今日は久しぶりのMilt Jacksonである。
"Memories of Thelonious Sphere Monk: Milt Jackson in London" Milt Jackson (Pablo)
ECMの新譜も届いているのだが,なかなかそちらへの食指が伸びない状態なので,今日は気分転換にMilt Jacksonである。私はMJQに限らず,Milt Jacksonが結構好きと言ってもよいが,ことMiltに関しては亡くなった父にその魅力を教わったような気がする。実を言えば,このCDも父の遺品である。
私の父はモーツァルトが好きな人だったが,晩年にはジャズを結構好んで聞くようになっていた。ジャズ歴は私の方がずっと長かったので,父からいいレコードを推薦してくれなんて言われてしまっては,父の誕生日には毎回3枚のジャズのCDを送るというのが決まりになっていた。そんな作品で父が特に気に入っていたのがKenny Kirklandだとか,Brian Bladeだとか言われては,親父ながらいいセンスしているぜ!と私は思ってしまった。
そんな父が自分で買っていたアルバムの中に多く含まれていたものがMilt Jacksonのアルバム(MJQではない)だったのだが,今やそれらは全て私が引き継いでいる。父がMilt Jacksonが好きそうだというのはわかっていたので,Count Basie Orchestraとの共演盤は私が父に贈ったもののはずだが,それも私の手許にある。なぜ父がMilt Jacksonが好きだったのかはついぞ聞けなかったが,おそらくはMilt Jacksonの持つブルージーな感覚にクラシックと違う側面を見出していたのだろうと思う。クラシック・ファンならMJQに走りそうなものだが,MJQももちろん保有はしていても,Milt Jackson名義のアルバムの方が多いのである。
それでもって,このアルバムはタイトル通り,前半はThelonious Monkの曲で占められているが,ライブらしい熱気に溢れた作品となっていて,いつも通りのMilt Jacksonらしい楽しさが炸裂している。だが,Monkの曲をやりながら,このアルバムが珍しいのはMJQ外で"Django"をやっているってことかもしれない。John LewisとMonty Alexanderでは明らかにピアノの質が違うが,この長尺の"Django"はRay Brownによる「あの」ベース・フレーズが聞けるなど,非常に興味深いものであったが,ここに必要だったかというと微妙ではあるが,そうした中でもMiltはあくまでもMiltである。いつもと何も変わらない。このいい意味での予定調和感に私の父は快感を覚えていたように思えてならない。
いずれにしても,全編に渡って楽しめるアルバムではあるが,一番私が好きなのは中盤の"In Walked Bud"かもしれないなぁ。このドライブ感が非常に素晴らしいのである。ということで,歴史的なアルバムとかでは決してないが,ジャズという音楽が楽しめる音楽でもあるということは見事に実証されている作品である。まぁ,こういう音を聞いて嫌いだって人はあまりいるまい。ということで星★★★★。
Recorded Live at Ronnie Scott's on April 28, 1982
Personnel: Milt Jackson(vib), Monty Alexander(p), Ray Brown(b), Micky Roker(ds)
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