Marko Churnchetz:ショップをうろついて出会ったなかなかナイスなアルバム
"Devotion" Marko Churnchetz(Whirlwind Recordings)
ショップをうろついていると,直感的によさそうだと思ってCDを購入して,大成功のこともあれば,大失敗に終わることもある私である。結局,メンツ,もしくは編成を見て,ジャケの雰囲気を合算して購入するかしないかを決めることが,実は結構ある。
このアルバムは全然知らないスロベニアのピアニスト,Marko Churnchetzによるアルバムだが,メンツ4人の中で名前を知っているのはMark Shimだけであるから,今回はメンツで決めたのではない。テナーのワンホーンで,エレクトリック楽器も採用しているという編成と,ジャケで購入した私である。ジャケの写真だけ見ていると,ジャズっていうより,ロックみたいな感じもするしねぇ。
それでもって,結果はどうかって言うと,これは当たりである。このサックスの感じ,誰系なのかなぁってことで,新橋のテナーの聖地,Bar D2のマスターに聞いてもらったら,これはBranford系ですかねぇとおっしゃる。そう言えば,私は最近,Branfordの音楽を聞いていないので,認識していなかったのだが,言われてみればそういう気がしてくるから,私もいい加減なものである(苦笑)。
だが,そんなことはさておき,これは非常にコンテンポラリーな感覚も強く,リズミックなアプローチも面白い作品であった。まぁ,今風と言えばその通りであるが,一部シンセのように聞こえるのはMark ShimのテナーをMIDIにつないだ音であろうし,ベースもアコースティック,エレクトリックの両刀使いであるから,まぁ私の好きな音であることは間違いなのだが,変拍子を使ったオリジナルをスリリングに展開していて,これはなかなか燃える。まさに直感を信じて買って正解であった。星★★★★☆。
よくよく調べてみたら,ブログのお知り合いの松岡さんがとっくにこのアルバムを取り上げられていたのだが,私のアンテナに引っ掛かるには随分時間を要したとしても,これはまだまだ新譜として扱わせて頂くことにしよう。
Recorded on April 18, 2012
Personnel: Marko Churnchetz(p, el-p, key), Mark Shim(ts, MIDI), Christopher Tordini(b, el-b), Justin Brown(ds)
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