見たかった「インターステラー」をようやく観に行った
「インターステラー("Interstellar")」('14,米,Warner Brothers/Paramount)
監督:Christopher Nolan
出演:Matthew McConaughey, Anne Hathaway, Jessica Chastain, Michael Caine, John Lithgow, Ellen Berstyn, Matt Damon
今年の初めから今年最も見たいと思っていた映画が本作である。そもそもChristopher Nolanの作りだす世界は,エンタテインメント的な要素と,哲学的とも思える要素,あるいは人間の心の暗部等が混然となって,いつも私をしびれさせてくれるから,自然と期待値も高まる。今回の作品も予告編が公開された段階から,本当に期待していた作品である。だったら,公開早々から見に行けや!という声も飛んできそうだが,出張続きでそうも行かなかったのである(苦笑)。だが,ここに来てようやく家族ともども見に行くことができた。
結論から言えば,非常にNolanらしい作品である。サイエンス・フィクションとしてのダイナミズム,輪廻のようにさえ感じさせる不可思議なシナリオ,そして今回の映画における決定的な要素としての親子愛等が相俟って,今回も非常に優れた作品となったと思う。昨年の「ゼロ・グラビティ」と似たような映像がないわけではないので,その視覚効果に大きな驚きはないとしても,映像としては勝るとも劣らないものと思える。
役者は地味なのか豪華なのかわからない布陣であるが,私にはEllen Berstynが非常に懐かしかった。また,10歳の娘,Murphを演じるMcKenzie Foyを含め,特に私を泣かせてくれたのは親子の描写である。家族の手前,号泣とは行かなかったが,秘かに何度か涙していた私である(苦笑)。いずれにしても,どんな映画にも賛否両論はあるとしても,この映画を嫌いだって人はそうはいないだろう。私は十分に元を取ったと思っているし,これだけの映画はなかなか作りたくても作れない。ということで,星★★★★☆。Christopher Nolanという人は信頼に値する作り手だと改めて思った私である。
それにしても,昨年同様,1年に24本は映画館に映画を見に行きたいと思っていた私だが,12月も過ぎたこの段階でまだ17本である。これでは到底目標には到達できないが,せめて年内にあと1本は見に行きたいなぁ。
« 仙台にて食したもの | トップページ | ギャグのようなタイトルだが,中身はなかなか面白いJames Farmの第2作 »
「映画」カテゴリの記事
- こういうのをいい映画だと言いたくなる「リアル・ペイン ~心の旅~」。(2025.02.09)
- 今年最初の映画館で見た映画が「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー」であった。(2025.02.01)
- Amazon Primeで見た「危険がいっぱい」。(2025.01.27)
- 年末年始に見た映画(8):恥ずかしながら初めて見た「地獄の黙示録」はそのファイナル・カット。(2025.01.17)
- 年末年始に見た映画(7):「氷の微笑」ってこんな映画だったのねぇ(笑)。(2025.01.15)
コメント
« 仙台にて食したもの | トップページ | ギャグのようなタイトルだが,中身はなかなか面白いJames Farmの第2作 »
[宇宙]…今宵は月が綺麗だねぇ~等のレベルではないのです! (ブラックホール)の存在を知ったのは?小学6年生の時です。全校300人程の田舎の小さな図書室。
顕微鏡を初めて覗いたのも小6…感動は同様でした。あれから半世紀も過ぎました!良い、大変良い映画でした!家族愛でしたね。
投稿: シマチャン | 2014年12月10日 (水) 04時06分
シマチャンさん,こんにちは。返事が遅くなり申し訳ありません。
宇宙っていうのはロマンに溢れていていいですね。ハッブル望遠鏡のおかげで、今までと違う宇宙の姿を見られるようになったのも素晴らしいことです。
この映画は,リアリティって意味ではどうなのよって話もあるでしょうが,期待通りの出来だったと思います。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年12月13日 (土) 11時15分
本日、見ました。インセプション同様一度見たぐらいでは、ストーリーもよく理解出来ませんでしたが、ノーラン監督またまた凄いのを作りましたね。感動しました。この監督は、こういう分野では、もう誰にも負けませんね。
投稿: カビゴン | 2014年12月16日 (火) 22時47分
カビゴンさん,こんばんは。そうですか,ご覧になりましたか。
そうですよねぇ。このある意味「訳のわからない」ところがあるのがChristopher Nolanの真骨頂ですよねぇ。「インセプション」もそうでしたが,おっしゃる通りで,1回でなく,2回は見ないとちゃんと理解できない部分はありますが,そういうことは抜きにして,映像だけでも圧倒する力を持っていますよね。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年12月16日 (火) 23時36分
クリストファー・ノーランも古い上映方式に拘ってますよね。この作品もIMAX70mmだけでなく、アスペクト比1:2.2の70mmプリントまであったんですよね。70mmプリントが観られないのは仕方ないとしても、IMAX70mmが観られる劇場が当時数館しかなかった時点で、映像作家の意図した画は観られないなと同じ。普通のシネスコで見たような気がします。昨年末、公開10周年のリバイバルがあったのでIMAXで再鑑賞。話の整合性や理解なんて追いつかなくてもあの映像は凄い。それだけで充分。
投稿: Rooster Cogburn | 2025年1月19日 (日) 17時01分
>クリストファー・ノーランも古い上映方式に拘ってますよね。この作品もIMAX70mmだけでなく、アスペクト比1:2.2の70mmプリントまであったんですよね。70mmプリントが観られないのは仕方ないとしても、IMAX70mmが観られる劇場が当時数館しかなかった時点で、映像作家の意図した画は観られないなと同じ。普通のシネスコで見たような気がします。昨年末、公開10周年のリバイバルがあったのでIMAXで再鑑賞。話の整合性や理解なんて追いつかなくてもあの映像は凄い。それだけで充分。
Rooster Cogburnさんの大画面指向は筋金入りだと思います。この映画ももう公開10年ですか。私は時間の経過の早さがショッキングですが,おっしゃる通り,Nolanの映像はどれも凄いですね。大したものです。
投稿: 中年音楽狂 | 2025年1月21日 (火) 09時53分