Rodney Green:今回のSmalls Liveの購入盤はこれだけ
"Rodney Green Quartet Live at Smalls" Rodney Green(Smalls Live)
お馴染みのSmalls Liveシリーズの新作の登場である。今回も4枚リリースされたはずだが,私が購入したのはこれだけである。完全にメンツ買いである。Seamus Blakeに加え,Criss Crossにリーダー作を残すLuis PerdomoとJoe Sandersというメンツは非常に魅力的と言ってよい。そもそもSmalls Liveは今のヴィレッジでのジャズのありようを捉えたドキュメントとして貴重な部分もあるが,やはり相応の演奏のクォリティを保っているのが素晴らしい。
だが,いつも通りというか,このシリーズ,録音が手作り的に行われていることもあって,音はこの時代にあっては相当のローファイである。だから,今回のようにドラマーのGreenがリーダーであったからと言って,ドラムスのニュアンスまで捉えられているかというと決してそんなことはない。だが,私が以前Lage Lundのライブ・レコーディングに立ちあった経験(記事はこちら)からすると,それも仕方がないのである。低予算であっても,演奏をドキュメントすると言うことがこのシリーズの目的なのだとすれば,「音がどうのこうの」という批判は当たらない。
そうした中で,この演奏なのだが,今イチ高揚感がない。このメンツならではのハード・ドライビングな感じもあまりない。正直言って,私はこのところのSeamus Blakeに一時期ほど期待を寄せられなくなっているのだが,ここでも以前のSeamusのような熱い感覚があまりないのはどうしたことか?もう少し,Seamusならばもっとブイブイ言わせられるはずなのだが,ちょっと落ち着き過ぎた感覚が強いのである。しかもワンホーン・クァルテットというSeamusにとっては願ってもない編成なのだ。こちらの期待値を軽々と越えて行ってもよさそうなものなのだが,私には今ひとつ魅力的に響かない。
その要因の一つに,ここでの演奏が,現在のNYCらしい変拍子を多用せず,比較的コンベンショナルな感覚を与えるからかもしれないが,それでもやはりちょっと肩透かしを食うって言う感じではないかと思う。そうは言っても聞きどころはある。私が一番魅かれたのはLuis Perdomoのイントロのピアノが美しい"The Citadel"だと思う。この辺りの演奏はさすがと思わせるが,このメンツであれば,アルバムを通じてもっとリスナーを興奮させられる演奏ができたのではないかと思える。そこが惜しいって感じなのだ。ということで,悪くはないが,星★★★☆ってところの評価が妥当だろう。Seamus Blakeの行く末がやや心配になっている私だが,Criss CrossでのChris Cheekとのテナー・バトル盤で燃えるSeamusを聞きたいと思っている。激励も込めてもっと頑張れ,Seamusと言っておこう。
Recorded Live at Smalls on October 16 & 17, 2013
Personnel: Rodney Green(ds), Seamus Blake(ts), Luis Perdomo(p), Joe Sanders(b)
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