Jack Bruceの訃報を聞いて,改めてCreamの音源を聞いて,彼を追悼していたのだが,"White Room"を聞いていて,ついつい昔のことを思い出してしまっていた私である。この曲を初めて聞いた時は,CreamというバンドがJack Bruce,Eric Clapton,Ginger Bakerから構成されるなんてことは全然知る由もなく,純粋にラジオから聞こえてきた"White Room"という曲が無茶苦茶カッコいい曲だなぁなんて思っていたはずである。余談ではあるが,それはおそらく,私が深夜放送を聞き始めた小学校5年生ぐらいのことで,更に具体的に言えば,朝日放送でやっていた「ABCヤングリクエスト」でのことだったはずである。
この番組,キダタロー先生作曲の番組テーマ曲(私が聞いていた頃は岡本リサ版)は今でも歌えるぐらいよく聞いていたのだが,確か歌謡曲と洋楽が交互に流れる中で,私は"White Room"を聞いて,これはいいと直感したのである。それは"Sunshine of Your Love"でも"I Feel Fine"でも"Crossroads"でもなく,"White Room"だった。イントロからして,子供ごころにカッコいいと思えたのである。
Jack Bruceが亡くなったそうである。今年"Silver Rails"という新譜をリリースしたばかりだったので,この突然の訃報には驚かされたが,特にCreamにおける彼の業績を否定する人はいまい。またも惜しい人を亡くしたが,10年振りのアルバムは彼の置き土産だったってことだろうか。
Living Colourが今回の訃報を受けて,次のような追悼コメントを出している。"Every guitarist should pick up their guitar and play the
opening riff to Sunshine Of Your Love before the sun goes down today."
"Claudio Farinone Plays Ralph Towner" Claudio Farinone(Abeat Aria)
以前,このブログで,全曲Ralph Townerの曲を演奏したRandall Aversの"Man in the Moon"を取り上げたことがあるが,記憶が曖昧ながら,その後に出た別のギタリストによるRalph Towner集が本作である。同じRalph Towner集でありながら,随分雰囲気が違うというか,Avers盤が非常にアーティキュレーションが感じられる演奏であるのに対し,こちらは残響感を活かしたライブ感覚を重視した作品のように感じられる。
本作ではTownerのオリジナルに加えて"Waltz for Debbie"をやっているが,全てTownerのアレンジに基づくものとなっているところは徹底している。だが,Townerが"Open Letter"で聞かせた"Debbie"に比べると,随分この人の"Debby"は訥弁に聞こえる。一方,即興部分はFarinoneによるものということになっているが,Townerの曲って,どこまでが書かれていて,どこからが即興なのか難しい部分もあるが,ここでの"Debbie"にはアドリブ・パートがないのは力量の差が露骨に出てしまうことを本人がわかっていたからのような気がする。ということで,嫌いではないのだが,ギタリストとしてはまだまだTownerには及ばないってことで,星★★★☆。
"Apollo: Atmospheres & Soundtracks" Brian Eno(Virgin)
Brian Enoという人は正直言って掴みどころのない人である。私の中では"801 Live"やRoxy Musicのロック的なイメージと,アンビエント・ミュージックを推進するイメージが両極化していて,どっちもEnoだってのはわかっていても,よくもまぁこれだけ違う音楽ができるもんだと常々感心している。その一方で,U2やTalking Headsをプロデュースするとロックになっちゃうしねぇ。いずれにしても尖った人である。
John AbercrombieがCotton Clubに出演するのは久し振りのことのようである。ライブの会場においても,確かに老けたなぁって気がしたが,もう70歳近いのだから当たり前と言えば当たり前である。次はいつかもわからない(あるいはもう来れない?)ということもあって,今回の参戦となったが,ジョンアバだけだったら行っていたかどうか...。今回の私の参戦へのモチベーションを高めたのは,ジョンアバには悪いが,Marc Coplandだったのだ。
一方,彼らは何でも出来てしまうというところが仇となって,アルバムとしては一貫性に乏しい作品が多くなってしまっているのがやや残念というところではある。今日,Tim Hauserを追悼する意味で聞いているのは"Bodies And Souls"だが,このアルバムもそうした部分があることは否めない。だが,このマントラのアルバムの中でも,かなりポップな感覚の強いアルバムを聞いて,やはり優れたグループであったことは間違いないなぁと思ってしまった。おそらく,この作品は彼らのポピュラリティが日本で最大化している頃の出たもので,今となっては信じられないことだが,彼らのサントリーのCMに出てきて"American Pop"を歌っていたのだから,凄い時代である。特定の年代以上の人ならわかるが,「ブランデー,水で割ったらアメリカン」という訳のわからんキャッチ・コピーであった。
