長年音楽を聞いていても,縁のなかったGary Burtonの"Duster"
"Duster" The Gary Burton Quartet (RCA)
お題の通りである。このアルバムは,私がジャズを聞き始めた頃には,既に廉価盤で出ていたような気がする。初出は1967年ぐらいだから,70年代後半にはリリースから10年以上経過していたことになる。だが,不思議なもので,今の今まで,このアルバムを聞いたことがなかったのだが,昨今の廉価盤ラッシュの中で,ようやくゲットした1枚である。
ではなぜ,このアルバムを聞くのを躊躇してきたのか?この作品に限らず,BurtonとLarry Coryellの共演作は何かと言えば,Larry Coryellのロック・タッチのギターが大きく取り上げられていたように思えるのだが,その辺りに若干の抵抗があったのかもしれないが,今の耳で聞けば,これのどこがロック的なのか,私には全く理解できないと思えるほど,ごくごく普通のジャズに聞こえてしまう。それが長い年月の中で,様々な音楽が出てきたことのメリットであるようにも思えるが,いずれにしても,私にはロック的な要素はほとんど感じられないというのが正直な感想ではあるが,音楽そのものは誰がどう聞いてもGary Burtonだよなっていうことは間違いのない事実である。Burtonのスタイルは60年代から確立していたことを強く感じさせる。
それにしても,帯にも書いてあるが,「チョーキングやフィードバック奏法を駆使した」なんてことが,ロック的だと思われること自体に時代を感じざるをえない。もちろん,それまでのジャズの奏法としてはそうしたギター・サウンドってのはなかったかもしれないが,それを導入するだけで大騒ぎされること自体が,もはやありえないことなのだ。今の耳からすれば,現在はエレクトリック専門のSteve Swallowがアコースティック・ベースを弾いていることの方が新鮮に響くと言っては言い過ぎか。
だからと言って,この作品が悪いものとは全然思っていなくて,これが実によく出来たアルバムであり,リリカルな部分と,スリリングな部分をいい塩梅に融合させたものだと思えた。いずれにしても,リリースされてから50年近く経つ本作をこれまで聞いたことがなかったっていうのはやっぱりまずかったかなぁなんて思った私である。反省も込めて星★★★★☆。
Recorded in April, 1967
Personnel: Gary Burton(vib), Larry Coryell(g), Steve Swallow(b), Roy Haynes(ds)
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仰せのとおり、1970年代末にRCAの廉価盤で買いました。あとカーラブレイ編曲の葬送ってタイトルのと。ダスターのほうが良く聴きます。
60年代後半のバートンって確か実験的(というかカントリーとかロックへのアプローチ)なアルバムがあって、手を出し辛いのですが、ダスターは今となればリリカルな名盤ですよね。
投稿: ken | 2014年10月20日 (月) 00時55分
kenさん,こんばんは。TBありがとうございます。
気になっていても縁がなかったというのが本作ですねぇ。でも,今回初めて聞いてみて,今でも十分いけているというのが大したものだと思いました。それがGary Burtonの優れたところなんだと思いますが,魅力は昔から相当なもんだったってことを痛感させられました。
追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年10月21日 (火) 00時15分
Kenさん、音楽狂さん♪もう一枚追加させてくださいね! 発売当初ジャズ評論家から悪評を得たアルバム。GARY BURTON& KEITH JARRETT このアルバムもジャケットからしても時代を象徴する一枚ではないでしょうか?
私はATlANTICレーベル好きですよ~
投稿: シマチャン | 2014年10月22日 (水) 20時12分
シマチャンさん,こんばんは。
存在は知っていても,そちらも縁のないままになっていますねぇ。私はこれまでがGary Burtonと言えばECM作からみたいな人間でしたから,そちらまでは手が回っていませんでした。
でも,興味深い組合せではありますね。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年10月22日 (水) 21時36分
こんばんは。
このアルバムは、やはり国内盤になった’04年に購入したもので、それまで(それ以降も)あまり’60-70年代のゲイリー・バートンは追いかけてなかったでした。でも、買ったときの印象は、やはりラリー・コリエルが入っている割には、思ったよりジャズ的だったなあ、と思います。当時としてはギターが斬新だったのでしょうが、今(その時)聴くと、そうでもなかったような。アルバムとしてはけっこう好みの方ではありますね。
当方のブログアドレスは下記の通りです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2022/12/post-878744.html
投稿: 910 | 2022年12月10日 (土) 18時35分
910さん,こんばんは。リンクありがとうございます。
>このアルバムは、やはり国内盤になった’04年
アナログではかなり早く廉価盤で出ていたのも懐かしいですね。
>買ったときの印象は、やはりラリー・コリエルが入っている割には、思ったよりジャズ的だったなあ、と思います。
はい。ロック的要素は希薄ですよね。
>当時としてはギターが斬新だったのでしょうが、今(その時)聴くと、そうでもなかったような。
おっしゃる通りですね。時代もあるんでしょうが,今となってはそんなに突出はしてないですね。でもいいアルバムだと思います。
投稿: 中年音楽狂 | 2022年12月10日 (土) 20時35分