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2015年1月26日 (月)

昨日の山下洋輔に続いて,今度は坂田明だ!

Pochi

"POCHI" 坂田明トリオ(Better Days/日本コロムビア)

昨日,山下洋輔トリオ+1の復刻盤を取り上げたばかりだが,今日は同じシリーズで出た本作である。私は以前,本作と同じメンツで録音された"Dance"というLPを保有していたはずだが,とうの昔に売り払ってしまい,手許にはもうない。だが,大学1年の時だったと思うが,西荻窪の「アケタの店」で見た彼らのライブはよく覚えている。1stでは聴衆が結構おとなしかったので,2ndでは先輩と私で結託して「盛り上げ」モードに入ったことも懐かしい。そう言えば,"Dance"に収録された「ラジオのように」もやっていたはずである。

それはさておきであるが,本作は坂田明が山下トリオから独立して結成した自己のトリオのデビュー・ライブ・ツアーからの実況盤である。そもそも坂田明も山下洋輔トリオ出身ということもあり,フリーでありながら小難しい感じがしないところが大変よい。坂田明は多作だし,正直昨今の動向まではフォローできていない私だが,山下トリオ独立後のこの頃の坂田は,越境型ミュージシャンのはしりみたいな活動ぶりだったのも懐かしい限りである。

そうした越境型の活動の中で,このトリオはそのボトムラインを構成するものであり,坂田の本質的な部分はこのトリオでの演奏に最もよく出ていたように感じるのは私だけだろうか。私は本作を聞いたのは今回が初めてであったが,吉野,藤井という有能なリズム・セクションを得て,坂田がこちらの期待する吹きっぷりを聞かせていて嬉しくなってしまう。ワン・パターンと言われようがなんだろうが,いいものはいいのである(きっぱり)。

山下洋輔同様,今の時代のリスナーにこの音楽がどのように受け容れられるのかはよくわからないが,私にとっては前後に身をよじりたくなる音楽(笑:わかる人にだけわかってもらえばよい)であり,山下洋輔同様,私にはある意味爽快感をもたらす音楽である。LP時代の収録時間の限界もあり,一部フェード・アウトやフェード・インっぽいところがあるのは残念だが,これもカタログに残しておいてもらいたいという希望も含めて星★★★★☆にしてしまおう。こうなったら,"Dance"も最近流行りの1,000円シリーズで再発してくれないかな。ついでに言っておくと,山下トリオ+1も本作も,もう少し廉価がよかったなぁ,日本コロムビアはん(爆)。

尚,ジャケは本当にアルトを吹く坂田明のレントゲン写真だそうだ。笑えるねぇ。

Recorded Live in August, 1980

Personnel: 坂田明(as, a-cl),吉野弘志(b),藤井信雄(ds)

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コメント

こんにちは。宜しくお願い致します。坂田明は面白いのもあるけれど、総じて見ると、いつも同じアプローチしかしていない。ま、ブギャブギャ バラリーッ!! ラレロ バレロ キェー!!…で攻めまくり、あげくは「わァー!! もうグワーとやるしかない!! ギャオーとヤッチャオー!!」みたいなシャウト。「テノクサカナ」はいいなと思うけれど、フリーでやっているのを海外のアルバムと比べると、ミニチュア・フリーというか、フリーの真似、コピー版といった感じがするんですよ。タモリがチック・コリアのピアノの真似をするでしょう? あんな感じで、雰囲気はそうであっても、オリジナルとは並べたくない、並べられないと思う。坂田明の師匠、井上敬三の方が突き抜けていた感があります。

Logさん,はじめましてですかね。古い記事にコメント頂きありがとうございます。

>こんにちは。宜しくお願い致します。坂田明は面白いのもあるけれど、総じて見ると、いつも同じアプローチしかしていない。

まぁある意味ワンパターンの美学とも言いますね。私にとってはPeter BrotzmanにしてもMike Sternにしてもそうですが,ワンパターンでもいいんですって思ってしまうところがありますので,別に悪いとは思っていません。坂田明に関しては濫作だなぁとは思いますが。それを言ったら故Brotzmanもそうでしたが。

>「テノクサカナ」はいいなと思うけれど、フリーでやっているのを海外のアルバムと比べると、ミニチュア・フリーというか、フリーの真似、コピー版といった感じがするんですよ。

逆に私は「テノクサカナ」の面白さがわからないです。これは人それぞれですね。

>オリジナルとは並べたくない、並べられないと思う。

ではLogさんにとって「オリジナル」って誰なのか興味深いですね。私は坂田明の音源を全部フォローしている訳ではないですが,それでも保有している音源については,爽快感を得られるものが多いと思っています。私はそれで満足しています。

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