今頃になって上原ひろみの"Alive"を聞く。
"Alive" Hiromi(Telarc)
ブログのお知り合いの皆さんの評価もかなり高いこの作品がリリースされたのは,もう随分前のことなので,これを新譜と呼んでしまうことには抵抗がないわけではないのだが,年末のベスト盤チョイスに向けて,やっぱり聞いておいた方がよかろうということで,はるばるカナダから飛ばしたものである。ということで,私の購入したのはCD単体で,DVDは付帯していない。
私はこれまでも彼女のアルバムは何枚か買っているが,疾走感溢れる凄いピアノを弾く人だなぁとは思うのだが,正直言ってどうにも苦手である。ファンの皆さんの理解はきっとえられないだろうが,私にとってはいつ聞いても,何を聞いても"Too Much"感が強いのである。今回も,冒頭のタイトル・トラックからリスナーをねじ伏せるような強烈な演奏である。こういう演奏を生で聞かされたら多分燃えるだろうなぁとは思うのだが,全部を聞いていて,やはり私にはお腹いっぱいって感じなのだ。どんなに美味い食事や酒でも,適量を越せば,胸焼けがしてくるようなものっていう印象がどうしても残ってしまう。結局のところ,こうなってくると,好き嫌いの問題も結構影響があるように思えるが,苦手なものは苦手なのである。だから,このアルバムを聞いていて,ほっとできるのは"Firefly"ってことになってしまうのだ。
もちろん,このTrio Projectの緊密度はますます増し,ジャズって言うより,もはやプログレだろうって感じになっているから,ロック好きにも受け入れられるだけのものと言ってよいだろうし,Simon Phillipsのドラムスも期待通りの素晴らしさである。にもかかわらず,私は本作を聞いていて,やっぱりちょっとやり過ぎではないのかと思えてしまった。私は,"Voice"が出た時,シンセは使わず,ピアノに徹した方がいいのではと書いた(ちなみに"Move"は買っていない)が,今回は彼女はピアノに徹していて,その点はよかったのだが,それでもやはり私の琴線には完全に触れることがなかったと言っておこう。決して悪く言う必要はないと思うし,よく出来たアルバムであるが,結局は私の嗜好からはちょっとずれているってことである。まぁそれでも星★★★★には相当するとは思うが...。
本音を言えば,私はSimon Phillipsの"Protocol II"の方がずっと好き。ファンには喧嘩を売っているようなもんだなぁ(爆)。
Recorded on February 5-7, 2014
Personnel: 上原ひろみ(p), Anthony Jackson(b), Simon Phillips(ds)
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すいません、TB先を間違えました(笑)。先のTBを削除お願いします。
自分の場合、毎年のように上原ひろみがベスト3にあがってくるのですが、ジャズはJ-POPなどと違うので、いろいろな好みがあっていいかと思います。私の場合、ハードコア・フュージョン好きの、そこから近い系統のサウンドですし。それでも星4ついくというのは、好き嫌いと良し悪しの評価軸をそれぞれ持ってらしているということだと思います。
改めてTBさせていただきます。
投稿: 910 | 2014年12月23日 (火) 10時53分
910さん,こんにちは。TBありがとうございます。
いくらよく出来ていても,好んで聞くかどうかというのは別問題ですから,まぁ,私の嗜好とは異なるってことでいいんだと思っています。それでも上原ひろみの音楽によって,ジャズ(あるいはジャズ的な音楽)に対する注目度が上がるのであれば,それはそれでいいことですね。私にとっては彼女はそういう人なのかもしれません。
ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年12月23日 (火) 11時57分