Coltrane Quartetへのなり切りぶりが楽しいChristian Vander盤
"Au Sunset" Christian Vander Quartet (Seventh Records)
毎度おなじみ新橋のテナーの聖地,Bar D2で聞かせて頂いて,購入に走ったアルバムである。このアルバムをリリースしているSeventh Recordsは何と言ってもSteve Grossman入りのSimon Goubertの"Haiti"(そちらに関する記事はこちら)が印象深いレーベルだが,ほかにも面白いアルバムがあるってことを認識させれらるのが,テナーの聖地のテナーの聖地たる所以である。
このアルバムは,Christian Vander Quartetによる完全なJohn Coltraneへのオマージュなわけだが,全5曲中4曲はColtraneのオリジナル。そして,黄金のクァルテットになり切った彼らの演奏ぶりが,ここまで行くと爽快である。全員がColtrane,McCoy,Garrison,そしてElvinになり切って,よくぞここまでという感じの演奏を展開している。最初はギャグかと思っていたのだが,真剣も真剣,真面目になり切っているところが楽しいのである。こういうアルバムに自力で到達することはまず無理だと言ってよいが,Bar D2を訪れていればこそってところである。
ここでの演奏を「真似じゃん」というのはたやすいが,ここまでやるのはなかなかできることではないと思えるのである。ここまで来ればリスペクトだよねぇ。ってことで,John Coltraneファンの皆さんは騙されたと思って聞いてみて下さい。楽しむか,怒るかは皆さんのご判断ってことで。私は星★★★★☆にしちゃうが(笑)。
尚,本作はSeventh Recordsのサイトで€8で,日本でもAmazonやiTunesでダウンロードできるが,CDも中古であればそんなに難しくなく入手可能であろう。いずれにしても,熱いねぇ。
Recorded Live at Sunset in Paris on January 7, 8 & 9, 1999
Personnel: Christian Vander(ds), Yannick Rieu(ts), Emmanuel Borghi(p), Emmanuel Grimonprez(b)
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