かなり暑苦しいJoachim Kühnの新譜,でも好きなんだよねぇ。
"Voodoo Sense" Joachim Kühn Trio Inviting Archie Shepp(ACT)
私にとってのJoachim Kühnと言えば,基本的に聞くべき対象はJean-François Jenny-ClarkとDaniel Humairを擁したトリオでの演奏が中心であり,それ以外も何枚かは保有している程度である。だから,近年の彼の活動を熱心にフォローしているわけではないし,昨年だったにリリースされたArchie Sheppとのデュオ盤も購入したものの,このブログにはアップしていない。だが,基本的に好きなピアニストであることは事実であり,今回もショップをうろついていて,このアルバムを発見し,かつSheppが参加しているので,ついつい買ってしまったものである。しかも冒頭は"Kulu Se Mama"を20分近くに渡って演じているのが決定的な要因だったと言ってもよい(笑)。つまり,暑苦しさは覚悟の上である(爆)。
このアルバムは近年Kühnがレギュラーで活動しているトリオに加え,ゲストを迎えてモロッコとパリで録音したものだが,予想通りというか,これが何とも暑苦しい。"Kulu Se Mama"だけを取っても,Shepp,更にはヴォーカルだけでなく,アフリカン・パーカッションも加わっており,クレジットを見て不安を感じなかったと言えば嘘になる。しかし,この面々が,フリー一歩手前まで行ってしまえば,この手の音に単純に燃えてしまう私にとっては全くOKである。むしろ,快感である。この一曲だけでもつかみはOKであるが,その後はパーカッションも賑々しく,演奏を盛り上げる。曲の途中ではついつい"Kulu Se Mama"と一緒に歌ってしまうのである(爆)。変わって,2曲目はいつKühnは出てくるんじゃ?みたいな感じであるが,おもむろに登場するKühnがここではやや牧歌的な感じで弾いているのが面白い。曲の後半ではやっぱりKühnぽくなってしまうのがこの人らしい。
そしてSheppは続く3曲目と4曲目に再登場するが,3曲目の"L'eternal Voyage"ではディープなテナーを聞かせつつ,おう,おうSheppじゃ~と思わせるが,これがまたいい感じなのである。「身を捩りながら吹く」ってところがたまらん。まぁ,4曲目のタイトル・トラックはもっと激しくイケイケでもよかったが(笑)。
最後の2曲はトリオだけの演奏であるが,5曲目の"Crossing the Mirror"はなんだかPaul Bleyみたいである。むしろ,最後の"Firehorse"の方がまだKühnらしい。今のメンツも悪くないが,やはりJean-François Jenny-ClarkとDaniel Humairのコンビと比べてしまうのは酷かもしれないが,リスナーなんてそんなものである。まぁ,トータルで言うと,"Kulu Se Mama"がよ過ぎて,その他の印象はそれに負けるが,こういう音楽に縁のない人に知ってもらうためにもちょいと甘いと承知で星★★★★☆。
ところで,Majid Bekkasが弾いているGuembriという楽器は,北/西アフリカに由来する3弦のベースだそうである。結構ボディは小さいのに,野太い音がするのにはびっくりである。Personnel情報に出てくる楽器の名前は聞いたこともないものが多いし,世界は広いよねぇ(笑)。
Recorded on December 26-28, 2011, February 1 and 16, April 15, and November 13, 2012
Personnel: Joachim Kühn(p), Majid Bellas(guembri, kalimba, balafon, vo), Ramon Lopez(ds, perc), Archie Shepp(ts), Kouassi Bessan Joseph(talking drum, zinu conga, vo), Gouria Danielle(perc, vo), Gilles Ahadji(jembe), Abdessadek Bounhar(karkabou)
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