「スティーブ・ジョブズ」:この尺で彼の人生を描くのは無理があった
「スティーブ・ジョブズ("Jobs")」('13,米,Open Road Films)
監督:Joshua Michael Stern
出演:Ashton Kutcher, Dermot Mulroney, Josh Gad, Lukas Haas, Matthew Modine
彼の伝記についての記事をこのブログにアップしたのがほぼ2年前であるが,あれは本当に面白い本であった(記事はこちら)。あれだけ面白い本であるから,Steve Jobsの人となりについて映画にしたくなるのもよくわかる。だが,2時間強という尺ではSteve Jobsを描くには全く十分でなかったということは明らかである。
いきなりiPodの製品リリースのプレゼン・シーンから始まるが,残りは全てそれに至るまでの大学時代からのJobsを描いているだけで,Steve Jobsという人の人生をポートレイトするにはそれだけでは全く足りないと思わせるのである。書物に登場したお馴染みの実在の人たちも多数登場するので,シナリオとしては非常に難しい部分があったことは認めざるをえないが,もう少し人間ドラマとしての描き方もあって然るべきであったように思える。
結局は書物にも書かれているいくつかのエピソードの積み上げによって,映画は構成されているが,そのエピソード間のつながりに唐突感が避けられない出来になってしまっているのがこの映画の難点である。つまりはシナリオの出来がよくないことが決定的な問題であって,同じような映画と言ってよい「ソーシャル・ネットワーク」との大きな違いになっている。いずれにしても,こっちには伝記での擦り込みがあるわけで,「えぇっ,これで終わりかい?」という感覚を多くのオーディエンスが感じたのではないだろうか?そうは言っても尺を長くすればいいってもんでもなかろうから,これはTVシリーズにした方がよかったのではないかという感覚すらおぼえる。
Ashton Kutcherはよく頑張っていると思うが,それでも映画としての評価は高くならない。エンディングも「アルゴ」の真似か?と皮肉を言いたくなるようなもので,そういう点から見ても,レベルが低いのである。ということで,星★★が精一杯。唯一の救いはバックに流れる音楽(70年代ロック)だろうなぁ。
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