Zlatko Kaucic:メランコリックなものとフリーの共存
"December Soul" Zlatko Kaucic (Not Two)
ブログのお知り合いのmonakaさんが取り上げられていて,気になっていたアルバムを入手してきた。Not Twoというレーベルはポーランドの会社らしいが,本作のリーダーはスロヴェニア,それを支える二人はイタリアからというある意味不思議な組合せによって制作されたアルバムである。正直言ってリーダーのことは何も知らないが,ピアノ,ベースが非常に気になるメンツであることは間違いない。これなら聞きたくなるのも当然という組合せである。私はこのブログではピアノのBattagliaについての記事は書いていないと思うが,そのECM作品は非常にECMらしい美的感覚に溢れていたし,ベースのdalla PortaはPaolo FresuのDevil Quartetはもとより,Bebo Ferraとのデュエットでも優れた演奏を聞かせる人なのだから,これは気になる。
そして,今回,このアルバムを聞いてみると,かなりフリー的なアプローチが目立つ。その一方で,メランコリックなムードの曲も含まれていて,ECMレーベルの作品だと言われれば,そう思ってしまうかもしれない作品である。冒頭からして,フリー的なもの(特に出だしのベースのアルコ等)とピアノの美しい響きが混在しているところがそういう感じなのである。だが,このアルバム,決して甘い印象は与えない。むしろ,なかなか聞き通すには厳しい印象を与える音楽と言ってもよいように思える。特に3人が共作した"Jacob#1~#3"の3曲はインタールードのような比較的短めの曲なのだが,これらがそうした印象を強くしている。
だが,これはなかなか聞かせる作品であり,欧州ピアノ・トリオ好きのリスナーであれば,聞いてみて損はないと思える。特に最後に収められた14分を越える"Julijske Barve"が本作のハイライト。この曲についてはあっという間に時間が過ぎていく感じがした。星★★★★。
ちなみに,本作のエンジニアのStefano Amerioは巷で話題らしいが,確かにベースとドラムスの音の捉え方のクリアさが顕著で,相当ミキシング・レベルが高いように聞こえるため,静謐な音楽でも相応の音圧を感じさせるというところか。
Recorded in November 2011
Personnel: Zlatko Kaucic(ds,perc), Stefano Battaglia(p), Paolino dalla Porta(b)
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