わざるをえない。
いずれにしても,これはいまだ寒さ厳しいこの季節において,久々に部屋の明かりを暗くして膝を抱えて聞きたくなるアルバムである。いやぁ,これは美しくも精妙,歌のうまさは当然としても,Alan Broadbentの伴奏も適切。Alan Broadbentにはそのリリカルなタッチを活かしたナイスなアルバムがあるが,それを育てたのがこうした伴奏経験ではないかとさえ思わされる作品。喜んで星★★★★★としてしまおう。いやぁ,これはいいねぇ。これなら,何回でもリピートできる(きっぱり)。
Recorded in December 1974
Personnel: Irene Kral (vo), Alan Broadbent (p)
昨今はジャズの旧譜を廉価でどかんと再発するってのが流行りであるが,これまで入手の難しかったものまでどんどん出してくれるのはありがたいことである。今回のお題は日本のジャズ史においても,その名を記憶すべきEast Windレーベルである。このレーベルは日本人のミュージシャンに加えて,海外のミュージシャンのアルバムも積極的にリリースしたことで多くの人の記憶に残っているに違いない。今にして思えば,印象的なジャケが多いことも特徴的であった。私もジャズを聞き始めた頃,The Great Jazz Trioやナベサダ,あるいは富樫雅彦の「スピリチュアル・ネイチャー」等を買ったのも懐かしい。The Great Jazz Trioなんかはほぼリアルタイムで聞いていてもわかりやすいものではあったが,富樫なんかはその頃は全く理解できていなかった...(笑)。じゃあ今はわかってんのか?と聞かれれば,相変わらず「・・・」かもしれんが(爆)。
今回再発された作品をよくよく眺めていると,このレーベルには「へぇ~,こんなものまで」って感じの作品も多数ある。Reggie LucasとかSam Morrisonなんてのはその代表みたいな感じではないか。さすがに35~40年近く前に,そんな音源には一切興味を示していなかった私である。今回も,既に保有しているものもあるから,もちろん全部買うなんてことはしなかったが,それでも9枚購入である。菊地雅章関係が2枚,ナベサダ2枚,峰厚介1枚,日野1枚,富樫2枚とAnn Burtonである。Ann BurtonはLPでも保有しているが,なかなか聞く機会がないので,今回のCDでの再購入だが,日本人ミュージシャンをバックに従え,ナイスな歌唱を聞かせるこの作品,実は結構好きなアルバムなのだ。
ということで,今回の購入作はどちらかと言えばメジャーな作品が中心になったが,今回購入した9枚を通じて,今一度70年代の日本人のジャズのレベルを確認し,追体験したいと思う。こういう再発ならいつでも歓迎である。アルバムについては追々記事をアップしていくこととしたい。まずは今日は代表としてAnn Burtonのジャケをアップしておこう。
それにしても,次はどういうところが出てくるのかが楽しみになってきたなぁ。メジャーな線でFlying Diskレーベル辺りが狙い目かな?再発されれば喜ぶ人も多そうだがどうだろう。
"Wallflower" Diana Krall(Verve)
私はジャズ・ヴォーカルの熱心な聞き手ではないので,Diana Krallの新譜が出るからと言って,別に勇んで購入するつもりもなかったのだが,某ショップで"Desperado"がかかっていて,一発でまいってしまった。全編,中年オヤジの心をくすぐる名曲満載のアルバムであり,Diana Krallの声,そしてこの落ち着いたアレンジ(っていうより,全てミディアム・スロー以下って感じだから当然だが...)でこれらの曲をやられてしまっては,まいらない方がおかしいと思いたくなる(きっぱり)。
とにかく,私の子供の頃から青春時代(ちょっと照れ臭い...)を彩った60~70年代のロック/ポップスの曲がいい感じで収められているのである。それらの曲が郷愁を誘うだけでなく,的確なバッキングに支えられて,Diana Krallが気持ちよさそうに歌っているのが,リスナーである私にとっても何とも心地よい。
もはやこれは純粋ジャズ・ヴォーカルって感じではなく,見事なポップスのアルバムと言ってもよいと思うが,ヴォーカル・アルバムを聞いて,これほどしびれたって思ったのは久しぶりのことのように思える。とにかくたまらない選曲なのだ。どれも素晴らしい歌唱だが,なかでも私がいいと思ったのがElton Johnの"Sorry Seems to Be the Hardest Word"だろうか。"I Can't Tell You Why"もいいしなぁ,てな感じでどれを聞いても満足できると思う。最後から2曲目のRandy Newman作,Bonnie Raitt歌唱の"Feel Like Home"(Randy Newmanの"Faust"所収)と最後のCrowded Houseの"Don't Dream It's Over"は意外な選曲のようにも思うが,いいところ引っ張ってくるねぇって感じである。Crowded Houseなんて,万人の心に甘酸っぱい感覚をもたらしそうな曲だもんなぁ。まじでいいねぇ...。
ってことで,音楽的な趣味のよさもあるが,とにかく中年オヤジのハートをえぐられたってことで,オマケの意味も含めて星★★★★★。CDのクレジットは文字が小さ過ぎてよく見えないので,今回は省略するが,David Fosterのオーケストレーションが効いているのは言うまでもない。いや~,まいった。私が購入したのは通常盤だが,こんなにいいなら,デラックス・エディションを買っとけばよかったと後悔する私である。
