非常に面白いAl Di MeolaのBeatles集
"All Your Life" Al Di Meola(Valiana)
去年の秋口にリリースされたアルバムである。私にとってはAl Di Meolaは決して嫌いなギタリストではないし,しかもBeatles集ということであれば,もっと早く購入していてもよかったかもしれない作品であるが,ついつい手が出ないままになっていたものを,年が明けてようやく購入したもの。
Beatlesの作品集というのは実はミュージシャンにとっては相当チャレンジングなものではないかと私は思っている。なぜなら,多くの人が原曲を知っていて,そのイメージを壊せば,なんじゃそりゃ?と言われる一方,個性を打ち出せなければ,こんなものなら誰でもできるという指摘を受けかねないからである。だから,1曲だけを取り上げるというのであればまだしも,単一のミュージシャンが全てBeatlesの曲で固めたアルバムを作るのはかなり大変なことであり,そういう理由から,コンピレーション的な取り組みが多くなっているように感じられる。だからこそ,このアルバムも実は聞くまではちょっと不安があったことは正直に告白しておこう。
だが,このアルバムを聞いて,正直私はAl Di Meolaを見直したと言いたい。原曲のよさはちゃんと残しながら,演奏にはAl Di Meolaの個性が表れているからである。その中には「くずし」の美学も感じさせる。例えば,"Michelle"なんて,サビまで聞けば確かに"Michelle"だが,そこまではほんまに"Michelle"かと思わせるような感じなのだ。そしてフレージングは,誰がどう聞いてもDi Meolaなのだから,これは面白い。
私は長年のBeatlesのファンでもあるが,この演奏ならば納得できると思わせるものであった。"Eleanor Rigby"のストリングスなんて,まんまじゃないかという声もあろうが,全体を通して聞けば,これはよく頑張って作ったと思う。そして,へぇ~,こういう風にやるんだと思わされたがゆえに,ついついギターでコピーをしたくなってしまった作品である。そういう思いも含めて星★★★★☆としてしまおう。
もっと色ものかと思っていた自分を反省。ごめんね,Di Meola(笑)。
Recorded in May and November, 2012 and February 2013
Personnel: Al Di Meola(g, perc), Hernan Romero(clap)
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» Al Di Meola / All Your Life - A Tribute to The Beatles [とっつぁんのblog]
Al Di Meola : All Guitars and Percussion
Herman Romeo : Hand Claps and Chaca Rhythm
Recorded at Abbey Road Studios, London, May 2012, November 2012, February 2013
Rel:2013 inakustik 9128
近頃にわかにマイブームになっているビートルズ。前回のマイブームは赤盤青盤の頃だったので15年くらい振り。あの頃は..... [続きを読む]
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偶然だろうと思うけれど、ジャズで最近ビートルズ曲集がいくつか出てますね。曲の使用 [続きを読む]


































































おはようございます。
Al Di Meolaがビートルズ?と勘ぐってましたが、選曲とかアレンジを感じてみるとサブタイトルとおりTributeの気持ちが入っているし、レコーディングもアビーロードという徹底ぶり。おっしゃるとおりくずしの美学と曲へのリスペクトがバランス良くキープされててかなり楽しい作品ですね。
TBさせていただきます。
投稿: とっつぁん | 2014年1月19日 (日) 06時53分
ちょっと変えてはいますが、聴いてみるとビートルズの曲なんだよなあ、と思える具合と、真剣に聴いてもBGM的に聴いてもいけそうな感じがまたいいですね。一時期何度も聴いていました。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2014年1月19日 (日) 13時09分
とっつぁんさん,こんにちは。TBありがとうございます。
そうなんですよねぇ。Di MeolaとBeatlesは簡単に結びつかない感じですが,ちゃんとトリビュートしているのがわかって,非常に好感度が高かったです。
ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年1月19日 (日) 14時56分
910さん,こんにちは。TBありがとうございます。
おっしゃる通り,聞き流しても,ちゃんと聞いても大丈夫ですね。後者の場合は仕掛けを楽しむって感じでしょうか。確かに何回か繰り返し聞いても苦にならないアルバムだと思いました。ギターをコピーするなら,更に聞き込まないと(笑)。
ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年1月19日 (日) 14時58分