久々にGetz / Gilbertoを聞いた。
"Getz / Gilberto (Expanded Edition)" Stan Getz and Joan Gilberto (Verve)
私はこのアルバムのLPは長年保有しているが,最近,LPを聞く機会は非常に減っているので,このアルバムも随分長い間聞いていなかったが,今回,リリース50周年に合わせたであろうExpanded EditionがCDでリリースされたので,購入である。今回のExpanded Editionはステレオ版とモノ版を同時に収録し,シングル仕様の2曲も加えたバージョンとなっている。モノ版のCD化は初めてのことだそうである。
私が長年聞いていたのはステレオ版であるから,今回はモノ版を聞いてみた。随分感じが違うようにも感じた(特に音圧が相当違うように思える)が,私が聞いているのはPC環境であるから,音がどうのこうのというのは全くもって不適切なので,音楽の話に徹しよう。ブラジル音楽好きからすると,このアルバムには違和感を覚えるらしいのだが,私としてはまぁいいんじゃないの?って感じである。Getzの音圧がちょっと高いことによる違和感もあれば,ボサノバの感覚とはちょっと異なるフレージングもそうだと言われれば,そうだと思わないこともないが,これは小難しいことを言うよりも,単純に心地よい音楽を楽しめばいいのではないかと思える。
まぁ,Stan Getzにとってはボサノバだろうがなんだろうが,曲はあくまで素材に過ぎず,そこにどうアドリブを乗せるかという点が重要なわけで,Getzがブラジル音楽の本質を理解して吹いているかどうかなんて,彼には問題とならなかったと思える。そう思って聞けば,これはクォリティの高いブラジル風味のジャズである。しかし,結果的にこのアルバムが売れたことにより,ボサノバという音楽はより多くの人に知られることになったし,その結果,ブラジル音楽への理解も進んだということを考えれば,決して悪いものだったとは思えない。
元来がStan Getz好きの私なので,ここでの演奏も好きである。だからと言って,これがStan Getzの最高傑作だと言うつもりはない。だが,時代の流れを捉えた(というか,売れるものに対する嗅覚が鋭いGetzならではの)アルバムとして,ポップ・チャートの2位まで上がってしまったのだから,時流には適っていたのである。そして,多くの一般大衆にブラジル音楽の魅力を広めたという点で評価しなければならないと思う。それにしても,何たるくつろぎ,何たるリラクゼーションって感じである。そして,この名曲の数々を前にすれば,小難しいことは言っても無意味であって,星★★★★★以外の評価はない(きっぱり)。いいものはいつまで経ってもいいという証しである。こういうのをエヴァーグリーンというのだ。
尚,ライナーにはこのアルバムを録音順に聞くならばということで,並べ替えの順番が書いてある。プログラムしてまで録音順に聞き直す人がいるかはわからないが,ご参考までにオリジナルLPに収められた曲を6-1-8-4-5-3-2-7と並べ替えれば録音順になるそうである。
Recorded on March 18 & 19, 1963
Personnel: Stan Getz(ts), Joao Gilberto(g, vo), Antonio Carlos Jobim(p), Sebastiao Neto(b), Milton Banana(ds), Astrud Gilberto(vo)
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コメント
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今晩は!
録音した順番が分かっているんですね!おもしろいですね
投稿: takeot | 2014年6月 9日 (月) 20時59分
takeotさん,こんばんは。
実際の録音順かははっきりしないらしいんですが,テープのマトリクス順がこうなっているらしいので,録音順もそうだろうと判断しているようです。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年6月10日 (火) 01時02分