Saya:彼女には悪いが,時代の徒花と言うべきだろうな。
このアルバムがリリースされたのは2002年の頃のはずであるが,今,約干支を一回りして改めて本作を聞いてみて思うことは,この頃には何だか訳がわからないうちに多くの女性日本人ジャズ・ピアニストが登場したなぁという思いはありながら,今となってはちっとも記憶に残ってないなぁということである。今回,久しぶりにこのアルバムを聞いてみても,これでは記憶に残るはずはないというのが正直な感想である。この人,ジャズをやっているにしては結構な美形な人だと思うが,それだけでは音楽は成り立たないということの最たる事例である。
ここでやっている曲は,ポップ・チューンを交えてなかなか魅力的なのに,聞いていても全然面白くない。結局のところ,聞き心地の良さはあったとしても,それ以上の魅力がこの音楽にはないと言うしかない。彼女がNeville Brothersと一緒にやっていたという事実は立派であるが,だからと言って,それがジャズ・ピアニストとしての実力を保証するものではなかったという当たり前のことに今更ながら気がつかされる凡作。こんなものをゴールド・ディスクにしていたSJという雑誌の崩壊は,この頃にはもう明らかだったということを振り返った作品だと言っておこう。この程度ならば,星★☆で十分。それにしてもつくづく面白くない作品である。当時,こんなものを買っていた自分を呪いたくなるわ(爆)。完全に背中に騙されたな(笑)。
Personnel: Saya(p), Mark Williams(b), Deszon Claiborne(ds), Nelson Braxton(el-b)
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