私としては微妙な出来だったSeamus Blake~Chris Cheek盤
"Reeds Ramble" Seamus Blake & Chris Cheek(Criss Cross)
Seamus BlakeとChris Cheekと言えば,Bloomdaddiesを名乗って,変態ファンク的な演奏をしており,今回,このアルバムのリリースがアナウンスされた時も,結構激しくやるのではないかという期待のもとに購入した私であったが,冒頭のChico Buarque作"Na Carreira"を聞いただけでずっこけた。Bloomdaddiesと違い過ぎるではないか。私はSeamus Blakeのサイトで,CDリリースがされていないBloomdaddiesの"Racer X"をダウンロードして聞いていただけにそのギャップが大き過ぎるのである。
思うに,最近,私はSeamus Blakeの演奏に魅力を感じられなくなっているということも事実である。メンツ的には結構魅力的なOpus 5での演奏も大して面白くないし,Rodney GreenのSmallsでのライブ盤にも書いたとおり,「以前のSeamusのような熱い感覚があまりない」のである。Seamus Blakeはまだ43歳である。まさに脂の乗る年齢と言ってよいはずだが,最近はどうも私に訴求して来なくなってしまった。
そういう思いもありながら,まだSeamusには期待できると思っている身としては,実はこのアルバムには大いに期待していたのである。ジャケもいい感じだし,ピアノはBad PlusのEthan Iversonである。私としてはもっとガンガンやった演奏をと願っていたのだが,それは冒頭から正直なところ裏切られたと言ってよい。いつまで経ってもブリブリやってりゃい言ってもんでもないという考え方もあるだろうが,やはりリスナーの持つ(勝手な)イメージというものから乖離していくと,それがミュージシャンとしてのやり方,あるいは生き方だとしても,リスナーは追い掛ける気をなくすと言ってもよいはずだ。
もちろん,Seamusにしても,Chris Cheekにしても,ソロのフレージングには彼らの個性を示しつつ,優れた演奏を聞かせている部分もあるとは思う。特にブルージーな展開でのソロはいいと思う。だが,どうなのだろうか?ソロはそれぞれに聴きどころはあっても,彼らの演奏が全体としてこのレベルに留まっていいとは思えないし,もう少し突き抜けた感覚がないと,こちらとしても高揚感に欠けてしまい,全編を聞き通すのに難儀してしまうのである。極論すれば,この程度の演奏を聞かされるぐらいなら,私はGene AmmonsとSonny Stittのバトルを聞いている方がずっと楽しめる。
いずれにしても,私はSeamus BlakeとChris Cheekに静かな対話なんて期待していないので,この作品についても当然辛口に評価せざるを得ない。星★★。彼らの名誉のために言っておけば,ソロはそこそこいけているのだが,全体的なプロダクションが気に入らない。これはレーベルのオーナー,プロデューサーのGerry Teekensの限界という気がしないでもないが,昨今のように確率50%以上で裏切られるようでは,もうSeamus Blake参加だからと言って,アルバムを買うことはないときっぱり宣言させてもらう。本当にがっかりである。なんだか可愛さ余って憎さ百倍って感じになってしまった。
Recorded on April 4, 2013
Personnel: Seamus Blake(ts), Chris Cheek(ts, ss), Ethan Iverson(p), Matt Penmann(b), Jochen Rueckert(ds)
































































































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