Cécile McLorin Salvantって誰なんだっけ?の巻
"Woman Child" Cécile McLorin Salvant (Mack Avenue)
私はジャズ・ヴォーカルへの興味が薄いので,DownBeat最新号の国際批評家投票で,Cécile McLorin Salvantが"Jazz Album of the Year"はじめ4冠に輝いたのを見て,それって誰よ?って思ってしまったのだが,ここまで評価されるには何らかの理由があるに違いないということで,その「今年の1枚」に選ばれたアルバムを購入してみた。
調べてみれば,Cécile McLorin Salvantは2010年のMonk Competitionで1位になっている人だったのだが,上述の通り,私はヴォーカルへの関心があまりない人間であるから,全然レーダー・スクリーンに引っ掛かってこなかった。だが,このアルバムを聞いて,なるほど,これは実力はあるなぁと思わせる歌唱ぶりである。とにかく,歌い方が丁寧で,ジャズ・ヴォーカルにありがちなギミックに走らないところに好感が持てる。冒頭の"St. Louis Gal"はギター1本をバックにブルージーに歌われるのだが,多くのリスナーがこの1曲で相当注目度が上がったはずである。
この人,もともとフロリダ出身らしいが,お父さんがハイチ人,お母さんがフランス人という血筋で,その後フランスに移住している。今はどうかわからないが,アメリカに居を移したという情報は得ていない。こうした出自の彼女が,こうしたブルージーな感覚を聞かせるところは評価を上げる要因だとは思うが,これが本当に"Jazz Album of the Year"なのかというと,それは若干微妙である。もちろん,よく出来たアルバムではあるが,No.1とするならば,ほかにも選択肢がありそうである。もちろん,DownBeatの評者の特性もあってのことだと思うが,面白いと思えるチョイスであった。
その一方で,このアルバムが高く評価されたのは,彼女本人の非凡な実力もあるが,適切な伴奏陣の演奏ぶりにもあったと思える。これが単なる伴奏というよりも,インストとして聞いてもいけているのである。即ち,歌唱,演奏含めて非常にジャズ的に感じさせるところがこのアルバムのいいところである。こういう情報に疎いところに,自分の了見の狭さを感じるが,それでもこれは今後も注目していい歌手だと思える。星★★★★☆。
尚,余談だが,彼女は昨年Cotton Clubでライブをやっていたのねぇ。そう言えば告知を見たような気がしたが,当時,私が興味を持つわけもなく,ちょっと惜しいことをしたような気もするが,まぁ日頃ヴォーカルを聞いていないんだから仕方ないや(苦笑)。
Personnel: Cécile McLorin Salvant(vo, p), Aaron Diel(p), Rodney Whitaker(b), Herlin Riley(ds), James Chvullo(g, banjo)
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