マイナー盤ながら見逃すのは惜しいLeszek Zadloの"Thoughts"
"Thoughts" Leszek Zadlo(EGO)
毎度おなじみ新橋のテナーの聖地「Bar D2」で聞かせて頂いて,痺れてしまったアルバムである。そもそもマイナーなアルバムだとは思うが,こういうところまで押さえているマスター,さすがとしか言いようがない。
このアルバムのよさはフリーと保守の中間を行くようなアプローチにあると思うが,この手のサウンドが好きなリスナーには堪えられないはずである。このアルバムは単体でCDはリリースされていないが,4枚組"The EGO Recordings Vol. 2"の1枚として含まれているということで,若干価格面でのハードルは上がるが,その他のAlan Skidmoreのアルバムも非常に興味深いので,私はいつものようにお店からオンラインで即発注してしまった。
そして,今,本作を聞きながら書いているのだが,この音楽は万人向けではなく,聞くことにはハードルが結構高いようにも思える。それでも,欧州フリーの中では非常に真っ当に聞こえるこのバランスがいいのである。フリーに流れそうで,ドイツ的な完全フリーにはならないところが非常に魅力的に響く。そして,この人のテナーの響きの豪快なことよ。テナー好きはしびれる音色だと言ってもよいのではないだろうか。フルートもなかなかであるが,やはりこの人はテナーがよい。
最近の活動は教鞭中心なのかもしれないが,こういうアルバムを残したことは,この人のキャリアにおいて,誇るべきものであると言い切ってしまおう。タイトル・トラックのフェード・アウトは野暮ではあるが,そういう瑕疵はあったとしても,全編を通して楽しめる,まさにこれこそ隠れた佳品と言いたくなる作品である。星★★★★☆。
Recorded in June 1976
Personnel: Leszek Zadlo(ts,fl), Joe Haider(p), Isla Eckinger(b), Joe Nay(ds)
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