情けない話で恐縮だが,私は長年のHemorrhoides持ちである。生活習慣病,あるいは現代病とも言われるが,これまで何とかごまかしごまかしやってきた。しかし,この2カ月で2回の大出血ではさすがにもう駄目である。ということで,精神的なダメージもあって,音楽どころではない。さっさと病院に行こうっと(苦笑)。
ちなみに昨年にはゴルフのラウンド中に大出血というのもあったなぁ。あれも情けなかったが,あの時に医者に行ってれば,こうはならなかったと反省。病気はさっさと治すのが基本ですな。
しょうもない話ですみません。
"The Process" Jon Batiste / Chad Smith / Bill Laswell (M.O.D Technologies)
Red Hot Chilli Peppersについては,私はアルバム1枚を保有しているだけなので,その本質を理解しているわけではないが,そのレッチリのドラマーであるChad Smithが参加したアルバムがリリースされたからと言って,普通なら興味も示さない可能性が高い私がなぜこのアルバムを購入したか。Bill Laswellが参加し,キーボード・トリオがそのコアとなっている演奏に,近藤等則(かなり久しぶりって気がするが,私が知らないだけか...)が一部ゲストで参加ってのに惹かれてしまったのである。とんがった音が聞こえてきそうな予感がしたのだ。それだけでCDを購入してしまうってのもいかがなものかって気がするが,これも直感のなせる業である。
本作はChad Smithの自主制作になるものなので,基本的に彼の音楽的な指向が反映されたものと思われるが,冒頭の"B1"から美しいピアノが聞こえてきて,これは予想と違う音楽か?と思わせるも,すぐに「やはり」という方向へ転換されるので,安心して(?)よい。キーボード・プレイヤーであるJon Batisteのペンになる"B1","B2","B3"は同じような響きになっているので,これは別世界へのプレリュードみたいな位置づけにあるといってよいかもしれない。とにかくこの3曲は全然雰囲気が違うのである。だが,それ以外はロック,ファンク,ジャズが混然一体となったような音楽になっている。
このグループが継続的に活動をしていくかどうかはわからないが,急造グループの割には,明確なグルーブを作り出すことに成功しているのはさすがってところであろう。相当にへヴィな音作りとも言えるが,決して聞きにくいものではないものに仕立てたのは,おそらくプロデュース面ではリーダーシップを握ったであろうBilll Laswellだろう。このあたりは百戦錬磨って感じの仕事ぶりである。そうした点でも評価して星★★★★は与えてもよいだろう。もちろん,万人受けする音ではないが,私はこのファンクっぷりに結構喜んで聞いていたことは告白しておこう。
それにしても,このアルバム・カヴァーのエンボス加工って,結構金が掛かっているように思えるが,Chad Smithはレッチリでもうけているだろうから,これぐらいは余裕?
Personnel: Jon Batiste(p, key, org, perc), Chad Smith(ds, perc), Bill Laswell(b, g, electronics), Tunde Adebimpe(vo), Killah Priest(vo), Garrison Hawk(vo), 近藤等則(tp), Peter Apfelbaum(fl, ts, ss), Dominic James(g)
"The Forbidden Zone" Tom Coster (JVC)
Tom Costerと言えばSantanaってのが一般的な認識だが,昨年,Steve Smithと来た時のTom Costerのハードなフュージョン・プレイぶりを見て,このアルバムを思い出していた私である。このアルバムがリリースされたのは20年以上前のことだが,それ以来,現在まで結構愛聴しているアルバムのひとつである。何と言っても,このメンツならこういう音だろうという感じの音が出てくるのがよいのである。Bob Berg,Scott Henderson,そしてデニチェンである。まぁ,相当ハードな音になるであろうことは容易に想像できるが,冒頭からスリリングに決められては,この手の音楽が好きな私にとっては「こりゃ~ええわ」ってことになってしまうのである。
まぁ,そこにラテン・タッチの"Lover Man"を入れんでもいいだろうというような突っ込みも可能であるが,全体を通してみれば,これは相当満足度の高いハード・フュージョンのアルバムである。元Santanaだけに,ラテン・フレイヴァーを入れたくなるのも人情だが,ハード・フュージョン路線で通しておけば,更に評価は高くなったと思うが,それでも星★★★★には値すると思う。
その手の音楽が好きな方は,中古で見つけたら躊躇せず買いましょう(笑)。後悔はしないものと思いまっせ。それにしても,Bob BergとScott Hendersonって,こういう音楽やらせたら本当にはまるよねぇ。
Personnel: Tom Coster(p, key), Bob Berg(ts),Scott Henderson(g), Jeff Andrews(b), Alphonso Johnson(b), Dennis Chambers(ds), Raul Rekow(perc), Karl Perazzo(perc)
"Sco-Mule" Gov't Mule Featuring John Scofield(Evil Teen)
