これは素晴らしい。ECMファンならずとも必聴のJacob Youngの新作
"Forever Young" Jacob Young (ECM)
今年も優れたアルバムを連発しているECMであるが,その中でもリリースがアナウンスされた段階で,期待値がMAXになっていた作品である。Jacob YoungはこれまでのECMの2作もよかったし,東京TUCでのライブもよかった(その頃は最近のようにまめにライブに行っておらず,レポもしてなかったが...)。彼の3作目というだけでも相応の期待ができるのは当然なのだが,何と言っても,今回の目玉はバックにMarcin Wasilewskiがトリオで客演していることである。そして加わる管が自身もECMにアルバムを持つTrygve Seimである。これは期待するなと言う方が無理である。
そして,冒頭の"I Lost to My Heart to You"のWasilewskiによるイントロが流れてきた段階で,私は完全OKモードであった。その後に続く演奏も,これぞECMの音だよねぇって感じの音楽であり,これは満足度が高い。このメンツならば,もっと静謐な音楽になる可能性もあったように思えるが,そこはかとないフォーク・タッチやエキゾチックなメロディ・ラインも聞かせていて,これはトータルに見てもポイントが高い。また,そこかしこに昔のPat Metheny的な部分も顔をのぞかせているように思えるのは,一部に感じられる牧歌的なサウンドゆえかもしれない。最後に収められた"My Brother"に"Travels"の残り香のようなものを感じるのは私だけだろうか?いずれにしても,ノルウェイ~ポーランドの混成軍にしては,凛とした清冽さというよりも,ヒューマンな暖かみさえ感じさせる音楽となっているのは意外ではあるが,この手の音楽を好きなリスナーにとっては何の問題もない。
70年代のECMであれば,混成軍や異種格闘技(ECMには不釣り合いな表現だ...)のような組み合わせの妙もあったように思えるが,最近はそうした作品が少なくなっているだけに,ここでは久々のそうした「想定外」のコンビネーションによる優れた音楽を楽しみたい。派手派手しさや賑々しさとは無縁だが,落ち着いた環境で,ゆったりと楽しみたいアルバムである。星★★★★☆。これは好きだなぁ。ECMファンであろうがなかろうが,きっと楽しめる(きっぱり)。
Recorded in August, 2013
Personnel: Jacob Young(g), Trygve Seim(ts, ss), Marcin Wasilewski(p), Slawomir Kurkiewicz(b), Michal Miskiewicz(ds)
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こんにちは~
いいのか悪いのか、Claudioのアルバムが入荷待ちになってしまったので、別のCDに変更しようと思っていたところ、聴きたいものが いくつかみなさまの記事にアップされたので、どれにしようか悩みました(笑)
(火)(水)に注文するとお得なので、あさってまで気が変わらなかったら、ぽちっとします♪
投稿: Marlin | 2014年5月 5日 (月) 15時36分
Marlinさん,こんにちは。Claudioって誰かと思いましたが,Claudio Filippiniのことですね(笑)。
私も全部聞いているわけではないので,これが絶対とは言えませんが,私の感覚で申し上げれば,間違いありません(改めてきっぱり)。試聴できればそれに越したことはないですが...。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年5月 5日 (月) 16時57分
出だしから曲ごとに変わっていく感じで、聴きながらCDコメントの書き換えの連続だったので、自分のでき上がりを見るとちょっとグダグダになってしまいました。が、アルバムは良かったです。振り返ってみると1枚アルバムを聴いたなあ、という満足感もありましたし。
中盤以降盛り上がるようなソロの場面がECMにしては多めだったし、メロディも強い感じだし、一般にも受けそうな感じのアルバムですね。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2014年5月 8日 (木) 17時14分
910さん,こんばんは。TBありがとうございます。
私はJacob Youngも信頼していますが,今回は何よりもMarcin Wasilewskiがポイントとなっていました。彼らにしては,想像以上に暖かみのある演奏だったなぁと思っています。
私にとっては無条件にOKと言いたくなるような演奏でした。ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年5月 8日 (木) 20時32分
閣下、、
とらば ありがとうございました。
お返しが大変遅くなってすみません。
これは、ええでよね。
とてもメロディアスで、暖かな柔らかな色彩を持ちながら、、
やはり、ECMの作品の特徴でもある心の奥に響くアルバムでもあるとおもいます。そして、わたしもヤングのファンでありながら、マルチンの演奏を楽しみにしておりました。さすがって感じでした。
ヤングは確かお父さんだかがアメリカの方だった気がします。
って、Enrico Pieranunziも さっさとどうにかしたいなっ。
投稿: Suzuck | 2014年5月13日 (火) 23時26分
Suzuckさん,こんばんは。TBありがとうございます。
ECM系,欧州系のサウンドが好きならば誰もが気に入ってしまう感じなんでしょうねぇ。確かにJacob Youngって名前はノルウェイっぽくはないですね。どう見たってジェイコブ・ヤングです(笑)。
Enricoもお早くどうぞ。お待ちしてます~。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年5月16日 (金) 00時19分
こんにちは〜
強く(笑)おすすめしてくださりありがとうございました!
ヤコブ・ヤングもマルチンも初聴きでしたし、ジャケットのちょっと暗いイメージもあり、ど〜かなぁ〜 と思っていましたが、とても美しいアルバムでした。
1曲目が特に好きです♪
閣下の書いているように 派手さはないですが、末長く愛聴できるアルバムだと思います。
トラバ代わりにURL貼らせてください♪
http://blog.goo.ne.jp/tm-0117/e/9ceb196394fbacd24faafbe121ac1c72
投稿: Marlin | 2014年5月19日 (月) 10時26分
Marlinさん,リンクありがとうございます。きっとお気に召すとは思ってはいましたが,よかったです。
おっしゃる通り,末永く付き合える雰囲気を持った好アルバムだと思います。だからECM好きはやめられないってことで。
追って,こちらからTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年5月19日 (月) 21時52分