それはさておき,マントラのリーダーとしてのTim Hauserの役割は大きなものであったと考えれば,やはりここはちゃんと追悼するのが筋である。私は,それでも"Down South Camp Meetin'"がどうしてもこのアルバムの流れを分断しているように思えてしまうのが事実ではあるが,それでもこのアルバムの持つポップさは結構好きである。もちろん,ジャズ・コーラスとしてはポップ化し過ぎているということも言えるわけだが,非常に楽しいアルバムだと思う。
Tim Hauserが亡くなったそうである。Tim Hauserと言えばManhattan Transferとなるが,彼らが作り上げたハーモニーは不滅だと言っておきたい。気がつけば彼も72歳だったとのことだが,ビルボードでのライブも予定されていたことから,急死ということになろう。公演は代役を立てて実施されるようだが,結果的にそれはHauserの追悼公演となろうが,本日のところは,彼,そして彼らの功績,業績を改めて噛みしめることとしたい。
そんな記憶もある私だが,このアルバムを聞くのは実は久しぶりで,メンツも記憶から飛んでいた(笑)。でも真面目にフュージョンに取り組むAndy Summersの演奏は結構レベルが高いと思うのだが。でもやっぱりパブリック・イメージとしてはPoliceのAndy Summersだから仕方なかったのかなぁとも思える。だが,彼の名誉のために言っておけば,Michael Breckerは私があまり評価していない"Now You See It, Now You Don't"期のライブだったので,どちらかと言えば私はSummersバンドの方が好きだったかなぁ。でももう20年以上前なので,記憶が曖昧である。とにかく,第2部で客がどんどん帰ったことだけは鮮明に覚えているが...。
Mark Ishamの参加は意外な気もするが,サウンド的にはここでの音楽にフィットしていて,相性はいいと思える。今となってはこのアルバムもマイナーなものになってしまったかもしれないが,無視されるには惜しいアルバムだと思う。星★★★★。メンツではChad Wackermanがここでもいい仕事ぶりを示している。
Personnel: Andy Summers(g, banjo), Doug Lunn(b), Darryl Jones(b), Sting(b), Chad Wackerman(ds), Brian Auger(key), David Hentschel(key), Herbie Hancock(p, key), Ed Mann(perc), Bill Evans(ts, ss), Mark Isham(tp)
私にとっては,SSW系のアルバムで,これが最高だという評価にはならない部分もあるし,一部にポップささえ感じさせる(特に"'48 DeSoto"に顕著)ところは「99選」においては珍しいような気がしないでもない。だが,全編を通してみれば,この佳曲揃いのアルバムの魅力に抗うことは私には無理なのだ(LPであれば,両面の最後の曲は若干私にとっては鬼門だが...)。今回,気まぐれで久しぶりに聞いてみたが,初めて聞いた時のようなフレッシュさを今でも保持していると思えたことがまさに驚きであった。それこそ,Kosinecの声とアコースティック・ギターの音に甘酸っぱい思いさえ感じてしまった(爆)。繰り返すが,何年経ってもいいものはいいということを再認識させられる傑作。星★★★★☆。ちなみにライナーにはいいことが書いてある。"Tony Kosinec's songs give new voices to an old, but timeless vision." おっしゃる通り!としか言いようがない。
Personnel: Tony Kosinec(vo, g), Maribeth Solomon(p, fl), Russ Kunkel(ds), Mark Lams(b), Zal Yonovsky(g)
全編を通じて,そんな感覚が溢れているし,テナーも全面参加ではないのだが,意表を突いた選曲もある。まずはSting,あるいはPoliceと言うべきかもしれないが,"Message in a Bottle(孤独のメッセージ)"を演じていること,更にびっくりするのがHerbie Hancockの「ど」ファンク・ナンバー"Actual Proof"をやっていることである。どちらにもテナーが入っていないことが象徴的ではあるが,前者は比較的静謐な感じでやっている一方,後者はほんまにこれがWasilewskiか?と思わせるようなタッチとも感じさせる。逆に言えば,このアルバムのコンセプトとの対極にあるようなのが"Actual Proof"って感じがするが,アルバムの中のアクセントと考えれば,これはこれでありだと思える。ただ,どうやってもHancockとは別の世界になってしまうのが彼ららしいところだが,それでもこの曲だけは「なんでやねん?」という突っ込みが入っても仕方があるまい。おそらくは,過去において,Wasilewskiトリオの面々に多大な影響を及ぼしたがゆえの選曲っていうのが実態だろう。こういう選曲をしてしまうところには,Brad Mehldauにも通じる部分があるように思える(贔屓の引き倒し?)。
