感動作であるが,見ていて辛くなる「それでも夜は明ける」
「それでも夜は明ける("12 Yeras a Slave")」('13,米,Regency)
監督:Steve McQueen
出演:Chietel Ejiofor,Benedict Cumberbatch,Michael Fassbender,Brad Pitt,Lupita Nyong'o
本年のオスカー作品賞の受賞作である本作をようやく見ることができた。この映画を作ったからと言って,奴隷制度の免罪符とはならないが,それでもアメリカ人が持つ意識(おそらくは罪悪感)に影響を及ぼしたことは間違いないであろうと思わせる作品。それだけ奴隷制度のむごさがストレートに描かれるため,見ていて本当に辛くなるシーンの連続である。そして,Lupita Nyong'oはこの映画を見た上で,助演女優賞は当然と言いたくなるような素晴らしい演技であった。以下にはネタバレありなので,未見の方はご注意願いたい。
いずれにしても,白人は「悪」ばかりではないというところに,多少の救いの要素はあるわけだが,それでもこの映画は相当に厳しい映画である。そして,最後には感動が襲うわけだが,それでもChietel Ejiofor演じるSolomon Northupが去った後に残された奴隷たちの運命を考えると,不条理感はどうしても残ってしまう。そうは言いながら,私はいつものように単純に涙を流していたのだが...(笑)。
奴隷制度はアメリカ合衆国憲法修正第13条により廃止となったわけだが,ミシシッピ州がそれを批准したのは1995年という信じられない事実もあり,その後の人種差別が歴然と存在したことは否定しようがない。それが解消するには長い時間を要したということだが,この映画はそうした意識に楔を打ち込むものになっていて,当然,エンタテインメントとしての映画の側面だけでなく,テーマの重さゆえに評価が上がることは当然あるように思える。今回,この映画が作品賞に輝いたことには,そうした要素が大きいことは間違いないのである。
それにしても,憎らしさという意味ではMichael Fassbenderも相当憎々しく描かれているが,前半に出てくるPaul Danoは彼が歌う歌の歌詞からしても,えげつなく憎たらしいキャラに描かれている。思わず感情移入して,叩きのめしたくなるキャラであった。そうした役者陣の頑張りもこの映画を優れたものにしたものだと思える。とにもかくにも立派な作品である。星★★★★☆。


























































































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