中山康樹の本としてはましだった「キース・ジャレットを聴け!」
私は中山康樹の著作物はそこそこ読んでいるが,正直言って真っ当だと思ったのは「マイルスを聴け!」であって,その他の著作物や対談の類には,どうも納得がいかなかったり,首肯できない部分が多い。Keith関係で言えば,私は未読だが,「キース・ジャレットの頭のなか」という本を昨年暮れに出したばかりで,あたかもキースの来日に合わせるがごとく,またも新刊か?と言いたくなるような濫作ぶりである。だが,まぁKeithの来日も近いし,まぁいいかってことで,まんまと相手の術中にはまってしまったが,この本は比較的まともな出来だと思った。
なぜそう思うかと言えば,昨今の「スタンダーズ・トリオ」の作品にマンネリ感を感じ,一部の作品を酷評した私の考えにこの本の内容が合致している部分もあるし,近年のソロ・ライブについての考え方も概ね同様であることが大きかったように思う。であるならば,私と論調が合えば真っ当で,そうでなければダメと言っているようで,極めて不遜に聞こえるかもしれないが,そういう部分もないとは言わずとも,やはり首肯できる部分があるかないか(多いか少ないか)というのは,評価する上での一つの判断材料になってくるのは仕方がないと思う。相変わらずの極論も見受けられるが,私はこの本に書かれていることをニヤニヤしながらながめていたのも事実である。一番笑えたのはKeith JarrettとGarth Hudsonの関係性の記述かもしれない。
だが,論評対象からクラシックの作品を排除したというのは,「聴け!」というにはやはり不十分であり,一般的なクラシックのピアニストと違うKeithのアプローチについても論評すべきではなかったかと思う。裏を返せば,中山がクラシック音楽に関して論評を敢えて避けた(論評するだけのネタや比較対象がない?)とも言えるわけで,その辺りには中途半端さを感じる。そうは言いながら,多くのKeithのリスナーがジャズ側の人だとすれば,それもまぁ仕方がないかなぁなんて思うが,それでも,ショスタコービッチの演奏のよさや,八ヶ岳で録音された「ゴールドベルク変奏曲」におけるチェンバロの響きについてもカヴァーするべきだったと思えるのだ。
ということで,私個人としては中途半端さはぬぐえないが,中山の著作としてはまだましな方ということで,星★★★☆ぐらいにしておこう。
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こんばんは〜
わたし、この本 本屋さんで ざっと立ち読みしました。
アルバムのライナーみたいで読みやすかったです。
キースのアルバムを揃えようかなぁと思っている キース初心者!? 入門!?には良さそうですね♪
たくさん聴いてきた方には ちょっと物足りない感じがするかなぁ とも思います。
立ち読みだけで、買っていないのですが(^^;)
投稿: Marlin | 2014年5月13日 (火) 18時06分
Marlinさん,こんばんは。立ち読みにはいいですねぇ,確かに。
しかし,これからKeithのアルバムを集めようという人が中山康樹の考え方に必ずしも賛同するとは思えません。むしろ,初心者の方は彼の意見よりも,一般的な意見を重視した方がいいように思いますよ。
ただ,言っていることは必ずしも間違ってはいないので,そうした点についての審美眼があるといいんですけど。でもそれはちょっと難しいかなぁ。
私としては彼が言っていることを鵜呑みにする前に,まずは聞いてみるということが重要ではないかと思います。
ちょっと理屈っぽいですね(笑)。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年5月13日 (火) 21時47分