Thomas Enhco@Cotton Club参戦記
ブログ界では取り上げていらっしゃる方も多々あるThomas Enhcoであるが,私はこれまで彼の音楽とは全く縁のない生活を送ってきた。だって知らないんだもん,と言っていればよかったのだが,今回,会社の同僚からの誘いに乗って,コットンクラブで彼のソロ・ライブを見てきた。
結論から言えば,実力のある人である。特に速いリズムの中で繰り出すパッセージはかなり魅力的と言ってよく,その一方で,バラッド表現は欧州的な美的フレーズを炸裂させると言えばいいように思える。こういう演奏をする人であり,かつ彼のルックスを踏まえれば,コットンクラブに集まった聴衆が♀3に対し,♂1というのもまぁむべなるかなって感じである。かつ,演奏が終わった後のサイン会における彼の対応はすこぶるナイスなものであったので,これは女性ファンがつくのも当たり前って気がする。
だが,今回の演奏を聞いていて,手放しでは褒められないと感じたのも事実である。2曲目に演奏した"It Ain't Necessarily So"がダメな方の代表的な演奏である。かなりテンポを落としての演奏がチャレンジングであることは事実だが,私はこの演奏を聞いている時は,何とも頭でっかちで全然面白くないと感じていたのである。また,ピアノの弦をはじいて,フリー的なアプローチで始めながら,アイディアが枯渇したのか,いきなり"Someday My Prince Will Come"に変化し,そこに「愛の賛歌」を交えるという,ハードなジャズ・ファンからすれば苦笑せざるをえない展開にも,まだまだこの人の限界を感じた私である。
演奏終了後のサイン会において,私は彼とちょっと話して,「君は速いテンポの曲の方が魅力的に聞こえるぜ」と本音トークを炸裂させた私だが,そこでの彼の切り返しが,「じゃあ,アンコールの曲はどうよ?」ってものだった。アンコールで演奏した曲は,Enhcoの「遠距離恋愛」体験に基づく曲らしいのだが,それはそれで美しい演奏だったので,「おぉっ,あれはよかったぜい」と言っておいた。
だが,まだまだ若いねぇと思わせたのも事実は事実であり,伸びしろは感じさせながら,まだ未完の大器って感じを残していたのは何とも初々しい。そして,このルックス(岡田将生かっ~?)では,ライブ会場に老若女々(笑)が揃うのも当然かと思わせる。だが,ルックスだけではなく,ちゃんと実力も備えたミュージシャンであったことは間違いない。私は会場でJohn Patitucci,Jack DeJohnetteとの共演盤を買おうと思ったのだが,既に売り切れていたので,その前のリリースの"Fireflies"を仕入れてきたが,一体どんな演奏をしているのか非常に興味深い。そのうち記事をアップすることにしよう。
繰り返しになるが,彼は25歳そこそこという年齢なので,これからの成長に期待するというのが正しい接し方とは思うが,ピアノを弾く姿勢のよさからしても,育ちのよさは間違いないところである。その彼ば今後どう化けるのか。きっと今後,急速な成長を示してくれるものと思わされたライブであった。いずれにしても,今回が日本ツアーの最終公演だということで,セカンド・セットはアンコール込みで90分を越え,大いに得した気分の私であるが,でもやっぱり彼は速い曲の方が魅力的に響いたと思う。
































































































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