「ゼロ・グラビティ」:これは凄い!テンション高過ぎである。
「ゼロ・グラビティ("Gravity")」('13,米,Warner Brothers)
監督:Alfonso Cuarón
出演:Sandra Bullock,George Clooney
世間の評価も無茶苦茶高い中,公開されたばかりのこの映画を観に行ったのだが,劇場もほぼ満席という具合で,この映画への期待値がわかろうというものである。そして,この映画は「企画」の勝利という気がしないでもないが,それに映像効果を組み合わせるとともに,91分という昨今では例外的に短い尺ながら,これほど上映中のテンションを維持した映画というのも私には近年記憶にない。
ストーリーは既にいろいろなところで語られているであろうから,それを繰り返す愚を犯すつもりはない。この映画は映像を見なければ話にならない。かつ,いつもは3Dに対して懐疑的な私でさえも,これは3Dで見るべきだと思えた映画であること自体が,この映画への私の評価を高める結果となっている。
オープニングから暫くはのんびりとした感覚,換言すれば,宇宙を舞台にしながらも牧歌的とさえ思わせるようなシークェンスが続くのだが,それが一瞬にして超ハイ・テンションへ転じ,それはラスト・シーン直前まで途切れることがないのである。91分というのは短いようにも思えるが,私はあれ以上の緊張には耐えられないという感じの時間だった。そういう意味でも,製作者はそうしたこの映画の特性をよく理解していると言わざるをえない。
皮肉な言い方をすれば,この映画のシナリオは先が読める展開である。だが,そんなことなどほとんど気になることのない映像をものにしたこの映画は,評価が高くても当然と言いたくなる。もちろん,テクノロジーの進化があったがゆえに成り立つ映画ということもできよう。だが,これまででも思いつきそうであったシナリオを映像化し,見事に観衆の目を釘付けにしたという点で,この映画は高く評価すべきだと思う。何てたって,実質,役者はSandra BullockとGeorge Clooney二人だけなのである。おかしな言い方かもしれないが,宇宙における究極の密室劇的展開を実現しているのである。だからこそ「企画」の勝利だとも言うわけだが,この原題はラスト・シーンを見てこそ理解できるということも,この人たちの知性を示していると思う。
私としてはこの映画に「感動」したわけではないが,今年最も緊張を強いられるとともに,経過する時間の間,まさに身体中に力が入った状態にさせられた映画ということでは,「最も強力」な映画だったと評価したい。そうした点も含めてこれは星★★★★★以外にはない。これからこの映画を観ようと思われている皆さんには,多少お金が掛かったとしても,IMAX 3Dでの鑑賞を強くお勧めする。但し,劇場から一歩足を踏み出した瞬間,物凄い疲労感に襲われるであろうことは覚悟して頂ければと思う。
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コメント
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確かに今年後半の出色の出来でした。
イオンシネマのリアル3Dで見たのですが、IMAX 3Dには
かなわないのでしょうかね。(近くにIMAX 3Dがなくて。)
見終わって、絶対に宇宙に行くまいと決心しました。
(行ける訳ないけど。)
一つ、いっそのこと、映画中のBGMを止めて、登場人物の
会話だけにしたらどうだろうと思いました。
途中で窒息してしまうかも知れませんけど。
投稿: AKI | 2013年12月18日 (水) 18時17分
AKIさん,こんにちは。返事が遅くなりました。
これであのBGMがなければ,まさしく「途中で窒息してしまうかも知れません」ってところでしょう。それほど緊張を強いる映画でしたし,多分身体が持ちません(苦笑)。
ちなみにIMAX 3Dでなくても問題はないと思いますよ。でも間違いなく3Dの方がいいですね。
投稿: 中年音楽狂 | 2013年12月21日 (土) 11時58分
こんにちは、
トラックバックさせて頂きました。
(ちゃんと出来てるか分からないですが)
またどんどんさせて下さい。よろしくお願いします!
投稿: ガーシャ | 2013年12月29日 (日) 16時43分
ガーシャさん,こんばんは。TB問題なく入っております。
現在,ココログのフォーマットが崩壊状態のため,お見苦しいところをお見せしています。
それはさておき,この映画のテンションは強烈でした。なかなかこれほどのものは出会えないと思える素晴らしい作品でした。
投稿: 中年音楽狂 | 2013年12月29日 (日) 20時08分