最初の3曲は大スタンダードにDollar Brandのオリジナルをはさむというかたちで,その後に板橋のオリジナル4曲が配置されているが,このバランスがまずよい。冒頭の"Someday My Prince Will Come"のイントロを聞いただけでは,この曲だと認識することは難しいが,メロディ・ラインが現れて,それでつかみはOKという感じなのだ。更にDollar Brandの"Msunduza"がスピリチュアルな感覚と,山下洋輔的なフリーなアプローチを合体させてこれまたよい。続く"I Can't Get Started"はブルージーな感覚が素晴らしい。ここまででもいいのだが,板橋のオリジナル4曲に入って,これがまた更に痺れる出来である。
1stセット 1. Blues Walk 2. Like Someone in Love 3. Soultrane 4. You Stepped Out of My Dream 5. Take the D Train 6. 415 Central Park West 7. Oleo
2ndセット 1. I Want to Be Happy 2. Out of Nowhere 3. In a Sentimental Mood 4. Love for Sal 5. Bag's Groove 6. Impressions 7. I Remember You 8. Star Eyes
これらの曲の中で,Steveのオリジナルである"415 Central Park West"は,Steveが「音楽の師」と当日も呼んでいたElvin Jonesの旧住所から取られたタイトルだそうである。へぇ~って感じである。"Love for Sal"は「"Love for Sale"じゃねぇよ,"Love for Sal"だよ」なんて言っていたSteveであるが,Sal Nestico(よき友人だったと語っていた)に捧げられたナンバーというのが意外と言えば意外な気がした。どの演奏もなかなかよかったと思うが,そのうちでも印象深かったのは,当たり前によかった"Soultrane",更には「至上の愛」を引用した"Take the D Train",フレージングと音がマッチした"Out of Nowhere",そして,途中でややテンポを上げて演奏した"In a Sentimental Mood",そしてはまり過ぎの"Impressions"あたりだろうか。ほとんどの曲では座ったまま演奏していたSteveだが,熱くなると立ち上がるって感じだったかもしれない。"Impressions"はまさにそんな感じであった。
Recorded Live at Woodstock Music & Arts Festival on August 16, 1969
Personnel: Carlos Santana(g, vo, perc), Gregg Rolie(vo, key, perc), David Brown(b), Michael Shrieve(ds), Jose "Chepito" Areas (perc, tp), Mike Carabello(perc)
先日,Charlie HadenとHampton Hawesの共演盤について記事にしたところであるが,70年代のHampton Hawesって聞いたことがないなぁって思いつつ,ネットでHawesがRhodesを弾いているライブ盤があるという情報をゲットして,値段も手頃だったのでゲットしたアルバムである。現在,本作は,"Northern Window"と2 in 1のCDが外盤で入手可能であるが,単体では出ていないようである。ということで,私はその2 in 1からこちらの演奏だけを抽出してまずは聞いてみた。
本作は1973年のモントルーにおけるライブであるが,編成はコンベンショナルなピアノ・トリオであるが,HawesはピアノとRhodesの二刀流だが,Rhodesをメインに弾いているし,ベースのBob Cranshawはエレクトリック・ベースに徹している。なので,出てくる音は推して知るべしであるが,Charlie Hadenとの"As Long as There's Music"と同じピアニスト?と思わせるほど,違う個性のHawesのピアノが聞ける。まぁ,昔ながらの演奏をRhodesでやるとこんな感じにはなるかもしれないので,むしろこちらがHawesの本質と思わせる。
ということで,自戒の念を込めてちゃんと聞いてみた。収められている曲は多岐に渡るのだが,結構有名な曲ばかりであり,それが意外と言えば意外に思えるが,それでも何を歌っても,Patti Smithの世界に変えてしまうのが,この人の凄いところである。よく知られている曲と言っても,The Beatlesについては"Within You, Without You"を選んでしまうところが渋い。そして,Neil Youngは"Helpless",更にNirvanaの"Smells Like Teen Spirit"という盤石のチョイスと言ってよい曲に並んで,Tears for Fearsの"Everybody Wants to Rule the World"のようなちょっと意外な曲も入っているが,Patti Smithのライナーによれば,その歌詞の「政治的な響き」にシンパシーを感じたとのことである。ライナーをよくよく読んでいると,実に面白いので,このCDをお持ちの方は,是非お目通しを願いたいところである。