Allman Brothers BandのWarren Haynes(Warren Haynesは2014年を以って,Derek TrucksとともにAllman Brothers Bandを脱退しているので,元Allmansと言うべきだが...)が率いるGov't Muleの新作に,John Scofieldが参加という情報を得て,まぁジャム・バンド系の活動もしているジョンスコなので,まぁこれはいけるだろうなぁなんて予想していた。だが,この作品,新作と言いながら,録音されたのは1999年という蔵出し音源とわかり,ちょっと肩透かしを食った気分である。しかし,99年と言えば,"A Go Go"と"Bump"の間の時間であり,ジョンスコのジャム・バンドへの指向が強まっていた時期であることを考えれば,やっぱり期待できると思ってしまった。
それでもって,このアルバムであるが,結構ゆるいグルーブの中で,ジョンスコ弾きまくりである。もっと,Warren Haynesとのバトルのような感じになるのかと思いきや,お互いにソロを分け合うって感じで,丁丁発止というかたちは強く感じられないが,ジャム・バンドの音楽そのものがバトルってよりも,長い即興の中で,独特のグルーブを生み出すことを目的としていると考えれば,それも不思議ではない。
蔵出し音源だけに,出し惜しみすることなくボーナス・ディスク付きの2枚組でのリリースになっているが,まぁ,2時間半もあるのだから,全部聞いたらお腹いっぱいって感じである。Gov't MuleのWebサイトによれば,もともと,Gov't Muleの3rdアルバム,"Life before Insanity"のリリース後に,ライブ・アルバムとして発売される予定だったのが,オリジナル・メンバーであったベーシスト,Allen Woodyの死去もあって,頓挫していたものに改めてミキシング,マスタリングを施して,リリースされることになったものらしい。だが,今回のリリースが契機となって,Gov't Muleはジョンスコとツアーに出ることが決まっているので,まずはめでたし,めでたしってところか。
ジャム・バンドの音楽というのは,ジャム・バンドの持つグルーブ感こそが好きな人にとってはたまらないものだろうが,そうでもない人間にとっては,ダラダラと即興を垂れ流していると感じさせる部分がないとは言えない。だが,Warren Haynesとジョンスコという2人の優れたギタリストがいるのだから,おかしなことにはなるわけがない(きっぱり)。しかもライブでこそ真価を発揮するジャム・バンドである。そうした意味では蔵出し音源と言えども,十分に楽しめる作品となった。まぁ,そうは言っても,必ずしも,楽しめる=優れているということでもないので,音楽としては星★★★★ぐらいが妥当な評価だとは思う。強力に推薦するということにはならないが,それでも十分に元は取れると思う。
Recorded Live at the Roxy, Atlanta on September 23 and the Georgia Theater, Atlanta on September 22, 1999
Personnel: Warren Haynes(g), Allen Woody(b), Matt Abts(ds), John Scofield(g), Dr. Don Matrazzo(key) with John Herring(g), Mike Barnes(g)
"Just Add Water" Virgil Donati(Thunder Drum)
ネット・サーフィンをしていて,存在を認知していたアルバムだが,キモはScott HendersonがVirgil Donatiとやるとどうなるかってことだった。と言っても,アルバムは廃盤のようだし,存在だけを知っていればいいやって感じだったのだが,あった,あった,中古盤屋に(笑)。正直言って,このジャケなので,購買意欲は全く高まらないのだが,メンツの魅力に負けた私であった(爆)。安かったし。
それでもって,出てくる音はこちらの予想通りである。Virgil Donatiについては,私はこのブログにおいて彼の"In This Life"を「完全にロックだ」と書いた(記事はこちら)が,本作においてはロックというよりも,テクニカルなファンク・フュージョンって感じが強い。そして,Scott Hendersonがトリオという編成において,魅力的なギターを聞かせていて,ファンとしては嬉しい作品である。ベースのRic FierabracciもDave Weckl等との共演歴もある人であるから,バンドとしての相性は何の問題もない。
これがリハーサルなしのジャム・セッションをレコーディングしたものというのが凄いが,これぐらいのミュージシャンが集まれば,この程度の仕事はできてしまうってことか。これでジャケを何とかしてくれれば,尚よかったが,音としてはこの手の音楽が好きな私ゆえ,評価も甘くなり星★★★★☆。ちょいとドラムス・ソロが多いかなぁって気もするが,まぁリーダーだから...(笑)。
それにしても,エンジニアリングをT.J. Helmerich,デジタル編集をBret Garsedがやっているってところに,「類は友を呼ぶ」感が表れているなぁ。
Recorded on December 22, 1996
Personnel: Virgil Donati(ds), Scott Henderson(g), Ric Fierabacci(b)
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