90年代,Andy Summersはフュージョンであった。
"Charming Snakes" Andy Summers(Private Music)
このアルバムがリリースされたのは1990年か91年のはずだが,私はその頃在米中の身であった。このアルバムも何の気なしに買ったのだが,PoliceのAndy Summersが全編インストで演奏し,完全にフュージョン化しているのには驚いたものである。かつ,このアルバム,メンツが結構豪華なのだ。以前,このブログで取り上げたことのある"World Gone Strange"と同様(記事はこちら)である。
だが,これが一般に受けたかというと必ずしもそうではなかったように思う。このアルバムのリリース後,Andy Summersは自身のバンドとMichael Brecker Bandのダブル・ビルでNYCのタウン・ホールに出たのだが,第一部がBreckerのバンド,第二部がAndy Summersのバンドという順番で出ていた。演奏していたのはこのアルバムからの曲が多かったはずである。しかし,Summersのバンドが演奏をしている途中で,実はかなりの数の聴衆が席を立ってしまったのである。それは彼らがひどい演奏をしたというわけではなく,BreckerのファンにとってはSummersの演奏なんて関心の対象外だったということなのかもしれないが,私は席でそうした聴衆の反応を見ていて,Summersが可哀想になってしまった記憶がある。多くのジャズ寄りの聴衆はおそらくAndy Summersはロックの人だという意識が強かったのではないか。だが,ここで聞かれるような,ややハード目のフュージョンが悪かったとは決して思っていなかった私である。
そんな記憶もある私だが,このアルバムを聞くのは実は久しぶりで,メンツも記憶から飛んでいた(笑)。でも真面目にフュージョンに取り組むAndy Summersの演奏は結構レベルが高いと思うのだが。でもやっぱりパブリック・イメージとしてはPoliceのAndy Summersだから仕方なかったのかなぁとも思える。だが,彼の名誉のために言っておけば,Michael Breckerは私があまり評価していない"Now You See It, Now You Don't"期のライブだったので,どちらかと言えば私はSummersバンドの方が好きだったかなぁ。でももう20年以上前なので,記憶が曖昧である。とにかく,第2部で客がどんどん帰ったことだけは鮮明に覚えているが...。
Mark Ishamの参加は意外な気もするが,サウンド的にはここでの音楽にフィットしていて,相性はいいと思える。今となってはこのアルバムもマイナーなものになってしまったかもしれないが,無視されるには惜しいアルバムだと思う。星★★★★。メンツではChad Wackermanがここでもいい仕事ぶりを示している。
Personnel: Andy Summers(g, banjo), Doug Lunn(b), Darryl Jones(b), Sting(b), Chad Wackerman(ds), Brian Auger(key), David Hentschel(key), Herbie Hancock(p, key), Ed Mann(perc), Bill Evans(ts, ss), Mark Isham(tp)
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