既に大御所となった歌手が,人気ミュージシャンを集めてデュエット・アルバムを作るっていう企画はFrank Sinatraが最初かなって気もするが,その後もLuciano Pavarottiやら,Tony BennettやらDionne Warwickやらと枚挙に暇がない。よって,同趣旨で作られた今回のSmokey Robinsonのアルバムも,企画としては安易と言われればその通りである。だが,約5年前に彼の最新作であろう"Time Flies When You're Having Fun"を激賞した私(記事はこちら)としては,彼の「現役感」を信じているので,今回も避けて通るわけには行かなかった。
それでもって,収められた曲はSmokey Robinsonの代表曲みたいなナンバーが並んでいる。そこにほぼ適材適所で配置されたゲストとの歌を嬉々として歌うSmokeyの姿が目に浮かぶようである。私としては冒頭の"The Tracks of My Tears"のElton Johnにはピンと来なくて,これは失敗だったかと思う(というか,Elton Johnはほかのゲストに比べると明らかにミスキャストと感じる)のだが,Steven Tylerが出てきて"Your Really Got a Hold on Me"をロック感たっぷりに歌うのを聞いて,軌道修正はOKである。
このアルバム,Smokeyははっきり言って,きっちりゲストを立てていて,Smokey & Friendsって言うより,Guest with Smokeyみたいな感じもするが,それがSmokey Robinsonの人柄ってことになるかもしれない。だが,いずれにしても,彼の名曲の数々を人気シンガーたちと歌っていれば,そもそもが曲の魅力が半端でない曲ばかりなのだから悪くなるはずはない。まぁ,全部が全部いいというわけでもないし,企画も安易ではあるが,結構楽しめてしまうアルバムではある。ちょっと甘いと思いつつ,星★★★★ぐらいにしてもよいだろう。
Personnel: Smokey Robinson(vo), Elton John(vo), Steven Tyler(vo), Miguel(vo), Aloe Blacc(vo), JC Chasez(vo), Jessie J(vo), John Legend(vo), Ceelo Green(vo), Mary J. Blige(vo), James Taylor(vo), Sheryl Crow(vo), Ledisi(vo), Gary Barlow(vo), John Mayer(g)
主人公はFrankie Valli & the Four Seasonsである。彼らのヒット曲はもちろん私も知っているが,彼らが成功を収めるまでにはこういうことがあったのかなんてのはこの映画で知った。Joe Pesciについても,へぇ~な世界である。もちろん,幾分かは映画的な演出も加えられているとは言え,彼らがグループとして世に出ていく姿を眺めているだけでも楽しい。主演のJohn Lloyd Youngはブロードウェイのオリジナル・キャストだったそうだが,まさにFrankie Valliのごとく歌っているのも素晴らしい。
そして,映画は様々なエピソードを交えて展開していくが,映画の後半での"Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)"を聞いて,音楽的な楽しみと感動はピークに達する。我々の世代はBoys Town Gang版のこの曲の方が馴染みがあるという気もするが,やはりオリジナルの素晴らしさとは違うものだったように思えてしまう。いい曲であり,ここでの歌を聞きながら,うるうる来てしまった私であった(我ながら単純だが...)。更に,Rock'n Roll Hall of Fameにおいて,Four Seasonsが再度集うシーンは,いかにもの演出ながら,ついつい微笑ましい気分でスクリーンを眺めていた私である。
本作はJohn SnyderのArtist Houseレーベルからリリースされたものであるが,元はと言えば,Horizonレーベルに吹き込まれた"The Golden Number"に収められた"Turnaround"と同一のセッションと,それとは別のセッションの模様を収めたものである。よって,このCDにはその"Turnaround"のほか,別テイク3曲の計4曲がボーナス・トラックとして収録されている。ダウンロード音源にもこれらの別テイクは含まれているので,フィジカルなコピーにこだわらないのであれば,ダウンロードで全然問題ない。
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