Brian Enoが描く「宇宙」。はまり過ぎである。
"Apollo: Atmospheres & Soundtracks" Brian Eno(Virgin)
Brian Enoという人は正直言って掴みどころのない人である。私の中では"801 Live"やRoxy Musicのロック的なイメージと,アンビエント・ミュージックを推進するイメージが両極化していて,どっちもEnoだってのはわかっていても,よくもまぁこれだけ違う音楽ができるもんだと常々感心している。その一方で,U2やTalking Headsをプロデュースするとロックになっちゃうしねぇ。いずれにしても尖った人である。
そんなEnoによるアンビエント・ミュージックについては,私も何枚か持っていて,昔はこれってどういう人が聞くのか?なんて思っていたのだが,人間変われば変わるものである。まぁ,Tangerine Dreamも似たような感じって話もあるが,身体がこういう音楽を欲する時もあるのだと最近感じる私である。
ここでの音楽は,ある意味「宇宙という静寂空間」そのものだって気もする。この音楽が使われた映画そのものは未見なので何とも言えないが,いかにもって感じの音楽であり,これはまさにぴったりって感じであることに疑問の余地はない。逆に言えば,これって音楽なのか?って声も聞こえてきそうだが,「静寂」を表現するにはこうでなければならなかったっていう気がする。ところが,8曲目の"Silver Morning"から音像が一転し,アンビエント的な要素が一旦希薄化するのだが,これはどういうシーンでこの音楽が使われたのかを理解する必要があるように思える。これはいいか悪いかというよりも,合っているか合っていないかっていう問題のように私には思えるからである。LPで言えばA面に収められていた音楽が,「宇宙の静寂」を示す無機的な感覚が強いのに対し,"Silver Morning"から"Always Returning"までの流れは,ヒューマンな感覚が強まっていることには何らかの意味があったはずである。そういう意味で,私はそれらの曲は,アンビエントというより,ヒーリング・ミュージック的なところを感じたというのが正直なところである。
では私はこの音楽をどう評価するかと言えば,これは鑑賞音楽としてはう~むとなってしまうかもしれないが,バックエンドで流れていれば,これっていいのではないかと思える,そういう音楽である。つまり,音楽を意識しなくていいという観点では,それこそアンビエント・ミュージックなのだということで,私はBrian Enoの狙った通りの反応を示しているのかもなぁって気がする。このアルバムに星を付けることにどれほどの意味があるか全くわからないが,私は結構好きとだけ言っておこう(笑)。
尚,私のブログにはこの音楽にフィットするカテゴリーがないので,「現代音楽」としておくが,全然難解ではないので,念のため。
Musicians: Brian Eno, Roger Eno & Daniel Lanois
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