濃いメンツを揃えたDavid Binneyの変態ファンク・アルバム
"Anacapa" David Binney(Criss Cross)
David Binneyという人は神出鬼没と言ってもいい活動ぶりで,いろんな人のいろんなアルバムにも客演しているし,自分のアルバムも結構な枚数をリリースしているはずである。この人のアルバムは,私もWayne Krantzの参加ゆえにアルバムも何枚か買っているのだが,この人の場合,あまり自分自身に華がないって感じのところが,どうにも印象を弱めている気がしてならない。そんなBinneyがCriss Crossからアルバムを出すってのは,以前の"Aliso"でも同じだったのだが,またまた同じようなメンツを集めてのCriss Crossからのアルバム・リリースである。
David Binneyには申し訳ないが,今回も私の購入動機はWayne Krantzの参加だったのだが,今回はファンク度がかなり高くて,今までのBinneyのアルバムよりはずっと楽しんでしまった私である。まぁ,この人のアルバムとなると,KrantzやらJohn Escreet等のメンツが集まってくるので,似たような感覚の音が増えるのは仕方がないが,それでもここまでファンク度が高かったことはないようにも思える。全部が全部,ファンク度が高いわけではないが,変態変拍子ながら,ビートもしっかりしていて,ファンク/フュージョン系のアルバムが好みのリスナーでも受け容れやすいかもしれない。タイトル・トラックはファンク度薄めにスタートしながら,ロック的なアプローチが強まっていく劇的展開を示し,今までのBinneyなら地味なまま終わっていたのではないかという曲でも,聞き手の高揚感を維持してくれる仕掛けを提供していて,これはやはりなかなかいいと思う。
ただ,曲の魅力という点では,Binneyの書く曲はどれを聞いても同じように聞こえてしまうのは,本作もこれまで同様なのだが,それでも演奏の感覚がいつもよりいい作品に聞こえさせているような気がする。ということで,私はいつも彼の作品には星★★★☆とするのが常だが,これなら星★★★★だ。って,それぐらい微妙な違いって話もあるが(笑)...。まぁ,でもこれは結構好きだなぁ。しかし,これほどわけのわからない感覚も強い変態アルバムを1日で録音してしまうってのは,ある意味凄い面々である。
Recorded on February 13, 2014
Personnel: David Binney(as, ts, ss, vo, synth, b), Wayne Krantz(g), Adam Rogers(g), John Escreet(p, rhodes), Matt Brewer(el-b). Obed Calvaire(ds), Dan Weiss(ds, tabla), Sergio Krakowski(pandeiro), Louis Cole(vo), Nina Geiger(vo)
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Criss Crossからこういうサウンドのアルバムが出ることは異色だと思うのですが、前作ですでにその兆候はだいぶあったので、驚くことではないかもしれません。個人的には好きな方のサウンドのアルバムではありますが。
ライナーをよく読めば、誰のソロとか書いてありますが、クレジットに何曲目参加、とか、書いてあればもっと良かったかな、とも思います。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2014年7月 1日 (火) 06時24分
910さん,こんばんは。TBありがとうございます。
今回はライナーをちゃんと読んでいませんが,クレジットはもう少し親切に書いてもいいですよね。それにしても,変態サウンドというか,今のNYCらしい音の一つなのかもしれませんね。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年7月 1日 (火) 20時30分