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2015年1月28日 (水)

素通りしていたSteve Reichの新作

Reich_radio_rewrite "Radio Rewrite" Steve Reich(Nonesuch)

本作は昨年の9月にリリースされていたようだが,全く私が意識していなかったものである。日頃からReich好きだなんて言っている割には,この体たらく!と言われても仕方がない。まぁ,国内盤はこれからリリースのはずなので,新譜としてもよかろう(と開き直る)。今回は,何と言っても,タイトル・トラックがRadioheadの曲をモチーフにしているということが話題になるだろうが,それに加えて,冒頭にはそのRadioheadのJohnny Greenwoodによる"Electric Counterpoint"が収められていることも注目に値する。

そもそも"Electric Counterpoint"はPat Methenyによって初演されたものであるが,それがギタリストが変わるとどう変化するのかに興味が湧く。やはりロック界からのJohnny Greenwoodだけにギターの音がソリッドな感じが強く,個性の違いは出るものだなぁとついつい思ってしまう。

それに続く"Piano Counterpoint"は旧作"Six Pianos"をVincent Corverという人が,ピアノの多重録音に編曲したものであるが,これがReichらしいピアノのつづれ織りのような音がして,ついついうっとりしてしまった私である。多重録音という意味では"Electric Counterpoint"のピアノ版のような趣もある。

そして,これらの旧作(及び旧作のアレンジ)に加えて発表されたのが,タイトル・トラックである。ライナーによれば,RadioheadはSteve Reichの影響を受けたとのことだが,私が彼らのちゃんとした聞き手ではないということがあったとしても,こうした指摘には「へぇ~」としか言えなかった。元ネタは"Fast"パートが"Jigsaw Falling into Place"("In Rainbows"所収),"Slow"パートが"Everything in Its Right Place"("Kid A"所収)だそうである。これはちゃんとRadioheadの演奏も聞き直してみなければと思ってしまう私である。

Reichはこの曲に関して,「曲に『ヴァリエーション』をつける意図はなく,曲に秘められたハーモニーや,メロディの断片を引き出し,自作の中に入れ込む」(私の拙訳御免)ことを図ったと書いている。そう言われれば,尚更オリジナルをちゃんと聞かなければならないと感じる。曲はエレクトリック・ベースも入っていることもあって,いつものReichよりもポップな感じがするし,ヴァイブの音を聞いていると,Gary Burtonがこういう曲をやるのもありではないかと思えるような曲調である。いずれにしても,ReichはどうやってもReichなのだが,私にとっては何とも心地よい音楽である。好きな音楽にはついつい点も甘くなり,星★★★★★。やっぱりReichはええですわ~(笑)。

Personnel: Johnny Greenwood(g), Vicky Chow(p), Alarm Will Sound<Alan Pierson(cond), Erin Lesser(fl), Elisabeth Stimpert(cl), Chris Thompson(vib), Matt Smallcomb(vib), John Orfe(p), Michael Harley(p), Courtney Orlando(vln), Caleb Burhans(vln), Nathan Schram(vla), Stefan Freund(cello), Miles Brown(el-b)

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コメント

同じく素通りでした。ECMのライヒのLPレコードで飽きたらず、いろいろ手を出しています。中毒性が高いですね。
Radiohead云々の曲は、ミニマル度がやや低いのが残念感ありです。

kenさん,おはようございます。

Reichの音楽はとにかく気持ちがいいので,中毒性が高まるというのは非常によくわかります。"Radio Rewrite"はミニマル度はさておき,やっぱりReichの響きって感じでした。

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