昨年のイタリア旅行を思い出しつつ「たそがれのヴェニス」
"The Modern Jazz Quartet Plays No Sun in Venice" The Modern Jazz Quartet (Atlantic)
昨年,私は家族でイタリアを訪れたわけだが,通常は滞在型の旅行を好む私たちには珍しく,完全観光モードを貫いた。訪れた場所はそれぞれに魅力的な街であったが,最初の訪問地がヴェネツィアである。ヴェネツィアそのものは完全に観光地化していると思えるが,観光地には観光地としての魅力が溢れているということを再認識させられた場所であった。
ということで,それを懐かしんでというわけではないが,突然の「たそがれのヴェニス」である。そもそもこの音楽はRoger Vadimが撮った「大運河」のサウンドトラックであるが,当時の欧州映画はジャズを使うことが多かったこともあって,これもその流れでMJQが採用されたものと思う。映画は未見なので,何とも言えないが,音楽的に見れば,これをMJQの代表作と呼ぶには躊躇があると言わざるをえない。
この中では,ある程度知られているのは冒頭の"Golden Striker"ってことになるだろうが,それ以外は相当に地味,と言うかやっぱりサウンドトラックだよねぇと言わざるをえないものとなっていることは否定できない。美しい音楽なのだが,Milt Jacksonの持つブルージーな感覚が出ていないことがやはり問題だろう。そして,"Cortege"で出てくるトライアングルのような響きは音楽の流れを分断するだけで,全然よくないのである。この曲になると,私は聞く気が失せると言っても過言ではない。その一方で"Venice"や"Three Windows"のようなノーブルな響きはMJQらしいと言えば,その通りである。だが,アルバムとして聞くと,悪くはないとしても,やっぱりMJQはこれからではないということになってしまう。ということで,駄作の少ないMJQと言えども,これは水準,あるいはそれ未満ということで,よくても星★★★☆ってところだろう。
ところで,甚だ余談ではあるが,やはりイタリアの観光地としての魅力は超一級だと思う今日この頃であり,死ぬまでにもう一回ヴェネツィアに行けるかなぁなんて考えている。まぁ一回行けただけでもよしとしなければなるまいとは思いつつ,もう一度行ってみたいと思わせる国であった。ってことで,MJQのアルバムのジャケはTurner作のようで,多分ヴェネツィアの駅の近辺を描いたものではないかと思っている。昨年の夏を懐かしんで,典型的な写真もアップしておこう。我ながらアングルが普通だが,若干距離感は違うが,Turnerもこの辺りで絵を描いたに違いないってことで(笑)。
Recorded on April 4, 1957
Personnel: Milt Jackson(vib), John Lewis(p), Percy Heath(b), Connie Kay(ds)
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